2月議会 中村の一般質問

答弁者:井田 隆一 市長
田上 富男 教育長
野澤 雅孝 市民生活部長
佐藤 厚  健康福祉部長

一般質問

1.観光振興から定住促進に向けた取り組みについて

これまでの8年間、真岡市は観光振興に大変力を入れてきた。その結果、平成20年度と27年度を比較すると、観光客は人数にして約42万2千人率にして17.3%増加している。
これまでの取り組みに対する評価と今後の課題について、どのように考えているのか。
真岡市では、平成23年度に市民参画による『観光ネットワーク協議会』を組織し、既存の観光資源を活用しながら、交流人口の増加に努めた。
また『SLキューロク館』や『久保記念観光文化交流館』などを整備し、各種の体験型観光中心市街地の回遊性を高める取り組みも進めてきた。
今後も、真岡市のブランドイメージを向上させるために、全国に向けてのPRをしていくことが必要と考えている。
真岡市が取り組んできた観光振興策は、単に観光客を増やすだけでなく、定住促進が最終目標であったはずである。しかし、その点については決して十分とは言い難い
今後、観光振興と定住促進の施策を結びつけていくためには、何らかの仕掛けが必要と考えるが。
真岡市では、平成28年度からシティプロモーションを推進するため、新しい担当係を配置した。これまでに、テレビやラジオの番組制作や真岡鐵道を利用してのラッピング事業などを通じて、市内外に情報を発信してきた。
今後、観光振興と定住促進の施策を結びつけるため、観光の振興とともに、『しごと』、『子育て』、『住まい』など暮らしに密着した情報を発信していきたい。

2.生涯学習の施設整備について

平成22年の時点でコンピュータ・カレッジの跡地利用については、①広域行政事務組合の移転先、②心身障がい児通園ホーム『ひまわり園』の移転先、③高齢者向けの交流学習施設という3つの可能性があった。しかし、東日本大震災の発生により広域行政事務組合とひまわり園の移転先に決まった。
大谷台町に開設されたシルバーサロンの利用頻度の高さを見ると、高齢者の生涯学習施設整備今後も必要と感じる。
高齢者向けの交流学習施設については、その後何らかの検討は行われたのか。統廃合が予定されている小学校の跡地利用として考えることもできるのではないか。
高齢者向けの交流学習施設については、平成24年度に開設予定であったが、東日本大震災の発生により、開設時期を延期せざるを得なかった。その後、27年2月に大谷台町にシルバーサロン『コットンカフェin大谷台町』を開設したところである。
現在、高齢者の交流や学習は、シルバーサロンや社会福祉協議会の『ふれあい・いきいきサロン』などで行われている。
そのため、小学校の跡地を利用することについては、現時点では考えていない

