【11月2日】

1期・2期議員の有志8名で福島県南相馬市を視察した。今回のテーマは『公共交通のあり方』。

南相馬市の小高地区(旧小高町)では、小高商工会が運営主体となり、2003(平成15)年4月から、地区内にある2つのタクシー業者と提携して、『デマンド交通』を実施している。

当初は、住民からの要望を受けてコミュニティバスの運行が検討されていた。しかし、その後福島大学研究者からのアドアイスにより、『戸口から戸口まで送迎できる』ことや『初期投資が低コストで抑えられる』ことなどのメリットがあるとしてデマンド型の乗り合いタクシーを走らせる方針に切り替えた。

取り組みの概要であるが、利用者はまず『浮舟ふれあい広場』内にある情報センターに予約の電話をかける。それをオペレーターが受け、最も効率の良いルートを判断。

511 139迎えに行ける時間が利用者に知らされる。運行には、ジャンボタクシー2台とセダン型タクシー3台が用いられている。これはタクシー業者が用意をして、商工会が借り上げる(1時間につき2,150円)仕組みをとっている。

511 135511 133料金は『まちなか』『まちなか周辺』『東部・西部エリア』に分けられ、それぞれ100円、200円、400円と分けて設定している。運営費は年間2,000万円。運賃や広告収入(車内には各商店の広告が所狭しと…)のほか、半分は行政からの負担で賄われている。

利用者層は高齢者が圧倒的に多く、年間の利用者数は3万人前後で推移している。利用目的は病院が66%を占め、次いで商店が11%となっている。しかし、帰りの乗車場所は病院が51%、商店が30%となっており、利用者が病院へ行ったついでに中心部の商店

に足を運ぶきっかけをつくっていることが分かる。

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真岡市では平成20年度に『コミュニティバス』の試験走行を行った。また、現在『地域公共交通活性化協議会』が設置され、次世代の公共交通の在り方について議論が続いている。コミュニティバスの試験走行の結果を見る限り、高齢者などは停留所まで移動すること自体が困難であり(当時、祖母のヒザの状態が悪かったので、それは痛感していた)、利用者の視点に立てば『戸口から戸口まで』のデマンド交通の方がはるかに使い勝手がよいことは想像に難くない。

無論、既存のバス・タクシー業者の経営を圧迫するのでは…という懸念材料は残るが(小高地域はタクシー業者が2つだったため、きれいにエリア分けできたことも成功の大きな理由だった)、高齢者が今後確実に増えていく中で、その足の確保はそう遠くない将来、必ず克服しなければならない課題となる。南相馬市小高地区におけるデマンド交通の取り組みは大いに参考とすべき部分が多いと思われる。