9月議会 中村の一般質問

答弁者:井田 隆一 市長
酒井  勲 教育長
田中 修二 教育次長

一般質問

1.市民と行政の協働によるまちづくりについて

平成20年度、日本経済新聞社が全国806市・区を対象に調査した『行政革新度調査』で真岡市は595位。また同時に調査された『行政サービス度調査』でも389位という厳しい評価を受けた。
以前質問をした際、『調査内容の点検を行い、改善の余地はないか関係各課に検討させる』との答弁だったが、その後どのような改善が図られてきたのか
現時点までに改善が図られたのは次の通りである。
『行政革新度調査』
①職員のインターネット接続パソコンの割合が50%以下から100%へ
②職員が上級職を希望することができる庁内公募制を導入
③第1学校給食センターを民間委託へ(調理部門)
④市立図書館の開館時間、開館日数の増加
⑤窓口業務を第1・第3日曜日にも実施
⑥自治基本条例の制定に向けた取り組み
【行政サービス度調査】
①子ども医療費の助成を中学3年生まで拡充
②全小中学校に防犯カメラを設置
③高齢者1,000人当たりの特別養護老人ホームの定員数が13.3人から17.5人に
これらのことにより、『行政革新度調査』では、調査時の総合得点38.3点だったものが、61.7点に改善された(『行政サービス度調査』は採点基準が未公開のため不明)。
真岡市では、平成24年度『自治基本条例』を制定する予定である。
当初の計画では、今年度から2年間かけて市民参加による検討組織で議論することとなっていたが、現在も組織の立ち上げすら行われていない
『自治基本条例』は、制定の過程こそ市民と行政が協働のあり方と向き合う重要な部分と言われている。現在までの進捗状況と今後の予定はどのようになっているのか。
現在、市役所内部において条例制定までのプロセスなどを検討している。
市民による検討組織は、各種団体からの推薦、公募、さらに議会市職員からも委員を選出することを検討している。今年度は5回、さらに来年度は条例内容の具体的検討を進めるとともに、広く市民の意見を募るため市民フォーラムを開催したい。
なお、平成24年度の条例施行を目指すが、検討過程が重要と認識しているので、その姿勢を大切にしていきたいと考えている。
『わたのみ基金』は、昭和57年にボランティア活動などを支援する目的で設置された。昨年度末の時点で、市民からの浄財などにより約5億7,000万円が積み立てられており、現在はこの一部を国債で運用し、利益収入をボランティア活動支援などに充てている。年間600面円ずつ使っても、枯渇するまで約100年かかるような規模と考えれば、元本の取り崩しを含め、より積極的な活用を検討してもよいのではないか。
『わたのみ基金』の運用については、社会福祉協議会が定める『地域福祉振興基金設置運営要項』を平成16年10月に改正し、ボランティア活動支援などに対して基金の原資も処分できるようにした。
なお、基金運営に関しては、社会福祉協議会の基金運営委員会理事会評議員会の議決が必要なので、市としても働きかけを行っていきたい。
真岡市では、今年3月に『生涯学習推進基本構想・基本計画』が策定された。これらの内容を見ると、単に市民の『学びの場』を整備するだけにとどまらず、市政全般の課題が網羅されている。
この部門を担う生涯学習課は、『協働のまちづくり』を進めるための扇の要と言える。基本構想・基本計画を推進するには教育委員会ではなく、市長部局に置くべきと思うが。
生涯学習は、教育分野を超えて市政全般にわたるものであるため、他県では生涯学習の担当課を市長部局に置いている自治体もある。
真岡市では、市民の『学び』に軸足を置いていること、県内の全市町が同様であることなどから、生涯学習課を教育委員会に置いている。また、市長を本部長とする『生涯学習推進本部』を設置しており、全庁的に生涯学習を推進できるものと考えている。

