2月議会 中村の一般質問

答弁者:井田 隆一 市長
矢板橋文夫 総務部長
杉村 伸一 市民生活部長

一般質問

財政のさらなる健全化・財源確保について

平成17年に施行された合併特例法(合併新法)では、合併した年度に応じて、関係市町村がそのまま存続したものとして算定される普通交付税全額保障される特例措置が設けられている。
平成20年度に合併した真岡市の場合、特例措置が7年間(平成27年度まで)となっている。その後も激変緩和措置があるとは言え、安閑としていられる状態ではない。総合運動公園の整備をはじめとする大型公共事業が続く中で、今後の行財政運営について不安視する声が市民の間にも少なからず存在する。
合併から4年が経過し、特例期間の折り返し地点を過ぎたが、期間終了後の対応について、現時点ではどのように考えているのか。
合併新法の場合、普通交付税の特例措置終了後、5年間の激変緩和措置があり、合併算定替による増額分について平成28年度が9割保障され、その後1年ごとに2割ずつ減少し、33年度から増額分完全に消滅する。今後の普通交付税を試算すると、28年度約25億円33年度約15億円確保できると思われる。
市債については、東日本大震災の影響などにより24年度25年度の2年間、一時的に発行額元金償還額を上回る見込みとなっている。市債の元金償還額は、29年度から30年度をピークに、その後は緩やかに減少していくものと考えている。
今後も大型の公共事業が続くが、事業の導入時期を見極め、財政調整基金などの積立てを計画的に進めていくとともに、人件費の抑制や事務事業評価の活用などにより、引き続き行財政の効率化に努めていく。
真岡市の公共施設は、築20~40年が経過しているものが多く、更新をどのように進めるのかが今後の大きな課題になると思われる。全国を見渡すと、既存施設を計画的に維持管理するための『公共施設長寿命化計画』や、施設の存在意義を根本から問い直すための『公共施設再編計画』を策定しているところも増えている。
そうした計画の策定は、真岡市としても必要と思われるが。
真岡市における長寿命化計画は、公共施設全体ではなく、学校、市営住宅、上下水道施設などについて耐震診断などにより実情を調査し、個々の施設について策定をしている。
再編計画については、各施設の老朽化や利用者のニーズの変化、合併による施設数の増加などの課題もあり、財政の健全化や公共施設の最適化を図るのに有効であると思われるので、平成25年度に計画を策定するための検討をしていく
定住自立圏構想』は、人口5万人以上で昼間人口が多い自治体を『中心市』として位置づけ、周辺の市町村と協定を締結し、それぞれの特徴を生かしながらエリア全体で定住促進を図るものである。公共施設の相互利用などにより、財政的な負担を軽減できることもメリットと考える。全国では71地域がすでに定住自立圏を形成している。
拙速に結論を出すべきものとは思えないが、まずは芳賀地区広域行政事務組合などで、導入の有無も含めて調査・研究を開始してはどうか。
最近の事例では、大田原市が3県(栃木、茨城、福島)にまたがる8市町からなる『八溝山周辺地域定住自立圏構想』を立ち上げ、協定締結に向けた準備を進めている。
真岡市においては、二宮町との合併から4年を迎える中、新市の一体感を醸成することを最重要課題としてきた。また、芳賀地域の他町から定住自立圏構想についての提案もないため、真岡市から進んで調査・研究の開始を提案する考えはない
ネーミングライツ(施設命名権)は、スポーツ施設や文化施設の名称を付ける権利を民間企業などに与えるものである。現在その市場は大変活況を呈しており、平成23年度を数字を見ると、契約件数市場規模ともに過去最高を更新している。
その要因は、命名権を売る側の自治体が価格を引き下げたことで契約増につながったようだ。真岡市でも公共施設の整備が進められている中で、活用することを考えてはどうか。
近年、ネーミングライツが広がっている背景には、民間企業などへの命名権売却による収入と、目新しい施設名による利用者の確保で財源を確保しようとする考えがあり、真岡市としても歳入面から考えればメリットがあると考えている。一方、施設の名称が契約企業の不祥事などにより短期間で変更してしまうケースがあることや、地域の名前が施設名に入らず場所が特定しにくくなるということがデメリットとして考えられる。
今後、メリット・デメリットを十分に分析した上で、導入について検討していく。
近年『ふるさと納税』は、東日本大震災の被災地への義援金などで、制度を活用する人々が増えているという。
しかし、平成23年度の実績を見てみると、

