平成21年度 真政クラブ・公明 会派行政視察研修

8月5日〜7日にかけて、中村が所属する会派『真政クラブ・公明』では北海道別海町と紋別市へ視察に赴きました。

紋別市次世代育成支援行動計画について

紋別市勢

明治2年、北海道開拓使が設けられ、蝦夷地を改めて北海道とし、11国86郡が定められ、北見国紋別郡が誕生、同13年7月には、紋別村外9カ村戸長役場が設置され、道路の開さく、定期船の運航、加えて大正10年国鉄名寄本線の全線開通によって、行政及び産業経済の発展をみた。昭和29年合併により人口3万6千人の「紋別市」が誕生しました。
その後、紋別空港が開港、また紋別港が重要港湾に指定され物資の流通をはじめ経済交流も盛んになりました。さらに、平成11年に念願であった新オホーツク紋別空港がジェット化空港として開港し、平成12年には東京直行便が就航したことにより、地域の観光、経済の活性化が期待されています。このような中で平成16年10月に「流氷とガリンコ号」が北海道遺産に選定されました。漁業活動の妨げになるとして、いねば邪魔者扱いされてきた流氷に、海洋、観光資源としての価値をいち早く見出し、「流氷研究国際都市」を宣言し積極的に流氷開発にも力をそそいでいるところです。

平成17年3月にこの計画を実行する事になった事由は
計画の策定にあたって

急速な少子化の進行は、労働人口の減少や社会保障の負担増など社会経済に、影響を与えるほか、子育て家庭の精神的負担や経済的負担が増大するなど様々な課題があります。
このことから、国は少子化の流れを変えるため、平成14年9月に、「少子化対策プラスワン」をとりまとめ、従来の(子育てと仕事の両立支援)の取り組みに加え、(男性を合めた働き方の見直し)、(地域における子育て支援)、(社会保障における次世代支援)、(子供の社会性の向上や自立の促進)、の4つの柱に沿って総合的な取り組みを推進することとし、これを踏まえ、地方公共団体および企業における10年間の集中的な取り組みを促進するため、平成15年7月に「次世代育成支援対策推進法」が制定されました。
これにより紋別市は、次代を担う子供が健やかに育つ環境作りをするため、国の動向や当市の現状を踏まえ、「第4次紋別市総合計画」などとの整合性を図りながら、次代を担う子供と子育て家庭への総合的な支援を目的とする「紋別市次世代育成支援行動計画」を策定したことであります。

市民から好評であった施策は何か

紋別市次世代育成支援行動計画市民懇話会を設置し、合計5回開催し、幅広いご意見を頂きました。さらに紋別市次世代育成支援に関するニーズ調査を(就学前児童)と(小学校児童)を対象に行い地域における子育て支援のきめ細かい基本方針を立てたことにより主要事業として計画・実行した

子育てて支援センター機能の充実~子育て支援センターの活動拡大~子育て支援センターを中心としたネットワークの拡大
児童館事業~児童の健康増進と健全育成及び家庭児童相談等
ファミリーサポート~市民による育児の相互援助活動
つどいの広場~乳幼児と親が集い、交流や育児相談などを行う場
子育て情報の提供~ガイドブック・ホームページ等の充実
高齢者パワーの活用~子育て支援活動を高齢者が支援
乳幼児医療費助成~乳幼児医療費の一部を給付
保育所保育料の減免~保護者の所得に応じた保育料等の減額
小児慢性特定疾患対策~小児ガン等の特定疾患者に対する給付
幼稚園就学奨励費補助~保育者の所得に応じた保育料等の補助
各種保育サービスの充実~延長、障害児保育など
保育所と幼稚園の交流~子供同士や保育士・教諭との交流等
各種交流事業~異年齢児交流・世代間交流
児童扶養手当
等、以上の事業があげられると思います。

後期行動計画の目玉は何か

平成19年度・5事業の進捗状況です。
1 放課後児童健全育成事業(3ヵ所)
2 一時保育事業(4カ所)
3 子育て支援センター事業(市単独1ヵ所)
4 通常保育事業(定員335人)
5 延長保育事業(4ヵ所)
平成21年度は以上に加え、次の2事業を追加してあります。
・ ファミリー・サポート・センター事業(1ヵ所)
・ つどいの広場事業(1ヵ所)
合計7つの事業が今後の目玉と思われます。

行動計画の中で一番期待していることは何か

基本的な役割として、親の役割・地域の役割・行政の役割を提示し紋別市総合計画のまちづくり基本計画の下、
『豊かな心で親も子も、みんなで未来をつなぐまち』
と基本理念をさだめて、実現するために、次の4つの目標を掲げている。
1 地域における子育ての支援
2 母と子供の健康確保と増進
3 子供の教育環境の整備
4 子育てを支援する生活環境の整備