3.防災・減災対策について

昨年秋『全国若手市議会議員の会』の研修会で、熊本地震発生後に見られた課題について話を聞く機会があった。
その1つが、指定避難所のあり方である。大分県別府市では、防災計画の中で学校長の位置づけが不明確だったため、避難所運営の判断の多くを学校長に委ねざるを得ない事態となった。結果として、体育館以外の使用が許可されず、狭いスペースでの避難生活を強いられるケースも目立ったようだ。
真岡市では、指定避難所である学校において、災害発生時の学校長はどのように位置づけられているのか。
現在、真岡市内にある全小中学校(27校)の体育館指定避難所となっている。
地域防災計画では、学校長などが行うべき応急措置として、災害状況を把握して、県・市教育委員会への報告や、臨時休校など適切な措置を講じて、児童・生徒の安全確保に努めることとなっている。
また、避難所の運営については、必要に応じて市に協力する役割を担っている。
熊本地震で見られた課題として、指定避難所だけで市民の受け入れを行うのは難しいとの報告も受けたところである。
真岡市でも大規模な災害を想定し、市内各地区にある地域公民館の活用も視野に入れ、役割分担についてもあらかじめ明確にしておく必要があるのではないか。
栃木県が実施した『地震被害想定調査』によると、真岡市最大被害想定マグニチュード6.9直下地震であり、その際の避難者数は避難所に8330人、避難所外(車中泊、テント泊など)が5553人の合計1万3883人と予想されている。
それに対して、真岡市内にある指定避難所50ヶ所の収容可能人数1万7150人となっている。地域公民館を一定期間生活する避難所とすることは考えていない。
熊本地震の際、避難所にペットを連れてくる住民が多く、各自治体にとって悩みの種だったようだ。茨城県常総市で洪水が発生した際にも、自宅の屋根で愛犬を抱えながら救援を待っていた住民がいたが、ペットに対する考え方は以前と比べて大きく変わっている。
内閣府のガイドラインでも、避難所でのペット同伴のルールづくり各自治体に求めているが、動物アレルギーの人々もいる中で、真岡市ではどのように検討しているのか。
環境省では、災害が起こった場合、飼い主はペットと同行避難することを基本とする一方、他の避難者の迷惑にならないよう努めることも飼い主に求めている。
真岡市としては、避難所の居住スペースにはペットの持ち込みを禁止している。そのため、避難所開設時には屋外にペットのためのスペースを確保したいと考えている。
福祉避難所は、高齢者、障がい者、妊産婦などの『要支援者を受け入れる避難所のことである。
熊本県内では461ヶ所が指定されていたが、熊本地震の際、実際に機能し得たのは4分の1にあたる115ヶ所にとどまった。
真岡市内における福祉避難所の体制整備はどこまで進んでいるのか。
真岡市内における福祉避難所については、平成27年6月に特別養護老人ホーム8施設と協定を締結し、現時点での受け入れ可能人数は8施設で最大45人となっている。今後も、耐震化やバリアフリー化などの諸条件が整った施設に対して協力を呼びかけ、福祉避難所を増やしていきたい。
なお、栃木県内の福祉避難所は28年4月1日現在、387ヶ所が指定されている。

4.障がい者に対する支援策について

真岡市では、災害発生時に市民がどのような対応をとればいいのか、防災マップを発行して啓発に努めている。しかし、昨年9月に行われた定例議会の一般質問でも指摘した通り、そこの掲載されている情報は、視覚障がい者には極めて伝わりにくい
視覚障がい者やボランティア団体などから意見を聞き、点字や朗読を活用した防災マップを検討したいとのことであったが、その後の進捗状況は。
昨年末、市内に住む視覚障がい者の方々に、どのような防災マップが良いか意見を聞いた。その中では、コピーした時に印字部分が浮き上がる『立体コピー機』、特記した点を並べて絵や図を描く『点図』、大量の音声情報を収録できる『DAISY(デイジー)』などの活用が考えられるとのことだった。
そうした意見を参考にして、有効性のある防災マップの作成が可能か、引き続き検討していく。
地域生活支援拠点』は、障がい者が親なき後も地域の中で安心して生活するための生活相談や住まいなどの機能を兼ね備えた施設である。第4期栃木県障害福祉計画によれば、芳賀地域では平成29年度末まで1市4町の中で体制を整備することになっている。
これまでの進捗状況はどうなっているのか。また、整備後の運営についてはどのような方式を選択するのか。
『地域生活支援拠点』の整備に向けて、これまで芳賀地域の各市町の担当者による会議を重ねてきた。その中で、各市町における福祉施設の整備状況や優先課題の違いから、真岡市と他の4町別々に整備することとなった。
真岡市としては、平成29年度に『真岡市障害児者相談支援センター』にコーディネーターを1名配置し、相談支援体制の強化に取り組む。また、運営の方式については、既存の福祉サービス事業所が機能を分担する『面的整備型』で進める方針である。

5.教育関係の諸課題について

芳賀教育研究所が廃止され、真岡市では平成28年度から学校教育課の中に指導係を設置した。現在、6名の指導主事が各学校への訪問指導などを行っているが、その効果をどのように分析しているのか。
また、教育分野のトータルプロデュースを行い、不登校や特別支援教育など専門性を問われる課題にも対応するため、『指導係』を将来的には教育研究所格上げする必要があると考える。県南6市の中で自前の教育研究所がないのは真岡市だけだが。
学校教育課の中に『指導係』を設置した効果として、①授業改善などの取り組みに具体的な方策を示すなど各学校への支援の充実化、②小学5・6年生を対象にしたイングリッシュサマーキャンプなど研修や事業の充実化、③児童・生徒の諸問題への迅速な対応などが挙げられる。

