平成21年度 文教常任委員会 行政視察

7月7日から9日にかけて文教常任委員会では、山口県山陽小野田市と福岡県久留米市へ行政視察へ赴きました。

1.子どもたちの学力向上について

視察目 平成21年7月7目(火)
視察市 山口県山陽小野田市

全国の学校で、勉強への意欲が低く、自分に自信が持てず将来への希望がない児童や、学力だけでなく、基礎体力の衰えや様々な健康障害を抱えた児童が増え、不登校の著しい増加やいじめなどの問題が起こっている現状がある。これらの‘人間力’の低下ともいうべき現象は、現代日本が抱える最大の問題の一つとなっている。その様な状況の下、全国に先駆けて山口県山陽小野田市は「生活改善・学力向上プロジェクト」の取り組みをスタートした。山陽小野田市では、この‘人間力’を担っている部分が脳の前頭前野といわれていることに着目し、それを鍛えることで、子どもが飛躍的に成長する仕組みを、家庭・学校がそれぞれ役割を分担することでつくりあげたプロジェクトを実施している。
生活改善プロジェクトとしては、「早寝・早起き・朝ごはん」という人間本来の生体リズムを取り戻すことや、テレビ視聴やゲーム、インターネットに係わる時間を制限し、親子のふれあいや会話を増やす取り組みをしている。生活習慣が学力や知能指数の伸びと密接な関係にあることを市独自で調査し、データを保護者に示し各家庭の協力を得ながら実施している。
学力向上プロジェクトでは、「モジュール授業」という形で「読み・書き・計算」といった基礎・基本の徹底反復学習に取り組んでいる。週3日を目途に、それぞれ1時間日に15分ごと、百ます計算、音読などのメニューをこなしていく。その目的は、朝一番に腹の底からみんなと一緒に大きな声を出す、美しい日本語の文章をはっきりと、一つひとつの言葉を大切にそらんじる、計算を速くする、自分の脳が速く動くのを実感するなどである。この様な脳の活性化方法により、学習面では大きな効果が期待される。
実際に、取り組み開始から9ヵ月後の知能指数を比較した結果、102から111に上昇した。また、この方法で前頭前野が担っている「やる気・集中力・我慢する力・社会性」など、今の子どもに一番必要とされている「心の強さ」が大いに高められると考えられている。これを継続していくことで、子ども自身が意欲と自信を持ち、やがて生活の様々な場面で生じる課題を、自分で解決していくことのできる「生きる力」を育んでいくことになる。
「教育」というと、教室での取り組みだけが注目されるが、子どもの生きる全ての時間が「教育」であること、睡眠時間はどの位か、どんなものを食べているか、家族みんなで食事をしているか、そうしたことが合わさって子どもの生きる力、生命力が備わり、豊かな成長につながっていくといえる。山陽小野田市の「モジュール授業」は決して特別な授業ではなく、昔ながらの教育が形を変えて活用されていることに改めて感心し、本市の教育目標に合致するこの手法を大いに参考にし、本市でも積極的に取り組むべきと考える。

福岡県久留米市 『生涯学習のまちづくりについて』

視察目 平成21年7月8目(水)
視察市 福岡県久留米市

出前講座

真岡市でも実施を予定している出前講座は市職員・市民等が出向き、講座を関くことで、市の取り組みを広く市民に伝え、市政について関心と理解を深めてもらい、市民と行政の協働のまちづくりに資することを目指すもので、久留米市では平成15年から実施されている。一人でも多くの市民に利用してもらうため、事業に様々な特色を出している。
一点目に、利用しやすい申し込み条件として市内の在往者以外に、通勤者、通学者など5人以上のグループも受講できるようにしている。二点目に、利用者本位のメニュー構成として、従来の硬い表現のメニューから、市民が親しみやすいメニュー名称に変更をし、受講意欲を喚起したり、座学だけではなく、体験型の講座を増やすことでより理解を深めてもらう配慮を講じている。その他、一部のメニューに受講が集中する傾向があるため、実施担当課の負担軽減を考慮し、図書館のビデオライブラリーをパンフレットに掲載し、利用を促す工夫もしている。
事業の効果については、国や県の制度変更などに対応したメニューや、直接の質疑応答で理解が深まることから、参加者のアンケートによると、100%近く「有意義だった」と回答している。この結果は、市の取り組みなどに対する市民の理解が深まると共に、協働には不可欠な「相互理解」「相互信頼」に結びつくといえる。真岡市としても、後発となる本事業だけに、久留米市のような他市の事業をよく吟味し、かつ真岡市ならではの特色を充分に盛り込んだ事業となるよう参考にすべきと考える。

久留米市生涯学習センター(え-るビア久留米)

生涯学習推進の拠点、市民が出会い・語らい・学びなど、様々に活動し、その情報を発信していくシンボルの広場として、「え-るビア久留米」は、平成12年に約3000坪、50億円を費やし建設された。施設は質・量ともに充実しており、センターにはサークル活動や放課後の児童の居場所など、多様な目的で現在も多くの市民が利用している。 しかし、築10年にもなると施設の老朽化に伴う修繕費の大幅な増加が顕著であり、苦しい財政状況の中、計画的な施設修繕で対応を行っているとのことであった。
真岡市としても、新しい施設の建設は難しいと思われるが、二宮コミュニティセンターの整備をはじめとして、引き続き多くの市民が集い、生涯学習が推進される環境づくりに力を入れるべきと考える。