12月議会 中村の一般質問

井田 隆一 市長
佐藤 務 教育長
中村 勝博 健康福祉部長
田中 修二 教育次長

※なお、文中で『今年』は平成21年を、『来年』は平成22年を指します。

一般質問

1.真岡市副市長の選任につき同意を求めることについて

これまで空席となっていた副市長について、今議会で総務部長の内田龍雄氏を選任したいと提案された。これまでの助役・副市長を見ると、歴代市長が自身のウィークポイントを補完する人物を選んでいたように思う。結果として市職員出身者が多かったのだが、井田市長は真岡市では初めてとなる生え抜きの市職員出身の市長である。
市職員出身の市長が、市職員を副市長に選んだ点に若干の疑問を感じる。今回の人選に至った経緯と具体的な理由は。
現在、国と地方の役割の見直しについて重要な局面を迎えている中、真岡市においても各分野で行政課題が山積している。これらの課題を早期かつ円滑に解決するためには、地方行政に精通し、強力なリーダーシップがある人材が必要である。
内田氏は、約38年にわたる豊富な行政経験を有し、企業誘致のほか、産業、経済、教育など各分野における見識も高く、ちゃっとぱれすの運営にも携わった経験からコスト意識にも長けており、最適任者であると考えた。

2.市長のあて職見直しについて

現在、市長のあて職は真岡鐵道の社長など32の役職に及ぶ。市長はさきの選挙公約の中で『あて職の見直し』を公約として掲げていたが、現時点で見直しはどこまで進んでいるのか
市長が代表を務めている各団体に、辞任した場合の影響などについて調査を進めているところである。単なるあて職とは性格が異なるため(例:芳賀地区広域行政事務組合など)辞任するのが困難なものもあるが、32団体のうち約1/3から1/4については代表職を譲ってまいりたい

3.荒町地内に計画中の『無料低額宿泊所』について

生活困窮者や路上生活者の支援を目的とした『無料低額宿泊所』の整備が各地で目立っている。真岡市でも、埼玉県内のNPO法人が旧真岡デパートの建物を利用して計画している。しかし、この施設は市外から入所者を受け入れなければ運営が成り立たない。また、各地の施設ではトラブルも相次いでいる
地元自治会からも反対する決議が、治安に対する不安や中心市街地活性化への影響などを理由に反対する決議が出されている。市では今後どのように対応していくのか。
埼玉県内のNPO法人は、今年4月に栃木県へ『無料低額宿泊所』の開設に関し、事前協議を行っている。地域住民に対しては10月7日に住民説明会を開催したようだ。真岡市に対しては、現時点までに正式な事前協議はない。
今後、市に事前協議があった場合、国の指針に基づいて対応することになる。

4.雇用・経済政策について

今年10月のハローワーク真岡管内の有効求人倍率0.25であり、国や栃木県の平均よりも低い(国→0.44 県→0.39)。そうした中、真岡市雇用創出のため2度にわたり補正予算を組み、その結果46名分の雇用が生まれた。
市ではこれらの雇用創出事業をどのように評価しているのか。また今後、追加的な対策は考えているのか。
『緊急雇用対策事業』、『ふるさと雇用再生特別事業』で、合わせて46名分の雇用を確保し、161名の応募があった。現時点で、各雇用創出事業は平成23年まで継続することになっているので、国・県の動向を見ながら対応していく。
なお、求職者は製造業を希望している方々が多いので、今後もハローワーク真岡と連携を図りながら雇用の確保に努めなければならないと考えている。
今年4月にコマツ真岡工場が撤退することが明らかとなり、それ以降も数社が真岡市から撤退している。この背景には世界的な不況もあるだろうが、その一方で、日本が本格的な人口減少時代を迎えて市場が縮小していることも大きな理由として挙げられる。
企業誘致・撤退の動きについて、現状はどうなっているのか。
また、企業のニーズ・動向を把握し、撤退の兆候をいち早く察知するためにも、市と立地企業情報交換する常設の公的な場が必要ではないかと考えるが。
第4工業団地では、残り1区画の契約締結に向けて交渉中である。第5工業団地では、6社と交渉を続けており、契約が実現すれば分譲率は90%を超える。大和田産業団地については3社から引き合いがある。
また、立地企業との情報交換の場については、(社)真岡工業団地総合管理協会の総会や定例会、その他各種の懇談会で情報交換を行っているので、引き続き実施していく。
現在行われている企業誘致の推進や緊急避難的な雇用対策と並んで、もう1つ考えるべきなのが、新しい地場産業起業家に対する育成・支援策である。栃木県産業振興センターによれば、不況の今日も起業しようという県民は多いとのことであった。真岡市として起業熱を喚起し、事業化を促す独自の施策が必要ではないか。
また、6月定例議会でも提案したが、小売業や飲食業の起業家を対象とする『チャレンジショップ』については、どこまで検討が進んでいるのか。
真岡市では、起業家支援施設として『MOP21』を開設しているほか、育成支援を栃木県産業振興センターと連携して行っている。また、起業家を対象として真岡市商工振興資金の融資制度により、創業資金として500万円を限度に低金利で融資している。
『チャレンジショップ』については、過去に宇都宮市をはじめ6市で空き店舗対策として取り組んでいたが、補助の期間終了に伴い運営が困難となり、廃止になった経緯もあるので、今後検討していきたい。