県内他市の平均   25件   303万3700円 真岡市  3件 18万円

これを、制度が始まった平成20年度から4年間の累積として見ると、

県内他市の平均  112件  1087万6550円 真岡市 10件 50万円

真岡市においては活用が図られているとは言い難い。今後どのような対応をしていくのか。

県内他市の納付状況を調べてみると、高額の寄付や、同一人物が継続的に納付するなどのケースがあったようである。
『ふるさと納税』は厳しい財政状況の中で、収入増を図るための有効な手段であるため、現在行っているホームページでの案内に加えて、各種観光キャンペーンの際にPRをするなど、できる限り多くの寄付が受けられるよう取り組んでいきたい。

防災・減災対策について

真岡市は、一昨年3月11日の東日本大震災、昨年5月6日の竜巻という2度の自然災害に見舞われた。今後も、首都直下型地震をはじめとする災害発生が予想される中で、新たな地域防災計画の中に災害から得られた教訓を織り込んでいくことは急務であると考える。
当初の予定では、平成24年度末に計画を策定していくとのことであったが、現在の進捗状況は
栃木県の地域防災計画が昨年10月に見直しになったこと、さらに竜巻の際の反省も踏まえて、内容を大きく修正しているところである。修正点としては、情報伝達手段、他自治体との連携、高齢者や障がい者への対応、ボランティアの活用、避難体制の整備などについてである。
今後、庁内の検討委員会で素案をまとめ、市民からの意見を聞くパブリックコメントの実施を経て、真岡市防災会議に諮り、新たな地域防災計画を策定していく。
災害図上訓練は、地域で発生する様々な災害を想定し、地図を使いながら予測される事態を書き込むもので、現在は全国各地の自治体において職員研修や市民の勉強会などで取り入れられている。
昨年9月の定例議会で提案した際、芳賀地区広域消防本部と検討していくとのことであったが、今後実施する考えはあるのか。
平成25年度、物部地区で開催される防災避難訓練において、芳賀地区広域消防本部と連携を図ったうえで災害図上訓練を実施していく。
また、各地域においても自主防災組織の訓練の中で、災害図上訓練をメニューの1つとして実施していけるよう支援していくとともに、指導できる人材の育成にも努めていきたい。

協働のまちづくりについて

真岡市では、自治会活動が総務課、地域公民館男女共同参画が生涯学習課、NPOボランティア活動が安全安心課と管轄が分散しており、分かりづらいだけでなく、縦割りの弊害を感じることがある。そうした中、昨年10月に会派視察研修で訪れた鹿児島県霧島市では、自治会活動やNPO・ボランティア、男女共同参画などを一元的に扱う『共生協働推進課』が設けられていた。真岡市も行政機構の見直しが必要と考えるが。
協働のまちづくりを進めるために、部署を1つにまとめることは分かりやすくなると思うが、それぞれに業務の相手方が異なっていること、担当窓口として定着していること、さらに、地域公民館のように社会教育法で位置づけられているものもあるので、当面は現在の体制で対応していく。
現在、市長の定例記者会見年4回行われている。
しかし、県内を見てみると14市中11市の市長が月1回のペースで行っており、3ヶ月に1度というのは真岡市だけである。
市長の定例記者会見は、報道機関との連携を密にすることや、“地域情報のトップセールス”という性格も持ち合わせている。もっと頻繁に行われてしかるべきと思うが。
市の内外への情報発信については、多様な媒体を利用して伝えることが有効であると考えており、これまでも定例記者会見のほか、市の広報紙やホームページ、CATVなどを活用してきた。平成25年度からはとちぎテレビデータ放送を利用して市の情報を文字情報として提供する予定である。
今後も情報発信については積極的に取り組んでいきたいので、定例記者会見についても適宜開催していきたい。
環境自治体スタンダードLAS-E』は、環境に配慮した取り組みについて自治体が目標を立て、市民や事業者も参加しながら、その内容の点検・見直し・改善を継続して行うものである。
ごみの減量をはじめ、環境問題を協働で取り組む必要性が高まっている中で、有効な手段と考えるが。
真岡市では平成16年に『環境都市宣言』をし、宣言の精神を守っていくため『環境基本条例』の制定や『環境基本計画』の策定などを進めてきた。
その計画の進捗状況については、環境審議会や行政評価などを通じて、市民も参画して調査・審議をしているところである。したがって、現在の制度でも市民と行政が環境問題に協働で取り組めているものと考えている。