2.地域経済の活性化について

市長は昨年行われた選挙において、真岡市の地域ブランドを高めるため、観光分野に力を入れるということを市民に訴えてきた。ただし、市内の観光資源を見ると、1つ1つの場所が離れているため周遊するのが困難であり、動線の構築が課題である。
また、真岡市の目指す観光の姿とは、日帰り型なのか滞在型なのか、周辺の町と連携するのか真岡市単独で行うのかなども含め、観光戦略が必要と考えるが。
昨年10月に『真岡市観光ネットワーク検討委員会』を立ち上げ、真岡市の観光のあり方について、動線の構築他町との連携など様々な角度から検討を重ねている。
なお、滞在型か日帰り型かについては、多様な観光客のニーズに応えるものにしたい。
これからの真岡市の観光戦略は、単に観光客を増やすだけでなく、真岡市のイメージアップにつなげ、企業の拠点として、住みたくなるまちとして生産者人口を増やすことも視野に入れていきたいと考えている。
近年、全国各地でB級グルメが人気を集めている。神奈川県厚木市では『シロコロホルモン』による経済効果が年間90億円にのぼると言われている。しかし、B級グルメには味だけでなく、その地域ならではのストーリー性も求められる。
真岡市でB級グルメを開発する際には、姉妹都市(アメリカ・グレンドーラ市)や友好都市(台湾・斗六市)の食文化を活用するのも1つの方法ではないか。ストーリー性としては申し分ないと思うが。
真岡市でもB級グルメがあれば、知名度アップにつながると考えている。これまで商工会議所などが中心となって、真岡市をPRできる食べ物の研究・開発は取り組まれてきたが、市の内外に知られるものの誕生には至っていない。
B級グルメの開発にあたって、これまで交流してきた各国の食文化を活用するというのは、視点を変えた提案であり、今後取り入れることができるものは取り入れていきたい。
現在、『木綿の里ほっとなまちづくり事業』の一環として、門前地区で空き店舗対策が行われ、自分の店を持ちたいと考えている若い世代が積極的に入居している。
こうした傾向を見ると、小売業や飲食業の起業家を支援する『チャレンジショップ』に対するニーズは高いものと考える。中心市街地に『チャレンジショップ』を整備した場合、観光客や市民の回遊性を高め地域経済の活性化にもつながるものと考えるが。
現在、真岡市では門前地区空き店舗対策事業が行われており、すでに4店舗が開業するなど実績を納めつつある。
また、県内6市で行われてきたチャレンジショップを見ると、いずれも苦戦を強いられている状況にある。
こうしたことを踏まえ、現時点ではチャレンジショップの導入は考えていない

3.医療・福祉分野の諸課題について

心身障がい児通園ホーム『ひまわり園』は、築40年を過ぎて老朽化が著しい。今年度中に改築・移転の方向性を決めるとのことであったが、現在までの進捗状況はどのようになっているのか。
また、保護者との意見交換には十分な時間をかけるべきと考えるが、その点についてはどこまで進んでいるのか。
『ひまわり園』の改築・移転の方針については、平成20年度に二宮町保健センターへの移転計画を立てたが、保護者から多くの課題が出され、移転を見送った経緯がある。
そのため、現在も個々の課題を慎重に検討しているところであるが、今年度中には整備方針を決定したいと考えている。
『脳脊髄液減少症』は、交通事故やスポーツの事故など体に強い衝撃を受けた際、髄液が漏れることにより、頭痛、めまい、吐き気、気力低下などの症状が見られ、場合によっては寝たきりとなることもある。治療法も国の保険の対象外であるため、患者は重い自己負担を強いられている。市として独自の軽減策を図ることはできないものか。
また、スポーツの事故は教育の現場でも起こりやすい。小山市では、養護教員を対象とした講習会などを開催しているようだが、真岡市としては今後どのような対応をしていくつもりなのか。
『脳脊髄液減少症』の治療費助成については、現在国の研究班において統一的な診断基準の確立と有効な治療法の研究が行われているところである。真岡市としては国の動向を見守っていきたい
また、教育現場での対応としては、平成19年5月に文部科学省からの通知を受けて、県教育委員会が養護教員を対象に研修会を行ったので、真岡市として講習会開催考えていない保健調査については現在の項目の中で対応していく。

4.スポーツ・文化振興について

スポーツ交流館(旧スケートセンター)の中に設けられたフットサルコートは、開設前の時点で、利用者数を年間1万9,000人と見込んでいたが、実際は予想を大幅に下回っている。この現状について、市はどのように考えているのか。
また、スポーツ交流館をはじめ真岡市の体育施設は、利用時間が午後9時までとなっており、社会人などが利用しにくいことも課題の1つと言える。利用時間の延長を検討してはどうか。
フットサル場の利用者が当初の見込みより下回っている原因は、休日・夜間は好調なのに対して、日中の利用が少ないことが挙げられる。現在、フットサルの普及を図るため、小学生や女性を対象としたフットサル教室を行っており、今後も継続していきたい。
また、体育施設の利用時間は、周辺住民の生活環境への配慮や小中学生への教育的配慮などにより総合的に判断している。したがって、利用時間を延長する考えはない
市民会館の自主事業について、平成21年度から事業基金を600万円から1,000万円に、事業費を100万円から200万円にそれぞれ増額した。しかし、以前と比べて事業数や内容に変化が感じられない。他市と比べると、いまだに予算が少ないことを考えれば、さらなる増額を検討しても良いのではないか。
また、市民がどのような自主事業を希望しているのかニーズを把握するために、市のホームページなどに、意見募集の覧を設けてはどうか。
自主事業費と事業基金については、合併時に真岡市と同じ人口規模の自治体を調査して決定したものである。増額して間もないことから、さらなる増額は考えていないが、基金をより友好に活用することで自主事業を充実されていきたい。
市民のニーズ把握については、これまで来場者へのアンケートなどを行ってきたが、より幅広い声を聞くため、市民会館及び二宮文化会館のホームページに、意見募集覧を設ける