5.障がい児への支援策について

障がい児を育てている家族が何らかの理由で育児が困難になった時、支援施設などで日中の活動の場を提供する『日中一時支援事業』は、これまで保護者から充実化を求める声が多く寄せられてきた。
そうした中、真岡市では今年度から各施設の委託単価を引き上げ、『日中一時支援事業』が安定的に行われるよう対策が講じられてきたが、各施設の受け入れ体制はどこまで改善されたのか。
『日中一時支援事業』については、今年度から委託単価を約3割増額させた結果、休日の利用も可能な宇都宮市の障がい福祉サービス事業所『ひばり』と新たに委託契約を結び、受け入れ体制の拡充を図ってきた。今後も利用者の増加が見込まれるので、関係機関との連携を図りながら事業を実施していきたい。
心身障がい児通園ホーム『ひまわり園』は、中村小学校旧長田分校の木造校舎を再利用しており老朽化が著しい。特に冬場は底冷えし、利用者に不便を強いらせている状況にある。

  1. できるだけ早急に改築・移転などの対応が必要と考えるが。
  2. 療育メニューについて、作業療法士などの専門家を配置し、指導体制の充実化を図ってはどうか。
  1. 現在の『ひまわり園』の建物は老朽化が著しく、早急な対応が必要である。今後、市の方針が定まり次第、保護者や郡内他町の意見を聞きながら整備計画を進めていきたい。
  2. また、『ひまわり園』では月2回程度、外部から講師を招いて機能回復訓練などを実施し、指導内容の充実を図っている。作業療法士の配置については、現在のところ考えていないが、さらなる療育の充実を図るため利用者のニーズを把握していく。

6.教育関係の諸課題について

山口県山陽小野田市では、市内全小中学校をあげて『生活改善・学力向上プロジェクト』というものを実施している。
生活改善では、TV視聴・睡眠・読書・学習などに費やす時間と学力や知能指数にどのような関係があるのか市独自に調査し、保護者にも協力を求めるようにしている。学力向上では、百マス計算や音読、漢字の書き取りなどを繰り返し行う『モジュール授業』を実施している。こうした結果、山陽小野田市では子ども達の学力や知能指数が大幅に伸びている。真岡市でも取り入れてはどうか。
真岡市教育委員会では昨年度、市内全小中学校にポスターを配布し『元気なあいさつ、感謝の心』を育てる取り組みを、さらに今年度は全児童生徒に『真岡市の教育』のクリアファイルを配布し、基本的生活習慣や学習面での基礎基本の定着を図る取り組みをしている。
これらは、山陽小野田市の取り組みと相通じるところがあるので、引き続き学校現場での定着を図っていく。
思春期の子ども達が小グループでの議論を通じてコミュニケーション能力を高める『ライフスキル教育プログラム』について、9月定例議会で提案をさせていただいた。
その際、『各学校に対して啓発・支援を行っていきたい』との答弁であったが、その後の進捗状況はどのようになっているのか。
9月に行われた小中学校長会において『ライフスキル教育プログラム』のPRを実施したが、現時点では学校からの実施希望は出されていない。
ただし、人間関係を築くコミュニケーション能力などを育むには大変有効であることから、来年度に研究校を指定し、プログラムの一層の研究を推進していきたい。
長年にわたって市民が培ってきた知識や経験を教育の現場で活かそうと、現在真岡市では『学校支援ボランティア』を広く市民から募っている。