再質問

財源確保に向けた取り組みについて

地方交付税激変緩和措置後15億円程度は確保できるとのことであった。
しかし、平成24年度が30億円だったことから考えれば半減するということであり、厳しい行財政運営を求められることになる。
今回提案させていただいたものを含め、あらゆる手段を講じて税源確保に取り組んでいただきたい。

公共施設の『再編計画』について

公共施設の『長寿命化計画』については、施設の種類別に策定を進めるとのことであった。
そうした中で、平成25年度に策定を検討する『再編計画、それぞれの施設の『長寿命化計画を包括的にまとめたものと考えてよいのか。
現在は個別にまとめている『長寿命化計画』について、各施設を管理する担当課で考え方を共有化するために『再編計画』の検討を進めていく。
そのため、『長寿命化計画の内容を含んだ再編計画』であるとご理解いただきたい。

定住自立圏構想について

定住自立圏を構成する自治体が何の分野で連携するかは、それぞれの地域の判断に委ねられている。71の定住自立圏があれば、71通りの連携の形があり、他地域の取り組みを真似ることは大変危険である。
やる、やらないを含め時間をかけて検討する組織は必要であり、芳賀地域の他町からの申し出を待つのではなく、真岡市が進んで設置を提案すべきではないか。
真岡市が『中心市』となった場合、人口集中が進むといった課題も懸念される。
そうした不安を持たれないためにも、声を上げるのは他の4町からの方が望ましい。

ネーミングライツについて

全国を見渡すと、現在約320の公共施設ネーミングライツを活用している。
その中には、大都市部だけでなく、富山県射水市(人口約9万3千人)、三重県名張市(人口約8万2千人)、香川県さぬき市(人口5万2千人)、東かがわ市(人口3万4千人)ななど、真岡市と同規模、あるいはより小規模の自治体も目立つ。
真岡市でも可能な取り組みと思うので、今後積極的に研究を進めていただきたい。

地域防災計画について

県の地域防災計画が見直されたため、時間がかかっていることは理解したが、今後いつ頃までに策定するのか。具体的なタイムスケジュールを示してほしい。
3月末までに素案をまとめ、年度明けに県の計画とのチェック、パブリックコメントなどを行った後、今年の夏あるいは秋までに策定していきたいと考えている。

行政の組織機構について

疑問に感じるのは、同じようにまちづくりをしているにも関わらず、自治会活動は総務課、NPO・ボランティア活動については安全安心課というように、異なった課が管轄していることである。
なぜ、真岡市ではこのように分けているのか
安全安心課の前身は、総務課の防犯係であったが、庁内の組織機構を見直した中で、市民生活部や安全安心課を新たに設けることになった。
安全安心課の業務の中には、自治会活動が絡むものもあるが、様々な議論を経て2つに分けた方が動きやすいという結論に至った。
動きやすい』というのは、あくまでも行政側から見た発想であって、市民の目線に立っていない。協働というのは一歩間違えば、行政が市民を“下請け”のように扱う危険性がある。
そもそも総務課自治会活動を担当しているというのも、行政の庶務的業務を自治会に担わせていた名残であると思われる。ちなみに、県内14市中9市で『協働推進課』などの課を設置しているが。
行政の組織機構については、毎年『行財政検討委員会』の中で議論をしている。
指摘された内容についても、今後委員会の中で検討していきたい

市長の定例記者会見について

市長の定例記者会見については適宜行っていくとの答弁だったが、市長が言うところの“適宜”とは、何回行うことを想定しているのか。
新聞などを読んでいると、真岡市を扱った記事が少ないということは感じている。
そうした意味からすると、対外的に随時情報を発信していく必要性はあるものと考えている。
真岡市政全般における根本的課題は、施策の見せ方、売り方、伝え方”ではないだろうか。
特に、真岡市が今『地域のブランド化』に力を入れていることからすれば、市長の定例記者会見は、月1回程度は行うようにしていただきたい。

環境自治体スタンダード『LAS-E』について

施策の見せ方、売り方、伝え方”ということからすれば、環境分野も当てはまると思う。様々なことに取り組んではいるが、個別にやっているので目立たない。
LAS-E』のように体系的にまとめることが重要ではないか。
確かに、やり方や組織の再点検はどこかの時点で必要とは考えている。
『LAS-E』や『ISO』など、どの方法がいいのかも含めて検討していきたい。