【8月3日】

この日の午後、市民会館小ホールで『八月の会』が主催する『今、次世代に伝えたいこと』が行われた。

『八月の会』は、戦後60年を迎えた平成17年に結成。平和の大切さと戦争の悲惨さを後世に伝えることを目的としている団体で、現在私はこの団体で顧問を仰せつかっている。

毎年8月の第1土曜日に、戦争を体験された方からお話を聞くイベントを開催しており、空襲、原爆、特攻隊、シベリア抑留など、毎回切り口を替えているのが大きな特徴。

今回は『対馬丸事件と荒井退造』がテーマだった。

まず、真岡女子高校放送部の皆さんが『たじろがず沖縄に殉じた荒井退造』を群読。

その後、栃木市にお住まいの上野和子さんが『対馬丸事件』について講演を行った。

『対馬丸事件』は、昭和19年8月22日に、沖縄から疎開する学童などを乗せた船『対馬丸』が、アメリカの潜水艦に魚雷攻撃を受けて沈没をしたというもの。

資料によれば乗っていた1788人のうち、1476人が犠牲(うち779人が学童)になったという。

当時、沖縄で小学校の教員を務めていた上野さんのお母様は『対馬丸』に乗船し、学童達の引率をしていた。大半の教え子が亡くなった中で、数少ない生存者の1人だった。

栃木県出身で、終戦直前の時期に沖縄県の警察部長をしていた荒井退造は、沖縄県民の疎開を推し進めて約20万人の命を救い、今もその功績が讃えられている。しかし、その最中に起きたのが『対馬丸事件』だということを考えると、言葉に言い尽くせない悲しみがこみあげてくるのである。