6月議会 中村の一般質問

答弁者:井田 隆一 市長
酒井  勲 教育長
増山  明 産業環境部長
大関 正信 建設部長

一般質問

1.人口減少時代におけるまちづくりについて

昨年3月に策定した『都市計画マスタープラン』に、『コンパクトシティの考え方に基づく』ということが明記されている。これは、高齢化・人口減少が加速する中で、効率的なまちづくりを進めるため、中心市街地への移住を誘導する取り組みである。
しかし、『第11次市勢発展長期計画』の中では、『魅力と活力に満ちた農村対策』が目標として掲げられている。コンパクトシティを進めるにあたって、市街化調整区域の位置づけはどのように考えているのか。

コンパクトシティは、徒歩などで移動できる範囲を生活圏として捉え、必要な機能がバランス良く集約し、街なかへの居住を誘導する都市形態である。社会資本の整備や維持、管理にかかる行政コストを縮減し、持続可能なまちづくりを目指している。
しかし、地域の特性が失われ、既存集落の持続を危ぶむ指摘もある。今後、先進事例を検証し、真岡市に合ったコンパクトシティのあり方を研究することが必要と考えている。
真岡市では、平成23年11月からデマンドタクシーの『いちごタクシー』を、翌24年9月からコミュニティバスの『コットベリー号』を運行させてきた。
今後、こうした公共交通の充実化は必要不可欠であるが、市民の間からは増便路線エリアの拡充を求める声が目立ってきている。
地域公共交通網形成計画』を今年度から策定することとなっているが、具体的なスケジュールはどのようになっているのか。

計画の策定にあたっては『地域公共交通網活性化協議会』において協議し、内容を決定していきたい。この協議会は、市長を会長とし、交通事業者、自治会連合会など関係団体の代表者、学識経験者、警察や道路管理者、国・県の交通政策担当者、公募委員など25名で構成されている。
6月24日の第1回協議会では、計画の骨子について話し合う。その後、市民意識調査を実施し、現在の課題を整理する。12月に第2回協議会を開いた後、市民へのパブリックコメントを経て、最終的に来年3月に予定している第3回協議会で策定していく。
総務省では、平成20年頃から『定住自立圏』というものを提唱・推奨している。
これは、人口5万人以上で昼間人口の多い自治体を中心市として位置づけ、周辺自治体と協定を締結し、エリア全体で定住促進を図るものである。
この『定住自立圏』を形成している地域は、全国で90に及んでいるが(今年5月22日の時点)、真岡市でも導入の有無を含め調査・研究をすることは必要なのではないか。
芳賀地区では、1市4町で広域行政事務組合を組織し、消防やごみ処理、し尿処理、斎場、市場、急患センターなどを共同で運営してきたほか、広域観光事業にも取り組んできた。
定住自立圏』については、これまで周辺の4町から具体的な提案はなかったので、現時点では考えていない。

2.教育関係の諸課題について

4月21日に、小学6年生と中学3年生を対象とした『全国学力・学習状況調査』、小学4・5年生と中学2年生を対象とした『とちぎっ子学習状況調査』が行われた。
これらのテストでいつも議論となるのが、成績の公表の是非である。自治体や学校の単位の対抗戦になってしまうようでは本末転倒だが、市全体の状況(良い所やつまづいている所など)については、市民との情報共有化は必要なことと考えるが。
平成26年度に行われたテストの結果を見ると、真岡市の子ども達は、

 

全国学力・学習状況調査

とちぎっ子学習状況調査

小学生 調査対象教科:国・算 調査対象教科:国・算・理
国語、算数とも国・県の平均を下回っている。 県の平均とほぼ同程度。
中学生 調査対象教科:国・数 調査対象教科:国・社・数・理・英
国語は国・県の平均より若干低い。
数学は国・県の平均より若干高い。
国語以外の4教科で県の平均を若干上回る。