『教育研究所』の必要性については、現在、学校教育課、自然教育センター、科学教育センターに指導主事を配置し、真岡市独自の教育事業を実施している。今後も指導体制の充実を図っていきたい。

現在、山前中学校において『校務支援システム』の研究を自主的に行っている。
これは、出欠や成績、スケジュール管理などについて、事務作業の効率化を図ることを目的としたもので、教員の多忙感解消に有効とされている。
県内他市町ではすでに導入しているところが多い。真岡市は遅れをとっている印象を抱くが。
校務支援システム』は、出欠、成績、授業時数管理事務などのデータ集計、一元管理が可能であり、作業時間の軽減転記ミスの防止といった効果がある。事務の効率化を図ることにより、教材の研究や、児童・生徒と直接関わる時間の増加なども期待できる。
真岡市では平成31年度の導入を目指しており、総合的な研究をさらに進めていく。
真岡市では、平成29年度から小中学生を対象に、市独自の学力調査を年2回実施する予定である。大変素晴らしい取り組みであると思うが、学力向上の分野で高い評価を受けている県内外の自治体では、独自の学力調査を実施しているだけではなく、子ども達が間違えやすい分野について調査し、調査結果を反映させた教材の開発まで行っていた。
そこまで踏み込んでこそ、市独自の学力踏査を行う意義が生まれるのではないか。
真岡市教育委員会としては、調査結果が業者から返却され次第、学習指導主任や教務主任などを対象に『学力向上推進研修会』を開催し、調査結果の分析をもとに、学習指導のあり方について研修を行う。
児童・生徒1人1人に対しても、調査結果の個人票と個別対応の復習用プリントが提供され、より確実な学習内容の定着を図ることができる。

再 質 問

観光振興から定住促進に向けた取り組みについて

今後の観光振興について、引き続きPRに努めていくという話だった。しかし、PRの手法にも課題があると思われる。これだけ物にあふれている時代で、物だけを売り出すのは難しい。その地域にある文化や人に光を当てていくことが重要である。
いちご』、『木綿』、『SL』、『祭り』ではなく、それらに携わっている人達に光を当てる努力が、真岡市は不十分ではなかったか。
市長就任後、直ちに『観光ネットワーク事業』を立ち上げたが、この事業の大きなねらいは『人』だったと考えている。この事業では、自分のまちに誇りを持とうという気持ちから『マイネーム イズ モオカ』というものも生まれてきた。
結局、自分のまちの良さを伝えるのは『人』でしかない。今後も、地域をアピールできる人材の育成が重要であると考える。
PRをしていかねばならないものとしては『人』のほかに『政策挙げられる。今まで真岡市に観光でお越しになり、関心を持った方々に、どこまで真岡市の取り組みをアピールできたか疑問が残る。
それがシティプロモーションということだと思うが、残念ながらそのための組織体制が非常に小さい。今後の庁内における体制強化についてはどのように考えているのか。
情報を表に出すのは非常に難しい。これまでも東京に行って特産品を配布したり、冊子を配ったりということはやってきたが、なかなかPR効果は上がらない。やはり、情報媒体を使ってアピールすることが重要だと思う。
今後、シティプロモーションの中で動画を活用しようという話にもなっているので、効果的な施策が期待できるのではないかと思っている。

指定避難所のあり方について

大規模な災害が発生した場合、市と学校側が連携していくということは理解したが、それでも学校長の位置づけが不明確であるという印象を抱いた。
その点を再度確認したい。
指定避難所の開設は、施設管理者である学校長が開錠することになっているが、災害の状況により学校長と連絡が取れない場合もある。
そうした場合は、災害対策本部の指示市職員が開錠することになっているので、早期開設に支障はない。

