12月議会 中村の一般質問

答弁者:福田武隼 市長
佐藤 務 教育長
小松廣志 総務部長
馬場照夫 産業環境部長
内田龍雄 教育次長

なお、文中で『今年』は平成20年を、『来年』は平成21年を指しています。

一般質問

来年度の歳入見通しについて

12月定例議会に上程された補正予算案を見ると、法人市民税を5億6,000万円下方修正するという異例の対応が取られている。
ただし、法人市民税の賦課は、前年度の企業実績に基づいて計算されるものであり、現在の金融不安や輸出関連産業の伸び悩み等については、来年度に大きな影響が出てくる。
来年度の法人市民税は、どの程度の減額が見込まれるのか。また、今年度中間申告により納付された法人市民税のうち、還付金も大幅に増えるものと思われるが、その見通しは。
世界的な景気減速のあおりを受けて、来年度の法人市民税は、今年度の当初予算額24億6,000万円に対して、31%減16億8,000万円になる見通しである。
また、還付金の見通しについては、今年度が11月末の時点で4,700万円(109法人)であり、来年度も同様であると予想している。
法人市民税の減収が、今後の市政運営に与える影響について伺いたい。
特に真岡市は、二宮町との合併を控えているが、かねてから財政面について懸念する声は市民からも上がっていた。
そうした中で、今回の不況は合併後の市政運営に影響は出ないものなのか
来年度の予算は現在編成中であるが、法人市民税の減収や、合併に伴う二宮コミュニティセンター(現・町民会館)改修等の公共施設整備が見込まれることから、約12億円の財源不足の状況となる。そのため、財政調整基金や公共施設整備基金を適切に活用したいと考えている。
今後については、人件費の削減等の合併効果、さらに企業立地による税収増を見込めるものと考えている。
真岡市では、約1,600ある企業のうち、上位5社で法人市民税の約7割を納めているのが現状である。
『輸出頼み』の状況すらままならない時代
に突入し、今後工業団地の主力企業が振るわなくなった場合、財政基盤が崩れることも予想される。
長期的視野にたって、地元企業に対する経営指導や起業家の掘り起こしを通じて、新たな地場産業を育成すべきではないか。
起業家育成については商工会議所と連携して取り組んでおり、市商工振興資金の中に創業資金も設けて支援を図っているところである。
今後も(財)栃木県産業振興センター等の各種事業を有効に活用しながら、起業家育成に努めていきたい。

職員の研修等の課題について

地方分権時代の到来により、各自治体には自己責任のもと独自の判断で施策を創り上げる必要性が高まっており、職員の研修制度の充実化は不可欠なことである。
そうした中、平成19年度は自己啓発の通信講座を受講した市職員が大幅に増加したことは大変喜ばしい。しかし、受講内容を見ると、職員本来の業務においてスキルアップにつながるのか疑問に感じる点も多い。今後の研修のあり方について改革・改善をどう考えているのか。
真岡市では、平成15年に『人材育成基本方針』を策定したが、二宮町との合併を契機として見直していく考えである。
また、県や芳賀広域、市単独で行っている各研修についても行政とより密接に関わりのある講座内容を設け、時代に適応した新しい行政施策の展開や、様々な行政課題に取り組める人材の育成を図っていきたいと考えている。
『出前講座』とは、市民のもとへ職員が出向き、市の施策や事業について説明するものであり、あらかじめ講座内容をメニュー化し、公表するのが特徴である。
市民へのサービス向上にもつながることであり、加えて二宮町との合併を控えて、市民に正確な行政情報を伝える必要がある。真岡市でも実施してはどうか。
『出前講座』については、市民に市政について理解していただき、協働のまちづくりを進めていくために、生涯学習事業の一環として実施していきたい。
なお、職員による行政に関する講座のほか、民間講師による趣味や教養の講座も含めたものにしていきたいと考えている。

