新世紀・公明クラブ 
 会 派 視 察 研 修 


8月22日〜24日にかけて、中村が所属する会派「新世紀・公明クラブ」では、
岩手県盛岡市、宮城県仙台市へ会派視察研修へ赴きました。
@障がい児タイムケア事業
A百年の杜づくり事業
の2つがテーマでした。



 今回の視察では、下記の金額が公費でまかなわれました。
(3日間:議員一人あたり)   . 

総額 67,180 出所 政務調査費
内訳  交通費、宿泊費、相手先みやげ代
※ 当然のことですが、視察中の飲食代は、全て議員の自費負担です。



なお、視察の詳しい所見については、以下をご覧ください。




1.盛岡市障害児タイムケア事業視察報告

 盛岡市とは
  盛岡市は、南部家26代信直公の盛岡城築城から始まったと言われています。慶長2年(1597年)に鋤初(起工式)をしたと伝えられ、翌3年には豊臣秀吉から許可を受けて本格的に築城工事が始められた。
 それ以前は、坂上田村麻呂によって太田方八丁の地に志波城(803)が築かれ、大和朝廷の支配下におかれながら開かれていました。また、前九年の役(1051〜1062)の最後の決戦場が盛岡市の厨川の柵であり、源頼朝の奥州征伐(1189)もここで終了している。
 江戸時代は20万石の城下町として栄え、明治維新後、明治4年の廃藩置県により盛岡県、翌年に岩手県となり県庁が盛岡に置かれた。
 その後、明治22年(1889)に市制が敷かれ盛岡市が誕生して以来、岩手県の県庁所在地として、また、政治・経済・教育・文化の中心都市として発展し、昭和60年(1985)にカナダのビクトリア市と姉妹都市の盟約を交わし、平成元年には市制施行100周年を迎えました。人口は妬く29万人、第3次産業が80%という商業都市でもある。
 現在、新しいまちづくりの一環として、盛岡駅西口地区約36haと、この地区に続く盛岡南地区約445haの整備が進められています。盛岡駅西口地区には地域交流センタービル「マリオス」や盛岡市市民文化ホールが完成し、盛岡南地区にも、全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の水泳競技上となった盛岡市立総合プール、新築移転された盛岡市立病院などが完成している。
 盛岡市は北東北の交流拠点都市としてさらなる発展を目指し、平成18年1月10日には北東に隣接する玉山 村と合併し新・盛岡市が誕生する予定になっている。「活力に満ち、詩情あふれる新県都」の創造に向けて交流・安心・共生・創造のまちづくりを進めている。

 実施要項
1 目的
  障がいのある中高生が養護学校登下校後に活動する場について確保するとともに、障がい児を持つ親の就労支援と障がい児を日常的にケアしている家族の一時的な休息を目的とする。
2 実施主体
  この事業の実施主体は、市町村(特別区を含む。以下同じ)とする。
  実施主体は、事業の一部又は全部を適切な事業運営が確保できる社会福祉法人等に委託することができる。
3 対象者
  障がいのある中高生であって、原則として、日中において監護する者がいないことにより放課後や夏休み等の長期休暇中の活動が必要な障がい児とする。
4 事業内容
(1)デイサービス事業所、学校の空き教室等において、障害のある中高生等を預かるとともに、社会に適応する日常的な訓練を行う。利用時間は、原則1回3時間以上(送迎時間を除く)としている。本事業を利用している時間は、ホームヘルプサービスその他の居宅支援サービス等を利用できない。
(2)養護学校等からタイムケア事業実施施設まで、及びタイムケア事業実施施設から障害児の家等までの送迎サービスを必要に応じて行なうこととしている。
(3)事業は地域のニーズに応じて行なうこととし、月曜から金曜の間だけを行いては、原則、本事業の対象外とする。
5 施設及び設備
施設場所については、デイサービス事業所、学校の空き教室等の社会資源を活用し、活動に必要なスペースを破保しているものと市町村が認める場所で実施する。

 実施内容
1 盛岡市障害児タイムケア事業は平成17年7月1日から保健福祉部障害福祉課が実施している。
2 B型 5,250(国庫補助単価)  3,500回以上(年間利用見込回数)
3 盛岡市障害児タイムケア事業実施要項を定め、委託先事業所と契約締結して行なっている。
4 実施施設については支援費制度で、デイサービス事業の岩手県知事の指定を受けている事業所を実施施設とした。結果としてすでに同様の取り組みをしていた、二施設と委託契約を締結している。庁舎からは5キロメートル、8キロメートルにある施設であり、意志の疎通がしやすい施設と締結できている。
5 委託料は国庫補助基単価ら4,000であり、県と市が四分の一づつを負担する。
6 利用者負担額は日額1,000(月額上限2万円)であり非課税世帯及び生活保護世帯は無料としている。