これにより、保険・福祉・教育など子育て生活に関わる関係機関・団体、地域や事業所などと連携し、総合的かつ効果的な施策の展開を図り、親も子供も豊かでたくましい心を育みながら、時代を超えて市民と一体となり、皆がそれぞれの役割を担い共に支え合いながら未来へ向かう「まちづくり」に取り組んでいくことが挙げられると思います。

今後の課題は何か

紋別市の現状及び人口の推移と少子化の動向として、当市は昭和48年に、かつて東洋一の産全量を誇った鴻之舞鉱山が閉山し、同60年には長年地域の進展に寄与してきた国鉄諸滑線、続いて平成元年4月にはJR名寄線が相次いで廃止となり、それにより人口の減少が進み、かって4万3千人あった人口が、2万7千人と落ち込み昨年度の出生数は175名であったことを考えると非常に厳しい現状であります。紋別市の最上位計画である 「第4次紋別市総合計画」のまちづくり基本計画の下、「次世代育成支援行動計画」を、的確に連携させ、かつ強力に進めることが方法の1つであり今後の課題であると思います。

翻って当真岡市を考えた場合、全国到る所で急速な少子・高齢化が進行する中、家庭や地域社会を取り巻く環境が大きく変化しています。明日を担う子供たちが心身共に健やかに成長するよう、様々な環境づくりが求められています。当真岡市は、二宮町との合併により人口8万3千人のまちが誕生致しました.。井田市長の目指す『真岡市人口10万人構想』を達成させるには
「子育てと教育」子供医療費(中学3年まで)無料化、 安心して子供が生めるまちづくり、
「地場産業の振興」企業誘致による雇用促進、商業や農業の活性化
「福祉と環境」福祉サービス及び地域密着型介護老人福祉施設の拡充、自熱環境保護、公害対策推進
「行政運営」事業の見直し及び行財政改革
以上の項目を、早期実現することが今後の課題であると考えます。
(文責  柴   恵)

視察報告 根室北部廃棄物処理広域連合ごみ処理施設(北海道野付郡別海町)

1.これまでの流れと視察の目的

今日、わが国においてごみ処理広域化の必要性が説かれている中にあって、芳賀地区広域行政事務組合では、平成11年12月に「芳賀地区ごみ処理広域化推進協議会」を立ち上げている。平成14年2月に「芳賀地区ごみ処理広域化計画」を策定し、その後1市4町による市町合併が頓挫したことなどを受け、改訂版の計画が平成18年3月に再度出されている。
建設予定地については、有力候補地として本市の堀内地区が平成18年11月に選ばれているが、現在も地域住民からの理解がなかなか得られていないのが実情である。今年の7月には地区住民による投票が行われ、約7割の世帯が建設に反対を表明している。
その一方、昨年8月に機種選定委員会が設置され、①ストーカー炉十灰溶融炉方式、②シャフト炉式ガス化溶融方式、③流動床式ガス化溶融方式、④キルン式ガス化溶融方式、⑤ガス改質式ガス化溶融方式の5方式を調査対象として挙げている。
その後7回の議論を経て、今年5月に施設については流動床式ガス化溶融方式が望ましいとの答申が出されたところである。この理由について、同委員会の報告書によれば『最終処分量の削減の項目で低い評価となったが、他の項目では高く評価された』とし、特に『システム構成、通常時の対策、非常時の対策、点検操作性、運転制御の操作性、環境保全、資源・エネルギーの使用量・回収量、施設建設費、用役費の9項目(全15項目)で最も高い評価を得た』としている。
では、実際に「流動床式ガス化溶融方式」を採用している地域は、どのような状況にあるのだろうか。平成18年度から同方式で運転を開始している根室北部廃棄物処理広域連合の処理施設を視察することにした。

2.根室北部廃棄物処理広域連合の概要

今回視察したごみ処理施設の管理・運営をしている根室北部廃棄物処理広域連合は、平成14年7月に設立された。
前述の通り、全国的にごみ処理の広域化が叫ばれる中にあって、平成10年8月に北海道根室支庁内に、根室支庁管内一般廃棄物広域処理推進協議会が設置されている。その後、根室市がごみ処理施設の改修を図るなどをしたため、ごみ処理広域化の計画から離脱している。
そのため、平成13年4月に設置された根室北部廃棄物処理広域連合推進協議会、さらに現在の根室北部廃棄物処理広域連合は、別海町(16,178人)、中標津町(24,105人)、標津町(5,852人)、羅臼町(6,164人)の4町で構成される。※カッコ内の数字は、各町の平成21年6月末時点での人口。