市町合併に伴う公共施設の有効活用について

二宮町との合併により、真岡市内には2つの市民会館(真岡市民会館と二宮町民会館)が存在することになる。両会館は車で移動しても10分程度と大変近い場所にある。
これまでのように、限られた予算でそれぞれが文化事業を展開するのではなく、目的や機能を分担すれば、事業の充実化市民の利便性向上が図れると思うが。
両会館ともに、小・中・高の利用が約90%を占めており、利用形態も類似しているため一方の施設に振り分けることは難しいと判断している。
なお、自主事業については、二宮町民会館が舞台の間口や音響反射板等の施設面で不十分な所があり、大編成のクラシックコンサートや演劇公演については真岡市民会館で実施していきたい。また、歌謡コンサートや小編成のコンサート等は二宮町民会館で実施したいと考えている。
現在、体育施設の利用時間は真岡市午後9時まで。一方の二宮町では午後10時までとなっている。二宮町との合併を機に、体育施設の使用時間を延長できないものか。農作物等への影響により、屋外の体育施設は困難であるにしても、屋内の体育施設については可能であると考える。特に、総合体育館周辺には午後9時以降も利用可能な公共施設が多く、体育施設だけが周辺住民の迷惑になるとはどうしても思えないが。
体育施設の使用時間は、周辺住民の方々の生活環境に配慮するとともに、小中学生への教育的観点等からも設定されたもので、今後も継続すべきものと考えている。
一部の利用者については、十分な時間が取れない等の理由により使用時間延長を希望される方もいると思うが、現行の時間内で有効に利用していただきたい。

脳脊髄液減少症について

『脳脊髄液減少症』は、交通事故やスポーツ外傷等で体に強い衝撃を受けたことにより、脳脊髄液が漏れ出し、頭痛、めまい、吐き気、気力低下等の症状が診られる病気である。今から8年前に初めて症例が発表されたもので、歴史が浅く認知度も低いが、潜在的患者は全国で30万人にものぼると言われている。
治療法も国の保険適用外となっているが、自治体としても取り組めることはあるのではないだろうか。この『脳脊髄液減少症』について、どのような認識を持っているのか。また、ホームページの活用、相談窓口の設置等により周知徹底を図るべきではないか。
最近、『脳脊髄液減少症』に対する新しい治療法の有用性が報告されているが、未解明な部分が多く、現在も専門家による検討が行われている。こうしたことから、この病気に対して確立された見解は見いだしにくく、ホームページでの周知については非常に難しいものがある。
また、相談窓口の設置については、現在行われている一般的な健康相談で対応していきたい。
スポーツの事故は学校の現場でも起こりやすい。平成15年、大分県で中学2年生がボールに当たり、原因不明の頭痛や記憶障害に悩まされ、1年以上経過してから『脳脊髄液減少症』であることが分かった例がある。
文部科学省から平成19年5月に『学校におけるスポーツ外傷等の後遺症への適切な対応について』という事務連絡が出されたが、その後、真岡市教育委員会と各学校ではどのような対応をしてきたのか。また、この病気によって不登校に至るケースもある。情報提供と実態把握を早急に行うべきではないか。
文部科学省からの事務連絡を受けて、県では小・中・高の養護教員を対象に研修会を行った。
真岡市教育委員会でも、市内全小中学校に通知をして周知を図ったところである。今後、『脳脊髄液減少症』の情報収集に努め、『保険だより』等を通じて保護者にも周知していきたい。

再質問・再々質問・要望

(法人市民税(還付金)について)

来年度の還付金については今年度と同様とのことであったが、『100年に1度の経済危機』と言われる状況の中で、今までの経験則で大丈夫なのかという疑問が残る。
今年度と同様と予測を立てた根拠は何か。
法人市民税の還付金については、過去10年間の中で最低が平成9年度の1,400万円、最高が平成17年度の7,600万円で、平均すると約3,600万円となる。
今後も企業収益の悪化は続くものと見られ、還付金の増加につながると考えられるが、中間納付額の減少も見込まれるため、還付額が特に多くなるとは考えにくい。