という結果だった。

教育委員会では、児童・生徒の学習面や生活の様子についての調査結果を、広報紙やホームページなどで公表し、市民との情報共有化を図っていく。

学力向上に向けて『生活改善・学力向上プロジェクト』を実施してはどうか。これは、生活改善ではTV視聴睡眠学習読書などに費やす時間が学力にどのような影響を及ぼすのか市独自に調査し、データを示すことで保護者との連携を図る。また、学力向上では百マス計算音読漢字の書き取りなどを繰り返し行う『モジュール授業』を実施するものである。
この取り組みを行っている山口県山陽小野田市では、プロジェクト開始からわずか9カ月間で子ども達の知能指数の平均値が102から111に伸びるなど、大きな効果が見られたようだが。
また、教育委員会が計画している学力向上に向けた取り組みが何かあれば説明してほしい。
現在、県の取り組みとして『学力向上アドバイザー派遣事業』を活用しているところである。真岡市内では、昨年度9校、今年度も9校が指定を受け、学力向上改善プランを作成した。
また、学力向上に向けた取り組みとしては、『全国学力・学習状況調査』で過去に出された問題を集約したチャレンジシートを、芳賀地区広域行政事務組合教育委員会と連携して作成し、今年度から活用を図っているところである。
真岡市では昨年1月から、学校図書館に専任司書を配置する『学校図書館充実化研究事業』をスタートさせた。

現在、市内5つの小学校(真岡、長田、西田井、大内中央、久下田)で展開されているが、いずれの小学校においても、子ども達の読書量が増えるなど効果が見られている。

ただし、わが国の子ども達の学力で最も苦手な分野が『読解力』であることなどを考えると、できるだけ早急に市内全域で実施されるべき事業だと思うが。

現在『学校図書館充実化研究事業』を実施している5つの小学校で、平成25年度と26年度の平均値を比較してみると、貸出冊数42%増、利用者数44%増となっている。専任司書がいることで、読書に親しみを持つ児童が増えるなどの効果があったものと考えている。

今年度の実績も踏まえて、司書配置の方法と人数、費用などを検証した上で、今後の配置計画を検討していきたい。

コミュニティスクール』とは、教育委員会から任命された保護者地域住民が、一定の権限と責任を持って教育活動に関われる制度を有した学校のことを指す。

現在、文部科学省では公立小中学校の約1割にあたる約3000校を目標に、調査研究事業を実施している。

この制度を取り入れた学校では、教員の事務量が軽減し、結果として学力向上いじめの減少などの効果が見られているようだが、真岡市でも導入を検討してみてはどうか。

真岡市では、平成14年度から市内全小中学校で『学校評議員制度』を導入している。
この制度は、保護者や地域住民などが、校長の求めに応じて学校運営に関する意見を述べることができるものである。
また、開かれた学校づくりを推進するために、学校支援ボランティアなど積極的に活用を図っているところである。
こうしたことから現行の制度を継続しながら、地域に根ざした特色ある学校づくりを進めていく。
栃木県内には『栃木SC』をはじめ、いくつものプロスポーツチームが存在している。
それに加えて、真岡市内を見ると、日本女子ソフトボールリーグ1部で活躍している『ホンダ女子ソフトボールクラブ』や、都市対抗野球北関東大会に進出した『コットンウェイ硬式野球倶楽部』などが活動拠点としている。
こうした選手達から指導を受けることができれば、子ども達にとって大きな夢になるものと考える。特に真岡市では『総合型地域スポーツクラブ』が本格的に立ち上がる時期でもあり、各種スポーツチームと連携を深めるには良いタイミングと思われるが。
栃木SCとの連携については、平成20年度に『栃木SC支援事業真岡市実行委員会』を設立し、これまでに『サッカー教室』や地元開催ゲームでの『真岡市民デー』を行ってきた。今年度に入り、真岡市総合運動公園サッカー場を使用して練習することがあるので、プレーを見学する機会として、練習日が決まったら市のホームページなどで告知したい。
ホンダ女子ソフトボールクラブについては、同クラブの自主事業として年2回ソフトンボール教室を開催している。今後どのような連携を図れるのか、関係者の意向などを確認したい。

3.起業家の育成・支援について

真岡市では、起業家を支援する施設として、平成15年に荒町地内に開設した『MOP21』があったが、東日本大震災で建物が破損し、現在は閉鎖されている。
また、起業家に対して経営指導や各種の相談業務を担う『インキュベーションマネージャー』を真岡商工会議所に配置させたが、当該職員の退職に伴い現在は空席となっている。
これらについて、できるだけ速やかに対策を講じ、起業家が活動しやすい環境を整えるべきではないか。
真岡市では、起業家の育成に積極的に取り組むため、昨年10月に『創業支援事業計画』を策定し、国の認定を受けたところである。
この計画に基づき新たな活動拠点を検討してきたが、当面の措置として、真岡商工会議所内で『MOP21』を再開し、今年8月から入居者を募集する。
また『インキュベーションマネージャー』の配置については、真岡商工会議所の職員が、今年度中に資格を取得する予定となっている。

