6月議会 中村の一般質問

答弁:福田武隼 市長
小松廣志 総務部長

一般質問

二宮町との市町合併について

来年3月23日に二宮町との合併を予定しているが、現段階に至っても財政面での問題が不安材料として残る。特に、これまでの合併協議会を見ていて、真岡市で行われている行政サービスで、二宮町では未実施のものが想像以上に多いと感じる。
仮に、二宮町が真岡市と同じ行政サービスを行った場合、新たな財源はどの程度必要になるのか。
二宮町が真岡市と同じ行政サービスを行った場合、新たに福祉・医療分野、農業分野、生活環境分野、教育分野、さらに『はつらつ地域づくり事業』等で、合計2億2800万円増が見込まれる。
この額から、国・県の補助金を差し引くと、1億2,500万円の財源が新たに必要になる。
平成18年度末で、真岡市では一般・特別・水道事業の3会計に利子分を入れて、556億2,349万3千円の市債がある。
しかし、二宮町の状況については不明確な点が多い。現時点でどの程度の町債があるのか。
平成19年度末の時点で、一般・特別・水道事業の3会計に利子分を加えた総額は、112億716万8千円である。
この債務については、財産同様に真岡市が引き継いでいく。

市民と行政の協働によるまちづくりについて

『自治基本条例』は、まちづくりにおいて、誰がどんな役割を担いどのような方法で決めていくのか、ルールとして定めるものである。
宇都宮市では、一般公募で参加した市民23名をはじめ、学識経験者や職員、議員等によって条例制定に向けた協議が進められている。この条例は、内容だけでなく制定過程も、市民・行政双方が『協働とは何か』を考えるきっかけ作りになると言われている。
真岡市においても、二宮町との合併を予定しているこの時期は『自治基本条例』の制定を検討する絶好の機会と考えるが。
真岡市では、パブリックコメント制度やはつらつ地域づくり事業等を積極的に行っており、現時点では『自治基本条例』を制定しなくとも、協働のまちづくりは十分推進していけると考えている。
しかし、来年3月に二宮町との合併を予定しており、新市において協働のまちづくりを更に進めるためには、市民、議会、行政等の役割と責務を明文化することも必要と思われるので、今後検討していきたい。
真岡市の『パブリックコメント制度』は平成18年度からスタートした。これまでに真岡市障害者計画等5つの計画でパブリックコメントを実施してきたが、
①パブリックコメントを実施する基準はどのようになっているのか。
②市民から寄せられた意見に対してどのように対応しているのか。
市民からの意見が取り入れられたことはあるのか
①計画や条例等のうち、市民生活に影響を与えるものであって、実施機関が必要と認めるものが対象となる。
②寄せられた意見に対する市の考え方、修正の内容、反映できない理由を、市のホームページや広報紙で公表している。
③これまでに市民から66件の意見をいただき、そのうち12件を計画の中に反映させてきた。
はつらつ地域づくり事業』は、平成17年度からスタートし、来年度は内容について見直しの時期を迎える。
①現時点で同事業をどのように見直し・拡充させる考えなのか
②『はつらつ地域づくり事業』の中に、自然景観の保全・再生等、環境をテーマにしたメニューを新たに加えてはどうか。
①来年度は、二宮町との合併に伴い自治会も増えることになるが、これまでの各地域からの要望等を踏まえながら、今後も引き続き『はつらつ地域づくり事業』は継続させていきたい。
②これまでにも、磯山ふれあいの森づくり事業や八木岡城址環境整備事業等を、特別認定事業として実施してきた。平成20年度からは『とちぎの元気な森づくり県民税』も活用しながら、自然景観の保全・再生に取り組んでいく。
『市民活動推進センター』は、今年1月にオープンして以降、登録する団体・個人は80に及んでいる。今後の課題として次のようなことが挙げられる。
①ボランティア連絡協議会の事務局がある『社会福祉協議会』等とは、どのように役割を分担させているのか。
②現在、栃木県ではNPO法人の設立に関する権限を各市町に移譲しているが、真岡市でも『市民活動推進センター』のオープンを機に権限移譲を検討してみてはどうか。
①『社会福祉協議会』は福祉関係の団体を中心に支援しており、『市民活動推進センター』は市民活動団体であれば分野を問わず支援している。それぞれの開館時間も異なるため、今後とも相乗効果による支援ができればと考えている。また、市の関係各課でもボランティア活動に関する情報を共有化し、より連携が進むようにしていく。
NPOの認証事務については、すでに県内14市のうち11市が権限移譲を受けている。真岡市では平成21年度から権限移譲を受け入れたいと考えている。