 所見
 障がいを持っている子供たち及び親にとって望んでそのような体になったわけではないのですが、事実として受け入れ、強く生きてゆかなければならないのが現状なのであります。その受け皿を行政がそして地域がどのような形でバックアップ出来るのかによって、その地域に生活をしていて潤いのある福祉社会が構築できるのだと感じます。
  この障がい児タイムケア事業は県内において実施している自治体はありませんが、盛岡市の取り組みには敬服する点が多く見られました。その第一点は昨年国会において可決されていた事業に対して、県からの指導・モデル指定がされた訳でもないのに、新年度において予算化、実施に向けての件の動向を模索しつつ、県からのゴーサインに対してすぐに手を挙げて取り組みに入っていました。
  二つ目には素早く要綱等を作成し、市内事業者に対して受け入れの要望書を送付し、書類審査等のすべての用件をクリアし7月から実施に入っています。
  8月1日には35名の申し込みがありスムーズにスタートし、市民からの評価も高く、視察の申し込みも多数有り、福祉に対する先進な取り組みなのです。
  真岡市においても福祉に手厚い取り組みをしておりますが、まだまだの感があります。障がい者は生まれたばかりの赤ちゃんから年輩の人までさまざまな悩みを持ちながら生活をしております。特に21世紀を担う子どもたちに明るい将来・社会を託せるように日々努力が必要であり、執行部の一日も早い導入を期待したいです。

注 盛岡市では『障害児』と表示しておりますが、真岡市は『障がい児』と表示しています。



2.視察報告 仙台市『百年の杜づくり構想』について

1.はじめに
 真岡市では平成16年3月に『緑の基本計画』、さらに17年2月に『環境基本計画』を策定したことは記憶に新しい。特に『緑の基本計画』では、街路樹や都市公園の整備など、住空間の緑化を積極的に行なっていきたいとする方針が打ち出されている。
  しかし、市内の現状を見渡すと、計画通りにまちづくりが行なわれているのか、疑問に感じることも多い。街路樹を例に挙げてみても、「根が歩道のアスファルトを盛り上げ、通行人の妨げになっている」「交通標識や信号機を見るとき、成長した枝葉が視界を遮っている」など、市民から苦情をうけることが多くなっている。市ではこうした意見を受けた場合、指摘された木については極力切り倒すようにしている。
  こうした風潮は決して好ましいものではない。ただ木を植えて、都合が悪くなれば切り倒すような発想がある町において、自然を愛する市民意識の高揚などできる訳がないと私たちは思うのである。
  今回の視察では、東北地方の政治経済の中心でありながらも、『杜の都』と謳われている仙台市の取り組みを調査することによって、真岡市のまちづくりの参考にしていきたいと考えた。

2.『百年の杜づくり構想』の概要
 仙台市における都市緑化政策は、昭和50年に開始された『保存緑地制度』が出発点となっているようである。この制度は、民有地の森林について、1uあたり40円の固定資産税の減免処置を行い、売却・乱開発を防ぐことを目的としている。仙台市では30年前から、すでに緑の保全・創出に力を入れてきたことが分かる。
 今回の視察目的であった『百年の杜づくり構想』は、平成9年の代1回市議会定例会において、前市町藤井黎氏(当時:現職)が施政方針で初めて表明したものである。2年後の平成11年には『百年の杜づくり行動計画』を策定し、10の重点取り組み施策を掲げた。(設計は平成22年までの12年間)
 また、計画策定に呼応するかたちで、建設局内に『百年の杜推進部』を設置したことを注目に値する。真岡市の行政機構をみると、自然環境の保全は環境課、街路樹・公園の緑化は都市計画化と担当部署が分かれている。計画を単なる謳い文句に終わらせることなく、関係部署の連携を図りやすくするために、仙台市で行なわれた行政機構の見直しは、今後真岡市でも参考にしてもよいと思った。