3.ごみ処理施設建設地の決定まで

根室北部廃棄物処理広域連合のごみ処理施設は、最初の建設候補地選定から現在の建設地が決定するまでに約3年の月日を要している。
平成12年8月に別海町上風連地区が候補地として選ばれたが、その最大の理由は既存施設があったことだった。しかし、地域住民の強い反対運動や他の3町からの運搬コストが高いことが考慮され、計画は暗礁に乗り上げることになる。その後、平成13年6月に同じ別海町富岡地域に候補地が変更になったが、風評被害を懸念する漁協関係者から反対を受け、平成14年9月に断念。現在地の別海町平糸地区に正式決定したのは、平成15年7月のことだった。文字通り「3度目の正直」の計画となった。
平糸地区では特に大きな反対運動はなかったようであるが、これについては、周辺に民家が少なかったことに加えて、民間の産業廃棄物処理業者が既に施設を運営していたことも要因だったと思われる。

4.処理方式の決定まで

処理方式の選定については、平成13年4月に設置された根室北部廃棄物処理広域連合推連協議会の中に、大学教授などで構成(北海道大学教授3名、北海道環境科学研究センター科長1名)する根室北部広域化施設整備専門委員会と、4町の担当職員で構成する根室北部廃棄物処理広域化施設技術検討委員会がそれぞれ設けられ、検討作業に入った。
候補としては「ストーカー炉十灰溶融炉」「流動床十灰溶融炉」「ガス化溶融方式(キルン式、流動床式、直接溶融方式)」「ガス改質方式」が挙げられ、環境保全、経済性、維持管理性、安全性、施設計画、実用性、安定性、処理性能、資源保全性、地震対策、その他の10項目で総合評価を行った。
まず、メーカーヘのアンケートを実施した後、メーカーにプレゼンテーション(シャフト4社、流動床式5社、キルン2社 ※この段階で、ガス化溶融方式に絞り込みが行われていたものと思われる)を行わせ、流動床式ガス化溶融方式を採用するに至った。
流動床式ガス化溶融方式の特に優れている点については、①ごみの持つエネルギーを利用して経済的な溶融処理ができる。②約1300℃の高温で溶融を行うため、ダイオキシン類等の排出量の低減が図れる。③鉄・アルミ・が未酸化の状態で、溶融スラブも良好な状態で回収されるため有効利用が可能ということを、根室北部廃棄物処理広域連合の担当職員は挙げていた。

5.施設の概要

ここで、根室北部廃棄物処理広域連合のごみ処理施設の概要を見ていきたい。
①施設規模   62t/日(31tの炉が2基)
②建築面積   施設本体 – 4,605.52㎡
        スラグストックヤード – 384.42㎡
        廃ラップストックヤード – 495.36㎡
        車庫棟 – 30.80㎡
③総事業費   43億195万5,000円(平成16年8月着工~平成19年9月竣工)
④年間予算   6億9,416万6,000円(平成20年度)
⑤搬入量実績  1万2,175.06t(平成20年度・可燃ごみ)
⑥スタッフ   計38名
⑦余熱利用   館内に加えて、周辺の雪対策(ロードヒーティング)でも利用。
⑧公害防止基準 ばいじん – 0.02g/㎥N以下
        塩化水素 – 100ppm以下
        硫黄酸化物 – 100ppm以下
        窒素酸化物 – 150ppm以下
        一酸化炭素 – 150ppm以下
        ダイオキシン類 – 0.1ng-TEQ/㎥N以下

前述の通り、広域連合を構成する4町の人口は合わせて約52,000人であり、1つの自治体と考えても決して大きくはない規模である。そのため、炉の処理能力が61t/日(31t×2基)というのは「このタイプの炉としては、最も小規模と考えてよい」(神鋼環境ソリューションの担当職員)とのことであった。
年間予算を平成18年度から見ていくと、6億90万円(平成18年度)、5億6,208万6,000円(平成19年度)となっている。平成19年度と比較し、20年度で予算が急激に増えているのは、歳出の中の公債費が増加した(約9,000万円→約2債円)ことが主な要因である。
4町からの搬入量が、平成20年度は1万2,175.06tであったが、平成19年度と比べると(1万2,438.53t)減少している。これについては、ごみ減量化について特別な対策を講じた訳ではなく、当初の想定以上に人口が減少したためとのことであった。
この施設については、設計段階から施工、運転、メンテナンスまで一括して(株)神鋼環境ソリューションが担っている。スタッフの38名の内訳は、事務局職員7名、(株)神鋼環境ソリューション関係者31名となっている。運転については5名×4班、12時間勤務の体制である。
公害防止基準については、関係法基準より厳しく設定としている。また、周辺の自治会や関係団体との間で「公害防止協定」を締結し、年に4回ほど排ガス測定の結果を報告している。