再質問・再々質問・要望

『自治基本条例』について

市民参加による検討組織で、議論に予想以上の時間がかかった場合、平成24年度中の条例制定にこだわるのか。それとも、多少ずれ込むこともやむを得ないと考えているのか
基本的には、平成24年度中の条例制定を考えているが、議論が深まれば深まるほど、完成度の高い条例ができると考えられるので、特に時間的制限は設けない

『わたのみ基金』について

元本を取り崩してでも積極的に活用せよという意見は、平成16年2月議会でも提案(大根田幹夫議員による)されている。その後、ルール変更もされた訳だが、今日までなぜ実行されずにいるのか
原則としては運用益金をもってボランティア活動にあてることになっているので、現在の状況となっている。
年間600万円ずつ使っても、枯渇するまで約100年かかるような基金を、後生大事にとっておいて一体何に使おうとしているのか疑問が残る。
ルールの問題ならば、改正も視野に入れて積極的に活用していただきたい。

生涯学習課のあり方について

現在、生涯学習課が担当している『男女共同参画社会づくり市民会議』を見ても、各委員から出された提案などについて市役所や市全体に発信するには、市長部局から独立した教育委員会では限界があると感じる。
さらに、ボランティア育成なども生涯学習課の管轄だが、今日では『学ぶ』というインプットの部分だけでなく、学んだことをまちづくりに『活かす』アウトプットの部分も問われている。生涯学習課を教育委員会に置く手詰まり感も否めないが。
現時点では、生涯学習課を教育委員会に置いているが、今後自治基本条例が制定され、自助・互助・公助の姿も問われる中にあっては、将来的にあるべき姿を議論する必要もあると思う
平成13年に全国市長会が『生涯学習部門は、教育委員会ではなく市長部局に置くことが望ましい』という意見書をまとめているが、これについてはどのように考えるか。
仮に全国市長会がそのような意見書をまとめたとしても、各自治体の考え方があると思う。

『ひまわり園』について

平成20年度に出された移転計画は、保護者のニーズと相違点があり実施が見送られた。事前に意見交換をしていれば、そうした事態が起きることはなかったはずである。
ぜひ今回は、計画案が錬り上がる前に保護者との意見交換を行っていただきたい。

『脳脊髄液減少症』について

今回の定例議会に上程されている『子宮頸ガンワクチン』の助成や、すでに行われている難病患者に対する『居宅生活支援事業』などは、国のサポートがない部分を自治体が光を当てている典型的な事業である。
脳脊髄液減少症については、国の動向を見守るというのは、支援をしない理由としては疑問だが。
『脳脊髄液減少症』については、国も症例を十分に把握していなかったのではないかと思う。これから国でもガイドラインを策定すると聞いており、そうなれば治療法も確立されるのではないかと思われる。その段階で市としての対応も考えなければならない
平成19年に栃木県養護教育研究会が行った研修会の資料を読むと、『脳脊髄液減少症』について専門的に学んだのではなく、事務連絡程度だったのではないかと推測できる。
だから、小山市では不十分と感じ、市独自に講習会を行ったのではないか。
確かに、当時の研修内容を見ると、症例、治療法、学校での対応など概要のみが説明されていた。現段階ではそれしか言い様がなかったのではないかと思う。
しかし、研修会からすでに3年が経過しているので、学校や保護者に対してさらに周知していきたい

体育施設の利用時間延長について

周辺住民の生活環境や子ども達の健全育成など、総合的に判断して午後9時までとしているとのことであった。9時までが健全で、10時だと不健全というのは理解できないが、総合的に判断というならば、その中には利用者の声も含まれて然るべきと考える。
合併を機に利用時間を見直す中で、なぜ利用者へのアンケートは行わなかったのか
県内の約半数の市で、体育施設の利用時間が午後9時までとなっている。
利用者からは時間延長を望む声があるかも知れないが、あくまでも総合的に判断した。
現状では、県内14市中9市の体育施設が、午後9時半ないしは10時までの利用時間である。残りの5市で約半数と言えるのか。午後9時半や10時まで開いている9市の体育施設は、住宅地に設けられているものも多い。また、そうした市で子ども達の健全育成で問題が生じているとは思えない。今後施設の利用時間を再検討することはあるのか。
長年、施設の利用時間は午後9時までということでやっている。
現時点で再検討する考えはない