12月議会 中村の一般質問

※なお、文中の『今年』は平成24年を、『昨年』は平成23年を指します。

答弁者:井田 隆一 市長
酒井  勲 教育長
日下田道弘 健康福祉部長
中里  滋 教育次長

1.地域経済の活性化について

地方都市における工業団地の企業誘致は大変苦戦を強いられており、真岡市でも昨年9月以降、進出企業がない
そうした中、県内他自治体では、6市2町で工業団地に用地を取得した際の奨励補助金を出している。また、小山市では小山東工業団地で他に比べて格段に安い分譲価格を設定している。さらに、足利市では『工場立地法準則条例』を制定し、工場敷地内の緑地面積率を大幅に緩和する取り組みを始めている。真岡市としても、新たな展開が必要ではないか。
緑地面積率分譲価格については、既に契約・進出した企業との整合性などもあるので、大幅な見直しは考えていない
また、用地取得の補助についても、実施した場合、分譲価格の値引きと同じことになるので真岡市にはなじまない制度であると考えている。
今後も引き続き、①固定資産税、都市計画税相当分の補助 ②緑化事業費補助金 ③水道料金補助金など現状の補助制度のPRに努め、企業誘致を進めていきたい。
現在、第5工業団地内に天然ガス関連の施設が建設中であるが、この施設に発電所を併設することはできないものか。
この課題については、前々回の定例議会でも一般質問で取り上げたが、執行部の答弁では、地下水の使用量など環境への課題が考えられるので、クリアできる企業がある場合は誘致したいと、積極的なのか受け身の姿勢なのか分からなかった。具体的にはどのような対応を取るのか。
今年5月にある企業から天然ガスを利用した発電所を設置したいとの問い合わせがあった。何度かやり取りを行ったが、その後連絡がないため条件が合わなかったものと思われる。
今後、進出希望の企業から問い合わせがあった場合には、積極的に条件などを詰める交渉をしていきたい。
地域通貨は、ボランティアのサービスを受けた際、相手方とポイントなどをやり取りするものである。また、ポイントの一部を商店街の買い物に活用しているケースもある。
この課題は過去2回ほど一般質問で取り上げ、執行部の答弁では、地域通貨を含めた有償ボランティアのあり方について先進地の調査をしているところであるとのことであった。現在までにどこまで検討されてきたのか。また、今後の予定は
現在、関係課職員による検討グループを立ち上げ、資料収集や先進地視察を行っている。
先進地視察では、日光市久次良町埼玉県行田市に出向いて、有償ボランティアを導入した場合の効果や課題について調査をした。
有償ボランティアの導入については、平成25年度の早い時期に実施できるよう方向性を出していきたい。

2.脳脊髄液減少症について

脳脊髄液減少症は、交通事故やスポーツの事故などで体に強い衝撃を受けた際、脳や脊髄を包む硬膜から髄液が漏れ出し、頭痛、めまい、吐き気、気力低下などが現われる病気である。症状が重い場合、歩行困難や寝たきりとなるケースもあり、不登校の一因としても指摘されている。
今年に入って治療法の1つ(ブラッドパッチ療法)が、先進医療として認められるようになった。しかし、未だに認知度は低く、潜在的な患者が今なお数多くいる。今後、より幅広い市民への周知、実態把握が必要ではないか。
脳脊髄液減少症の市民に対する周知については、平成21年から市のホームページ広報紙掲載をしてきた。今後も国の新たな対策や発症原因、さらに初期の対応方法について周知していきたい。
また、市内小中学校でも、児童・生徒の健康状態を把握する上で頭痛やめまい、倦怠などの症状があった場合は、脳脊髄液減少症についても念頭に置くよう通知をしている。さらに『学校だより』『保健だより』を使い、周知にも努めている。なお、この病気が原因で不登校になっている児童・生徒については、健康観察をした結果、該当者がいなかった

3.スポーツの振興について

真岡市では平成20年から、栃木SCとの連携事業としてJリーグ公式戦での『真岡市民デー』の開催や、『サッカー教室』などの事業を行ってきた。
『真岡市民デー』だけを見ても、その試合で最も活躍した選手に真岡市の特産品をプレゼントしたり、試合前に選手と一緒に入場する『エスコートキッズ』を真岡市の子ども達で固めたりするなど、もっと真岡市としてできることはあると思える。来年度以降、どのような方針で連携事業を行うのか。
②栃木県内にはこのほかにも、リンク栃木ブレックス宇都宮ブリッツェン日光アイスバックスといったプロスポーツチームがある。また、真岡市内にもプロではないがホンダ女子ソフトボール部コットンウェイ硬式野球倶楽部などが活動拠点としている。これらのチームとの連携はどのように考えているのか。
①『真岡市民デー』は、真岡市にとって絶好のPRの場となっており、来年度以降も継続してサッカー教室とともに開催していく計画である。
今後は、真岡市の子ども達がエスコートキッズをつとめることや、真岡市の地域芸能を披露することなどについても、栃木SC事務局と協議していきたい。