再 質 問

市街化調整区域のあり方について

市街化調整区域に住む市民にとって、苛立ちの原因の最たるものは『45年前につくられたルールに今なお縛られている』ということではないだろうか。
宇都宮市、足利市、栃木市などでは規制を緩和する条例が制定されているようだが、真岡市ではなぜそうしたことができないのか。
市街化区域、市街化調整区域については昭和45年に線引きを決定している。

市街化調整区域については、現行通りということで考えている。

これまで市議会では、何人もの議員がこのテーマについて問題提起をしてきたが、毎回執行部の答弁と平行線となっている。
そもそも市街化区域と市街化調整区域の線引きを変えられない理由は何なのか。
市街化区域と市街化調整区域の線引きは、国による国事行為であって変えられない状況にある。
もしも変えてしまうと、まちづくりのあり方が根底から崩れてしまう懸念がある。
例えば、下大沼から粕田にかけての美しい田園風景が保たれてきたのは、市街化調整区域だったことによるものだが、一方では人が住んでいたからこそ保たれたものでもある。
市街化調整区域のあるべき姿について先進地を調査研究していきたいとのことだったが、今後どのようなタイムスケジュールで検討していくのか。
人口減少時代の中で、市街化調整区域をどう維持させていくのかについては、非常に時間がかかる問題だと考えている。
また、コンパクトシティという考え方については、中心市街地だけではなく、市街化調整区域の中でも進めていかなければならないと思っている。

定住自立圏について

真岡市の中でコンパクトシティの流れが起きているように、栃木県全体としても『地方中枢拠点都市』(要件:人口20万人)である宇都宮市を中心とした集約化の流れが加速しつつあり、人口流出の懸念は今後も残る。
周辺の町とチームプレイ人口流出を食い止める取り組みがあって然るべきと考える。定住自立圏については、真岡市から積極的にアプローチをしてもいいのではないか。
芳賀地区1市4町の場合、広域行政事務組合を組織して様々な施策を展開しており、定住自立圏のような取り組みは、その中ですでに行われているものと考えている。

コミュニティスクールについて

今後も、学校評議員の制度で進めていきたいとのことだった。
しかし『校長の求めた時のみ意見が述べられる』学校評議員制度と、『一定の権限と責任を持って会議が開かれる』コミュニティスクールでは、明らかに違いがある。
教育委員会としては、これまでコミュニティスクールについて、どのような調査研究をしてきたのか。
真岡市の全小中学校で学校評議員の制度が始まったのが平成14年度である。一方、コミュニティスクール法制化されたのが平成16年度のことである。この間、わずか2年しかなく、制度の見直しは難しかった。
また、学区評議員の制度を見直すべきとの声がないこと、さらに現時点においても、コミュニティスクールを導入している学校は全国の1割に満たないため、評価が一定化されていないので、冷静な見極めが必要と考えている。
学校評議員を制度を導入して、すでに13年が経過している。そう考えると見直してもいい時期に差し掛かっているようにも思う。
コミュニティスクール導入の効果は、教員の事務量軽減、さらに学力向上やいじめの減少などとされているので、そういったものはもっと積極的に調査研究をしていただきたい。

起業家の育成・支援について

商工会議所の中で『MOP21』を再開するとのことであったが、新しい施設にはどの位の起業家入居可能なのか。
約9㎡の部屋が2部屋ある。8月から募集を行い、9月から入居開始を予定している。
従来の『MOP21』では8部屋あった。それでも起業家支援施設としては少ないと感じていたが、2部屋というのはあまりに少ないのではないか。
商工会議所としても、この2部屋で充分とな考えていない。
引き続き、市と商工会議所が連携しながら、安価に貸し出せる物件を探していく
真岡市が支援施設を整備するまで待ってくれるような呑気な起業家はいないと思う。
できるだけ早急に整備を進めていただくよう要望する。
また、現在真岡市でも課題となっている、空き家空き店舗、さらには空き校舎の活用策としてもお考えいただければと思う。