子育て支援策・少子化対策について

今年5月、地元紙の1面で『子ども医療費で差をつけろ』と題し、県内の市町で子どもの医療費助成を拡充させようとする動きが目立ってきたと報じられた。この記事では、子どもの医療費助成が『都市間競争を勝ち残る戦略』として位置づけられつつあるとも述べられている。
『医療機関のコンビニ化が進む』との懸念もあるが、ここ数年の真岡市の状況を見ると、子ども医療給付費の支出額は、当初の見込みを大きく下回っており、親はやみくもに子どもを医療機関にかからせている訳ではないことを物語っている。
真岡市独自に、医療費助成の対象年齢を引き上げることは十分可能であると考えるが。
子どもの医療費助成については、平成18年度から県の方針に基づき引き上げたものであり、更なる引き上げは県からの支援がないため、財政負担の増加につながる。
また、医療現場からは、安易に医療機関を受診する傾向が増えると危惧する声が聞かれるところであり、当面は現在の制度で実施していきたい。
現在、県内14市全てで不妊治療助成事業を実施している。その状況を見ると、
  ・真岡市では対象外としている第2子以降も対象としているのは9市。
  ・真岡市同様に所得制限を設けていないのが7市。
  ・1回の給付額が真岡市と同額、またはそれ以上なのは6市。
これだけを見ると、真岡市の制度が特に進んでいるとは思えない
①前回の質問で市長は、真岡市の不妊治療助成事業について『他市と比べて遜色ない』と答弁したが、その根拠は何か。
第2子以降も対象にしている9市ではいずれも、第2子以降の申請件数は全体の1~2割にとどまっている。財政的に重い負担を強いられるものではなく、真岡市でも実施可能と考えるが。
①真岡市の不妊治療助成事業は、所得制限を設けておらず、医療保険適用外の全ての治療を対象としている。さらに給付額も、年間15万円を限度として4年間利用できる。それらの理由から他氏と比べて遜色のないものと考えている。
②真岡市の不妊治療助成事業の対象は『子どもに恵まれない夫婦』であり、当面は第1子の誕生を願う夫婦を対象に実施していきたい。

再質問・再々質問・要望

(二宮町との市町合併について)

二宮町で、新たに必要な財源は1億2,500万円とのことであった。また、合併による人件費削減効果は年間6億4,000万円(10年間の累積で64億円)と試算されているので、十分にやっていけるようにも思えるが、
①現在、約13億ある二宮町の地方交付税交付金が維持されるのは7年間である。最終的には7~8億の財源不足になるのではないか。
②二宮町において、財政上の理由で見合わせているインフラ整備があるとすれば、合併後 に取り組まなければならない状況になるのではないか。
①地方交付税交付金に対する特例措置は7年間であるが、その後5年間の激変緩和措置もある。また『新市基本計画』の中でも、財政の効率的な運用等を検討することになっており、現在の財政状況が続けば、合併後も十分にやっていけると考えている。
②インフラ整備についても、『新市基本計画』に基づいて優先順位、必要度を見極めながら実施する考えである。

(自治基本条例について)

『協働』とは、まちづくりの主催者に市民も含まれるという考え方であり、あくまでも“参加者”と捉えていた『住民参加』とは全く意味が異なる。そのため、市民と行政の意思疎通は今後大きな課題になる。
現時点でも市民から『協働と言いながら、行政側は全く動かない』という声を度々耳にするが、『協働』に対する考え方が市民と行政で違うため、そうした不満も起きるのだろう。『協働』についての市民・行政双方のコンセンサス作りは急務である。
『自治基本条例』の制定については、前向きに研究・検討していただきたい。

(市民活動推進センターについて)

市役所内でも、ボランティア活動に対する情報の共有化をするとのことだが、連絡調整等の中心的役割はどの部署が担うのか。
②来年度、NPO法人設立に関する権限移譲を受け入れるとのことだが、その受け皿づくりについてはどのように考えているのか。
市民活動センターが中心となって、連絡調整の取りまとめをしていきたい。
②権限移譲受け入れた場合、NPO法人の認証に関する事務のほか、毎年各法人から出される事業報告書等の受付事務がある。これらに対して十分対応できるよう体制作りに努めたい。

(子どもの医療費助成について)

日本のサラリーマンの平均年収は9年連続で下落している。今、そうした中で親たちは子育てに奮闘している。親たちは、子どもが病気・ケガになった不安な時の支援を望んでいるに過ぎない。なぜ、それすら真岡市ではやろうとしないのか。
『市民誰もがほっとできるまち・真岡』というが、結局、子どもが生まれたらほっとできなくなるではないか。
第9次市勢発展長期計画の中に、『子育て支援の充実』『小児医療の充実』ということが盛りこまれているが、他の施策と比べてこの分野の優先順位は低いのか
中学生の場合、医療機関にかかる頻度はそれほど高くない。また、ケガについては大半が保険の適用となり、特定疾患についても助成制度がある。
医療費を無料にするなら、高齢者を対象にした方がよいと考える。
医療機関にかかる頻度が高くないからこそ、中学生まで対象とすることは可能とも言える。ちなみに、約8,000万円を新たに上乗せすれば、真岡市と二宮町の中学3年生まで医療費助成の対象としてカバーできる。合併による人件費削減効果の一部を使えば十分な額である。
真岡市でも合併を機に、実施に向けた研究をするに価する施策ではあると考えるが。
8,000万円もあれば、他にできる施策は色々ある。(子どもの医療費助成拡充については)次の市長の選挙公約に出てくる話ではないか。

(不妊治療の助成事業について)

制度開始当初に、第1子のみと決めたから変更するつもりはないというだけで、『なぜそうなのか』については全く触れていない。
この事業で、第2子以降も対象にすることのデメリットとは何なのか。
不妊の原因については、完全には解明されていない。財政的に余裕ができれば対象を拡充させることも可能とは考えるが。
第2子以降も対象としている9市の状況を見れば、財政上の理由でできないとは思えない。子どもが1人しかいない全ての夫婦が悩んでいる訳ではないと思う。しかし、不妊治療をしてまで子どもが欲しいと思い詰めている夫婦も現実としているのである。今の真岡市の制度は『子どもが1人もいない=悩んでいる夫婦』『子どもが1人いる=悩んでいない夫婦』と、変な線引きをしていることに気付いていただきたい。