地域公民館の活用について

先ほど、指定避難所の予測が示されたが、車中泊などの人数も含まれていることが気になった。そうであれば、地域公民館などの活用も視野に入れるべきである。
以前、他の議員から同じような質問が出された際、『耐震化の問題があって難しい』という答弁だった。では、真岡市内には地域公民館が167館あるが、耐震化が図られていないのは何館あるのか。
新しい耐震基準に基づいて建てられた地域公民館の数は把握していない
指定避難所は十分確保されていると思うが、1ヶ所に避難者が集中してしまうことも予想される。そうした場合は、教育委員会との協議の上、教室を一時的に避難所として開放し、後日、他のスペースのある避難所へ振り分けていく。
地域公民館における耐震化の現状が把握されていないとのことだが、これは避難所として活用するかはともかく、安全面で問題だと考える。
今後、市として調査をしていく考えは。
地域公民館は、各地域が管理している。耐震補強をするにしても経費負担の問題などが出てくる。ただし、そうしたものについては検討材料であると思っている。
地域公民館は、市民が日頃使う施設である。
最終的に耐震化する、しないは、各地域の判断だと思うが、把握できていないことは問題だと思う。その点については市としてもしっかりと対応をお願いしたい。

福祉避難所の指定について

先ほど、熊本県内の福祉避難所が全体の4分の1しか機能しなかったという話をしたが、その理由の1つとして、福祉避難所ということを知らずに、一般の住民が殺到してしまったということが挙げられる。
そういった意味からも、福祉避難所については市民に広くPRする必要があると思うが。
福祉避難所として指定されているのは特別養護老人ホームであるので、一般の避難者が来ることは考えにくいが、周知については今後積極的に努めたいと考えている。

地域生活支援拠点について

『地域生活支援拠点』については、『面的整備型』で進めるとのことだった。
では、真岡市にはどういう機能が確保されることになるのか。
現在、真岡市内にはグループホームが4ヶ所。施設入所支援を行う施設が1ヶ所ある。
加えて『真岡市障害児者相談支援センター』を市単独で設置しており、その相談機能を強化していく。
また、真岡市内の施設では足りない面もあるので、他町の施設にも協力を呼び掛けていきたい。
今答弁にあったグループホームを見ても、4ヶ所で総定員が20人であり、決して十分な数ではない
例えば、真岡市内にグループホームなどを整備する団体が現れた場合、市としてはどういう支援を考えているのか。
市としてそれぞれの法人に対して協議をしながら、施設整備や運営の支援体制について検討していきたい。

校務支援システムについて

校務支援システムを試験導入している山前中学校に、市内の他校から異動してきた先生によれば、『山前中学校に来てから仕事が1時間半短縮されている』とのことだった。
つまり、真岡市内の大半の先生方は、効率化が図れれば省略できる仕事に1時間半もとらわれているということではないのか。
市内各学校への校務支援システムの導入は、真岡市情報化計画に則って行っている。それによれば、平成30年度にモデル校を指定し、31年度から本格導入の予定であり、この計画に基づいて進めていきたい
栃木県内の14市で、校務支援システムを導入していないのは鹿沼市矢板市、そして真岡市の3市だけである。
31年度から本格導入とのことだったが、前倒しできるのであれば、そうした方が良いと考える。

教育研究所の設置について

なぜ、校務支援システムのような課題が今まで棚上げになっていたのか。
それは、教育分野のトータルプロデュースができていなかったからだと思われる。
だからこそ、教育研究所のような存在は必要ではないのか。
教育研究所の必要性を否定している訳ではなく、必要だと考えている
ただし、今は指導係の組織を確固たるものにし、充実した学校支援ができるようにしていきたい。
2020年には、小学3年生から英語科の授業が必修となる。英語教育の必要性が叫ばれる一方で、そうした時代だからこそ国語教育に力を入れるべきという意見もある。
では、どこで折り合いをつけるか考えていくと、真岡市としての人づくりのビジョンが必要であり、そのためにも教育研究所が不可欠だと考える。
教育研究所の必要性は否定していないと聞き安心したが、ぜひ前向きに検討をお願いしたい。