  1. 応募状況や今後の計画はどのようになっているのか。
  2. 学校図書館や科学教育センターの指導でも人材を活用してはどうか。
  1. 『学校支援ボランティア』は、今年11月から募集を開始し、来年(22年)4月から実施する予定であり、現在その体制づくりを進めている。ボランティアの方々には教育委員会に登録していただき、各学校の要望に対応できるよう調整していく。
  2. 学校図書館においては、読書指導の充実を図るために司書ボランティアなども有効に活用する。また、科学教育センターについては、土日や夏休みに実施している『ものづくり教室』などの事業で、必要に応じて外部ボランティアを活用したい。
平成17年12月に旧今市市で女子児童が誘拐・殺害された。これを受けて栃木県では全市町にスクールガード(担当:学校教育課)を配置する事業を開始した。一方、真岡市ではその2年前から『はつらつ地域づくり事業』の一環として、すでに各地区で防犯ボランティア(担当:安全安心課)が行われている。
双方で情報が共有化されにくく、保険の加入も統一されていないなどの課題もあるので、担当部署を一元化し、事業そのものも統一させてはどうか。
防犯ボランティア活動は、実施地域が偏在しており、活動時間もまちまちである。一方、スクールガードは、全小学校の登下校の時間に合わせて巡回活動などを行っている。実施方法やねらいが異なっているので、現時点ではそれぞれの部署で事業を展開することが望ましいと考えている。
不審者情報などについては、共有化が図られるよう連絡体制の強化を図っていく。また、これらの事業については『市民総合賠償補償保険』に加入して対応している。

再質問・再々質問・要望

(市長のあて職見直しについて)

32ある市長のあて職のうち見直しが可能なのは1/3から1/4、数としては8から10ということになるが、これは最終的な数字なのか、それとも今後も増えていく可能性はあるのか。
今後、各団体の総会などを迎える中で、この数字は増えるものと考えている

(荒町地内に計画中の『無料低額宿泊所』について)

荒町に計画中の『無料低額宿泊所』は、埼玉県内のNPO法人が計画しているものである。同法人は埼玉県内でも同様の施設を運営しているようだが、この施設の運営がどういう実態なのか市では情報を把握しているのか。
この施設については、入所人数などで疑義があり、埼玉県が調査を行っているとの話を聞いている。
今回の話を聞いて驚いたのは、直接利害がからむ市町村がこの問題について何の権限もないということだ。ただし、何もできないということではないと思う。
県や全国の市長会を通じて法的な不備を改めるよう働きかけはできる。また、分権時代の今日、『上乗せ条例』『横出し条例』を制定し、市独自に規制を設けることも可能であると考えるが。
国の指針を超えて規制をかけることはできないと思っているが、市としてもこうした施設がコミュニティの中に整備されるのが望ましいのか疑問に感じている
市長会を通じて、国の指針が再構築されるよう働きかけていきたい
この問題でもう1つ忘れてはならないことは入居者のことである。いい加減な運営母体であれば、そのしわ寄せは必ず弱い立場の人へ行く。そうした観点からも、市として厳しい視点で対応していただきたい。

(企業誘致・撤退の情報把握について)

企業誘致・撤退の問題は、真岡市にとって『生命線』と言うべきものである。(社)真岡工業団地総合管理協会の総会などに出席することで情報収集・意見交換をしているとのことだが、それだけでは不十分だと考える。
では、これまでに企業側とはどのような要望が出されたのか。
(社)真岡工業団地総合管理協会や雇用協会などの協議の中で、各企業からの要望を聞いていきたい。
また、各企業に直接出向いて要望を聞くことも必要ではないかと考えている。
企業に直接出向くにしても、それ以前どのような人脈・ネットワークを作っているかが重要になる。特に市長は市職員出身でもある。
民間とのパイプ作りとして公的な場の創設ということを前向きに考えていただければと思う。

(『ひまわり園』の施設整備について)

改築・移転の問題について今後の検討課題であるとのことだが、老朽化が著しい施設なのだから、何年後までに結論を出すのか、具体的なスケジュールがあって然るべきではないかと思うが。
平成22年度中に保護者などの意見を確認し、改築か、移転かについての方針を決めた上で、23年度に予算化できればと考えている。

(『生活改善・学力向上プロジェクト』について)

真岡市でも生活改善に対する呼びかけは行っているとのことであったが、具体的な施策が伴わないと徹底させるのは難しいのではないだろうか。
大内中央小学校では、山陽小野田市の取り組みを参考に、児童1人1人の睡眠時間TV視聴の時間などの生活習慣を独自に調べており、学力との関係性も明確に表れている。
これは、全市的に取り組むべき課題であると思うが。
真岡市教育委員会では、隔年で市内全小中学生に対して意識調査を行っている。その結果を踏まえて、子ども達の家庭教育への支援を強化していきたい。

(『学校支援ボランティア』について)

科学教育センターでは、土日や夏休みに行われている事業の中でボランティアの活用が図れればとのことだった。では、逆にボランティアから『こういう取り組みを行いたい』という提案があった場合、教育委員会として受け入れる考えはあるのか。
科学教育センターのカリキュラムは、学校の理科教育と連携して行われている。その一方で、市民の生涯学習の推進という目的もあるので、そうした側面からボランティアの活用は有効であると考えている。