(法人市民税(地場産業の育成)について)

人口減少の流れの中で、大手自動車メーカー等でも2005年頃から国内での販売台数は減少している。日本の経済が『輸出頼み』になるのは当然のことである。
しかし結果として、他国の経済が立ち直らない限り、わが国は景気を回復できない状況になりつつある。
そう考えると、新たな地場産業の育成がこれまで以上に必要ではないか。
栃木県では、新たな事業活動が相当見込める真岡市をはじめとした5市4町を対象として『とちぎ新事業創出事業環境整備構想』というものを策定している。これにより、多様な分野の創業を促進させ、バランスある産業構造にしていきたいとしている。
したがって、市のみの独自事業ではなく、関係各機関と連携を図りながら取り組んでいきたい。
今後、日本の経済を立て直すためには、小規模ながらも高付加価値の商品を生み出す事業体をどれだけ多く育てられるかがカギになるのではないだろうか。
関係各機関との連携が大切なのは分かるが、それを十分活かすためには市独自の取り組みも必要であるので、今後十分検討していただきたい。

(職員の研修について)

真岡市は今年、東洋経済新報社の『住みよさランキング』で全国3位という高評価を受けたが、その一方で日本経済新聞社が発表した『行政革新度ランキング』では全国806市・区の中で595位となっている。真岡市が何もやっていない訳ではないが、周りはもっとやっているということであり、その取り組みはもっと学ぶべきである。
職員の研修について見直しを図りたいとのことであるが、具体的にはどう見直すのか。
現時点で具体的な方向性は示せないが、来年3月23日に二宮町との合併を控えている。両自治体間には様々な違いがあり、職員間で目的を共有化させることが最低限の取り組みである。その上で、次のレベルを目指して『人材育成基本方針』をより高度なレベルのものにすることを考えていきたい。

(体育施設の使用時間について)

スポーツ交流館のフットサル場の利用者数を見ると、開設前は年間1万9,000人と予想していたが、実際は10か月間で約8,900人と大幅に下回っている。この点についてはどのような認識を持っているか。
体育施設の使用時間の短さが大きな要因と思われるが。
現状については指摘の通りであるが、それぞれのチームに対して職員が宣伝活動等の利用促進を図っているところであり、今後利用者は増加するものと考えている。
仕事を持った青年層がスポーツをしようと思っても、使用時間が午後9時までではなかなか利用ができないということではないだろうか。
佐野市や足利市等、午後10時まで使用可能な自治体もあるが、二宮町との合併協議会の中ではそうした議論はなかったのか。
合併協議会の中で調査をしたところ、県内他市で体育施設の利用時間は、午後9時までが6市、9時半までが4市、10時までが3市であった。真岡市の場合、午後9時いっぱいまでスポーツをすることが可能であり、9時半までに片付けをし、退出しなければならない市と実質変わらないことが分かった。
さらに、管理を委託しているシルバー人材センターのことも考慮すると、午後9時までというのが妥当ではないかと考えている。

(脳脊髄液減少症について)

『脳脊髄液減少症』を発表した医師(国際医療福祉大学熱海病院 篠永正道教授)は、この8年間で約3,000人の患者の治療にあたってきた。
また、文部科学省が事務連絡を通じて各学校に適切に対応するよう呼びかけている。
これらの現実について、どのように考えているのか。
約3,000人の患者が治療を受けたということは知らなかった。
また、不登校の要因になっている指摘されていることで、文部科学省が事務連絡を出したのだろう。
詳細は分からない。
原因不明の頭痛や気力低下に悩んでいる人がいることを考えれば、医学界で未だに認められていない病気だからこそ、真岡市のような自治体が情報提供をし、相談に応じる必要があるのではないか。
そうした医療相談については医師会等が行うべきであって、真岡市が行うものではないと考えている。