②リンク栃木ブレックスなど3つのプロスポーツチームについては、真岡市の競技人口実施場所などの問題があるので、栃木SCと同様に連携事業をすることは難しいと考えている。
なお、真岡市内のスポーツチームについては、市として連携が可能かどうか調査をしていく

4.学校給食による事故とその後の対応について

平成22年2月、市内の小学校において当時1年生だった男子児童が給食で出された白玉団子をのどに詰まらせ、意識不明の重体に陥る事故が発生した。今後の市の対応として、

①医療機関などが要介護者を一時的に預かる『レスパイト』をはじめとする支援制度はどこまで検討・準備が進んでいるのか。
②当該児童の保護者が、原因究明と再発防止を目的とした『第三者委員会』の設置を要望しており、教育委員会としても了承したと聞いている。この『第三者委員会』は、どのような構成メンバーが、いつ頃からどのような内容の議論を行うのか。

①今回、保護者が希望している医療機関はレスパイトを利用できる対象施設ではないが、受け入れていただけるようお願いをしているところである。
②第三者委員会の構成メンバーについて、代理人である弁護士と協議を進めているところである。また、調査内容については、再発防止策が議論の中心になると思われる。時期については、年度内に開催できるよう調整をしていきたい。

5.教育行政について

現在、栃木県内では宇都宮市、上三川町、芳賀町が全ての小中学校の学校図書館に専任の司書を配置し、子ども達の読書指導の充実に努めている。
そのうち、芳賀町では平成15年度から各小中学校に司書を配置しはじめ、小学生が年間に借りる本の冊数は、80冊を超えるほど大変大きな効果が見られる。真岡市としても取り組むべき課題であると考えるが。
学校教育の重要な施設である学校図書館をさらに充実させるため、専任司書の配置について検討を進めている
具体的には、読書の楽しみを児童・生徒に発信することにより読書量を増加させるだけでなく、授業や調べ学習において資料の探し方を指導でき、学ぶ力を体得させることも視野に入れていきたい。
これまで視察に赴いた山口県山陽小野田市、広島県尾道市、兵庫県小野市などでは、小中学生を対象に『生活改善・学力向上プロジェクト』に取り組んでいる。
生活改善ではTV視聴睡眠学習読書などに費やす時間が学力にどのような影響を及ぼすのか市独自に調査し、データを示すことで保護者との連携を図っている。学力向上では百マス計算音読漢字の書き取りなどを繰り返し行う『モジュール授業』を実施している。こうした取り組みの結果、いずれの市においても子ども達の学力向上に大きな効果が見られた。
真岡市でも一部の学校で行われているようだが、こうしたものを全市的に行うべきと考えるが。
学力向上に関する取り組みは、真岡市内の各小中学校においても実施されている。
教育委員会としては、市内全校一斉に同じ方法で行うのではなく、各校が実情に合わせて課題解決を図り、それを全面的に支援した方が有効であると考えている。

再質問

工業団地における企業誘致について

真岡市の企業誘致に対する優遇制度を見てみると、他の自治体では行われている用地取得に対する補助や融資制度、借地借家支援などがなく、決して手厚くないことが分かる。
現在の制度は、平成10年に始まったもので、既に15年近く経過している。今日の経済状況を考えると、見直すべき時期に来ているのではないか。
進出を検討している企業からは、様々な要望が出される。市としては、それらの要望に対して個別に対応している。その中で、支援制度の拡充を望む声は少ない
むしろ、真岡市が医療や教育、交通などが整っているのか問われることの方が多い
各企業からは『どのようなまちなのか』と問われることの方が多いとのことであった。裏を返せば、真岡市側の戦略、セールスポイントが重要ということになる。
では、今真岡市は何をセールスポイントにして企業に働きかけをしているのか
北関東自動車道が開通し、人や物の流れが便利であること。街並みが整っていて住みやすいということ。さらに、水資源が豊富であることなどを申し上げている。
真岡市の工業団地は概ね1㎡あたり2万3000円台という分譲価格である。それに比べて、小山東工業団地1㎡あたり1万5000円台であり、企業としては相当魅力的であると思う。
真岡市の企業誘致が価格で負けているということではないのか
交渉の過程において、価格についての要望も出てくることがあるが、そうした場合も隣接地価との調整を考慮しながら対応している。
工業団地の企業OBなどからも、『工場立地法準則条例』が足利市で制定されたことについて、反響の声が寄せられている。
購入した土地柔軟に活用できるということは、企業側から見て非常に魅力的に映るのではないだろうか。
第5工業団地の土地は、元々広大な平地林だった所である。それを失う代替として緑地を整える必要があると考えている。
また、かつて第1、第2工業団地の企業誘致を進めた時、『緑と太陽と空間』をキャッチフレーズにしていた経緯からも、緑を大切にしていただく考え方を醸成していきたい。