6.根室北部廃棄物処理広域連合のごみ処理施設に見られる課題

流動床式ガス化溶融方式は、焼却したごみの中から良質な金属類や溶融スラグ等の資源を生成することができ、廃熱を利用した発電や熱供給も行いやすいことが高い評価を受けている。加えて、高温で燃焼させることによりダイオキシンの発生を抑制することから「夢のごみ処理施設」と呼ばれてきた(これはキルン、シヤフトを含めたガス化溶融方式全般に対する評価である)。
その一方で、可燃性ガスによる爆発事故が、試験運転中の炉だったとは言え発生したこともあり、安全欧を疑問視する声が問かれるのも事実である。この種の炉の運用については、非常に高度な知識・技能を有するとされている。
しかし、今回視察した根室北部廃棄物処理広域連合のごみ処理施設については、平成18年9月の試験運転開始以降、さしたるトラブルもなく運用されていることであり、安全欧に対する問題点は特に見当たらなかった。これについては、それ以前に全国各地で導入されてきた経験の中で、改善が図られてきたものと考えられる。
では、根室北部廃棄物処理広域連合のごみ処理施設において見られた課題には、どういうものかおるか。何点か挙げてみたいと思う。
まず、1点目に焼却後に生成される溶融スラブの再利用についてである。この施設では、全焼却ごみの約5%にあたる500t強のスラブが発生する。これについては、北海道コンクリート協会を通じて道路建設等に活用することになっているが、昨今の公共事業の削減の中で、当初の見込みほどさばけていないのが実情である。
2点目に挙げられるのが、耐火物の寿命についてである。代表的な溶融炉下部を見ると、1年程度での交換が余儀なくされる。民間企業等などでは4~6年程度で寿命を迎えるのと比べると極めて短い。「公共の処理施設の宿命とも言える」(神鋼環境ソリューションの担当職員)と語るように、公共のごみ処理施設の場合、メンテナンスのため一定期間、運転を停止する時期を設けなくてはならないため、耐久性が落ちることはやむを得ないことかも知れないが、そうしたものに対するコスト面での課題については、今後冷静に調査する必要があると感じた。※ちなみに、根室北部廃棄物処理広域連合では1年に1度、2炉同時に14日間程度運転を停止し、メンテナンスを行っているという。
3点目の課題は、施設の規模についてである。前述の通り、広域連合とは言うものの人口規模が小さい地域のため、施設についても大変コンパクトなものになっている。にもかかわらず、当初の予測ほどごみが搬入されていない現状を見ると、将来的な人口予測や施設の規模について、より冷静に検討する必要があったのではないかと考えざるを得ない。
また、関係法令よりも厳しい基準を課し、周辺住民に情報を公開していることを考えれば、課題とまでは言えないだろうが、排ガス測定について調査・公表が年間4回というのも、正直なところ疑問に感じる部分である。

7.所見

今年5月に、芳賀広域行政事務組合の機種選定委員会において、流動床式ガス化溶融方式が望ましいとの答申が出されたことを受けて、今回、同方式を採用している根室北部廃棄物処理広域連合のごみ処理施設を視察した。
今後、我々が注視すべき点について以下にまとめてみた。
まず、処理方式についてであるが、流動床式ガス化溶融方式についてであるが、安全性に対する懸念については、今回の視察で概ね払拭されたものと考える。ただし、運用に際して高度な知識・技術が必要であることに変わりはない。豊富な経験を持つメーカーを選定し、設計段階から施工、運転、メンテナンスまで一括して担わせることが何よりも肝要であると思われる。また、焼却後に生成される溶融スラグの再利用については、十分な引き受け先かおるのか。予測される生成量を算出し、検証する必要がある。耐火物の寿命等については、いずれの方式を採用しても出てくる課題と思われるが、流動床式ガス化溶融方式を採用した場合、寿命の長短、コストの高低について、他の方式とも比較すべき事項と思われる。
次に、施設の規模についてであるが、芳賀郡市1市4町をエリアとして見たとき、今後の人口変動によって、望ましい規模というのは大きく変わってくる。また、真岡市の場合、周辺の町と比べてごみ減量化の取り組みが遅れている状況にあり対策が急がれる。そうしたことも加味した上で、施設の規模については冷静な議論が求められる。
最後に、周辺住民との関係について述べておきたい。今回視察した根室北部廃棄物処理広域連合のごみ処理施設では、年間に4回ほど排ガスの測定と調査結果の公表を行っている。関係法令よりも厳しい基準を定めていることは高く評価したい。しかし、焼却するごみの内容物によって有害物質の多寡が変化することを考えれば、より調査の頻度を高め、常に最新の情報を住民に公開する配慮が必要ではないだろうか(調査・公表の頻度が高められない何らかの理由があるのかも知れないが)。ごみ処理施設はいずれの地域に建設されようとも“迷惑施設”であることに変わりはない。だからこそ、施設周辺の住民とは常に信頼関係で結ばれていなくてはならないと考える。
(文責:中村和彦)