3.『百年の杜づくり構想』の重点事業
 仙台市の『百年の杜づくり構想』には10の重点事業がある。その事業内容を以下に述べてみたい。

@市街地の『緑の回廊づくり』
 仙台駅を中心に半径2km程度の圏内を重点的に緑化を推進する地区とし、公共施設や道路、河川等の緑化を進めるとともに、民有地緑化(生け垣づくり助成、建築物緑化等)も推進させ、緑のネットワークを形成を目指している。
A市民による『百万本の森づくり』
 結婚、誕生等人生の節目を記念する植樹や企業・団体の社会貢献の一環としての植樹等、様々な機会を捉え、1年1万本を市民による植樹を進めている。
  各年度の実績は次の通りである。
   平成12年度:23,473本   平成13年度:20,640本
   平成14年度:22,389本   平成15年度:24,679本
   平成16年度:22,353本
 なお、植樹に際しては、市民意識の醸成をも目的としているため、市民の手で植樹ということにこだわっている。
B市民トラストの森
 イギリス発祥の『ナショナルトラスト』に類似した取り組みである。多くの市民が後世に残したいと願う森を募金等によって買い戻し、市民トラストの森として市民と協働で管理・活用していく。
 だが、現時点では緑地の現況調査を行なっている段階であり、具体的な取り組みまでは至っていないようである。
C屋敷林・鎮守の杜の保全
 生活の中にある屋敷林や鎮守の杜を対象として、その土地所有者と協定を結び、保全を図っていく。
 これについても、市民トラストの森同様に、緑地の現況調査をを行なっている段階であり、保全についての具体的取り組みには至っていないとのことであった。
D学校の森づくり
 地域のシンボルである小学校において、児童・生徒・教師・父母・地域住民の参加により、学校に森をつくる。どのような森にしていくかは、ワークショップで決められている。
 青葉区や泉区など郊外の学校から取り組んでいる。(実施済3校、実施中2校)
E建築物などの緑化
 民間の建物において、屋上や壁面等の緑化を推進するため、経費の一部を助成、技術情報の提供などを行なう。
F緑の名所百選
 緑に親しむ機会を増やし、既存の優れた緑を再認識してもらうため、公共、私有を問わず、日頃「緑の名所」と感じている所を推薦してもらい、市民選定員(公募)100ヶ所を選定してもらう。
 平成12年度に市民選考委員が100ヶ所を選定。13年度より、ガイドブックの作成、年に2〜3回の見学会を開催している。
G子供の自然体験学習林
 公園や市有地を活用して、小中学生と親を対象に、狩原医、間伐等の体験をはじめ、間伐材を利用した作品づくりなどを通して、自然や森林の大切さを理解してもらう。
H緑の相談所
 民有緑化を促進、支援するため、すでに設置されていた『緑の相談コーナー』を大幅に拡充し、市民のニーズに応じた活動を幅広く展開している。(平成16年度の相談件数:5,916件)
I市民緑の交流バンク
 緑に関するホームページを開設し、不要となった樹木、球根、種のあっせんや意見交換等、緑に関心のある市民相互の交流を促進する。(これまでの実績:譲渡希望役120件、成功50件)

 なお、仙台市ではこうした事業に関する予算(緑成費)に今年度は100億円を計上している。同市がいかに都市緑化に力を入れているかを物語っていると言えよう。(予算総額9,361億円 一般会計4,112億円)

4.今後の課題
 仙台市は、平成17年8月に、梅原克彦氏が市町に就任したばかりである。梅原氏は「市内の樹木を4年間で100万本植える」ことを選挙公約の中で掲げている。そのこと自体は決して問題ではないのだが、これまでの仙台市は、1年で1万本−100年で100万本の木を植えるという考えであった。これは、時間をかけながら、市民に自然を愛する意識を持ってもらいたいという思いからである。そうした従来の発想・計画との整合性をいかにして保っていくのか。当然のことであるが、市長が交代すれば市政運営の考え方が変わる。そうした中にあって、『百年の杜づくり構想』という長い期間を要する計画が、どのように継続されるかは、1つの大きな課題であると言えるであろう。
 また、『市民トラストの森』『屋敷森・鎮守の杜保全』など現況調査の段階でとどまっている事業についても、どのような具体的取り組みが行なわれるのか、今後の推移を見守りたい。

5.所見−むすびにかえて
 仙台市の『百年の杜づくり構想』を見ていくと、前回(平成17年1月)に会派視察で赴いた熊本県水俣市の環境政策に、非常に似ている部分があることに気がつく。それは「市民との協働」ということを謳いつつも、行政が仕掛けづくりに、積極的に関わっていることである。『百万本の森づくり』『学校の森づくり』『緑の名所百選』などは、市民が楽しみながら都市緑化の取り組みに参加し、緑の魅力を再発見するきっかけにもなっていることが容易に想像できる。今日、全国の自治体で「市民と行政の協働」ということが言われているが、内実は行政が市民に丸投げをするだけになってしまい、結果として事業そのものが立ちゆかなくなっているケースが数多く見られる。やはり事業が開始される時期は、行政が仕掛けづくりの部分で関わっていく必要があることを、行政の担当は肝に銘じるべきであろう。
 さて今回の視察は、真岡市内で近年、街路樹等が頻繁に切り倒されていることに対する疑問が出発点となっている。仙台市は『杜の都』と言われるだけに、大きく成長した街路樹が、市民はもとより訪れた人々の目も楽しませてくれる。では、仙台市において、街路樹に対する苦情はないのだろうか。
 「確かに、市民から街路樹に対する苦情はあります。でも、『切り倒せ』という意見はありません。仙台は、はじめに木があって、街ができて、その中で人が住んでいるという考えが、市民の中に根強くありますから」(百年の杜推進部緑化推進課 村上貞則課長)。正直、目から鱗が落ちる思いであった。それと同時に、仙台市がなぜ『杜の都』と謳われるのか、初めて理解できたような気がする。
 真岡市でも、仙台市の取り組みを参考としながら、市民が緑に愛着を持てるような事業の展開、意識の醸成に努める必要があるように思われる。





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