【11月8日~9日】

市議会の無会派議員と公明クラブの合同で視察研修を行い、石川県羽咋市と輪島市と訪れた。
今回のテーマは、①農山村エリアの活性化と②高齢者の見守り事業の2つだった。
(羽咋市)
昨年秋(11月21日)に、同市の元職員である高野誠鮮氏(TVドラマ『ナポレオンの村』のモデル)の講演を聞く機会があり、ぜひ1度彼が活性化に取り組んでいた神子原地区を訪れてみたいと思っていた。
視察する前に、神子原地区の農産物直売所『神子の里』に立ち寄ったが、販売に携わっている女性の皆さんがいきいきとしているのが、とても印象的だった。

 

 

同地区の人口は、かつて1000人以上いたが、それが半減(約450人)するという典型的な過疎地域だった。
そうした中、平成17年から高野氏を中心に、農業所得を向上させ後継者を育成することを最終目的としたプロジェクトが動き出す。
全国でも先駆けとなった『空き農家・農地情報バンク』や『都市部の学生との交流事業』などの取り組みにより、交流人口、定住人口の増加に努めてきた。

 

ただし、私が何よりも驚いたのは『モノの売り方』である。この事業の最終目的があくまでも農業所得の向上であるため、決して安売りなどしない。神子原地区でとれた米は、5kgで3500円という価格設定である。
高野氏の著書に『ローマ法王に米を食べさせた男』があるが、ローマ法王にコメを献上したことも、決して突飛なことではなく、同地域のブランド化戦略の1つである『ロンギング効果』(憧れている人が持っているものへの関心)を狙ってのものだった。
地理的な条件も違うため、神子原地区における農産物の売り方を、真岡市でそのまま模倣することは難しいかも知れない。
しかし、農産物に限らず地域の特産品全体について考えてみると、品物やそれを支えている人に隠されている『ストーリー性』を発掘し、磨きをかけている努力は我々に求められているように思う。
(輪島市)
現在の輪島市は、平成18年に旧輪島市と旧門前町が合併して誕生したが、10年以上が経過した今、人口が約6000人減少(現在は約28000人)しただけでなく、高齢化率も42.9%にのぼっている。
ちなみに、全人口に占める後期高齢者の割合さえ、すでに24.7%に達しているという。輪島市の状況は、全ての自治体がこれから経験する未来の形と言えるかも知れない。
この地域は、平成7年から1人暮らしの高齢者や障がい者を把握するため、民生委員による『見守りマップ』を作成するなど、以前から高齢者の安全安心のための施策には力を入れてきた。
その後も『傾聴ボランティア事業』(平成18年度~)や、電話で高齢者の安否確認を行う『おたっしゃコール』(平成24年度~)なども実施し、重層的な見守り体制を構築してきた。
民間企業と連携しての『地域貢献みまもり事業』は、平成22年度から行われてきた。郵便局や新聞・牛乳の配達員、さらには行商の方々(この辺りは輪島市ならでは、という感じでしょうか)にいたるまで、協定を締結しているのは78団体に及ぶ。
声かけなどは必要なく、配達・集金などの通常業務で何らかの異変を察知した時、市へ直接連絡することができる。市の担当者が交代で所持している携帯電話に直接つながり、24時間対応が可能となっている。

1年間に受ける連絡件数は3~4件程度とのことだが、それでも人命救助につながった事例が、これまでに8件あったという。
高齢者世帯を対象とした緊急通報システムなどを取り入れている真岡市の状況と比べると、輪島市の取り組みは即効性という面では弱いかも知れない。しかし、たとえ立派なシステムや制度を取り入れても、それが有効に機能するには周辺住民の理解と関心だと、最近痛感をしている。
『地域貢献みまもり事業』はもちろんだが、『見守りマップ』や『おたっしゃコール』まで含めて“重層的なもののいくつか”として、地域住民の関心度を高める取り組みとして捉えると、非常に意義のある事業ではないかと思う。