天然ガスを活用した発電施設について

先ほどの答弁で疑問に感じるのは、行政側の立ち位置である。
行政から企業へ積極的に声かけをしていくのか。それとも企業からアプローチがあるまで待ちの姿勢なのか
積極的に誘致をしていければと考えているが、誘致できればどんな企業でもいいという訳ではない。
周辺環境に与える影響も考慮していかなければならないと考えている。

地域通貨について

有償ボランティアの課題は、現金が絡んだ場合に参加が消極的になりやすいことが挙げられる。さらに、ボランティア活動の分野が多岐にわたっているため、どの活動を有償にするのか線引きも難しい
地域通貨は市民同士がポイントでやり取りするため、普及しやすいという優位性がある。そうした観点からも、今後の有償ボランティアのあり方をお考えいただきたい。

脳脊髄液減少症について

脳脊髄液減少症は未だに認知されていない病気であるため、周知をすることが難しい。広報紙に掲載するにしても、チェックリストを付記するなどの工夫が必要ではないだろうか。市としては、今後どのような方法で周知をしていく考えなのか。
これまでは主にホームページを用いていたが、今後は広報紙においても今提案されたことを含めて検討し、周知を図っていきたい。
先ほどの答弁では、脳脊髄液減少症に起因した不登校の子どもはいないとのことであった。しかし、これはあくまでも小中学生の話であって、高校生の中にいたことが確認されている。
それだけ実態把握が難しい病気であるので、あらゆる機会を通じて周知に努めていただきたい。

学校給食による事故とその後の対応について

昨年、当該児童の家族がインフルエンザに感染し、保護者としては隔離することを希望していた。しかし、現在の制度ではどうすることもできず、結果として当該児童も感染してしまい、命の危険にさらされたということが現実として起きている。
レスパイト』は医療機関の協力が不可欠で、市だけで対応できるものではないということは理解する。しかし、命にかかわる問題でもあるので、実現に向けて迅速に対応していただきたい
現在、代理人の弁護士と交渉しているとのことであるが、『第三者委員会』を設置する考えであることが表明されたのは、9月定例議会直前の頃であったと記憶している。
既に3ヶ月以上が経過しているが、未だに委員会の全体像が見えてこないことは不思議でならないが。
9月以降に弁護士と協議を始め、教育委員会からも委員の人数や職種などについて考えをしてしてきたが、相手方より返事が来たのが11月頃だった。弁護士の活動拠点が東京都であり、主にFAXでやり取りをしていることも遅れている一因と思われる。
今年度中に委員会を立ち上げたいので焦っていることも事実であるが、何とか年明けまでに人選を決めたいと考えている。

『生活改善・学力向上プロジェクト』について

山陽小野田、尾道、小野の3市では学力向上生活改善双方の取り組みを結びつけることによって実績をあげている。
このことについては、前回質問した時にも指摘し、答弁では『生活改善の取り組みと結びつけた方が理想であるので、真岡市としてもそのようにやっていきたい』とのことであったが、真岡市内の小中学校では、どのような形で学力向上と生活改善の取り組みを結びつけているのか
規則正しい生活が基礎・基本であるということは、全ての教育活動に通じていることと考えており、常々指導している。
また、モジュール学習は計算や書き取りなどを繰り返し行うことで、脳を活性化させることが目的となっているが、真岡市内全ての小中学校でも各児童・生徒の個別課題や学校の実情に合わせて、同様のことを行っている
この課題は、真岡市の子ども達の学力向上という側面だけでなく、市外の人々に向けて『教育のまち』としてのブランドを発信できるかということでもある。
現時点で既に取り組んでいるというのであれば、そのことはしっかりとPRしていただきたい