議席番号18番、中村和彦でございます。私は、今定例議会に提出されております、議案第13号『真岡市国民健康保険税条例の一部改正について』に対して、反対の立場から討論をさせていただきます。しばらくの間のご清聴をよろしくお願いいたします。

 

真岡市における国民健康保険特別会計は、平成25年度に9,399万4千円の赤字となり、以降赤字額が増加の一途をたどっています。ちなみに、26年度の赤字額1億8,735万8千円は、県内25市町の中で最も多い数字となっています。

そうした中で、27年度と28年度は、前年度繰越金や国民健康保険財政調整基金を総動員して対応するものの、28年度はそれでもなお約2億円の財源不足が予測されています。

そこで、新年度は真岡市として初めて、一般会計からの法定外繰入金を導入させて1億5千万円。加えて今般の条例改正によって、新たに約5千万円の税収を確保させようとするのが、条例改正に至った経緯であります。

 

これらの要因につきましては、一般的に、被保険者に占める高齢者や低所得者の割合が高まっていること。さらに、医療費の上昇といったことが言われております。では、真岡市の国民健康保険の実情について見ていきます。

 

真岡市の国民健康保険税を加入者、いわゆる被保険者1人当たりの額として考えますと、10万2,115円。これは、県平均の9万8,500円を上回る数字です。

次に、国民健康保険税の収納率ですが、かつては84%台であったものが、現在は大きく改善されて89.8パーセント。これも、県平均の88.8%を上回っています。

一方、医療費の支出を見ますと、被保険者1人当たり28万9,103円。確かに税収を大きく上回ってはいますが、県平均の30万1,810円と比較しますと、1万円以上抑制されていることに気づかされます。

つまり、真岡市の国民健康保険特別会計は、県平均よりも高い保険税を、県平均よりも高い収納率で納めつつ、医療費の支出については、県平均よりも低く抑えている。一見すれば、優等生とも言えるのであります。

 

にも関わらず、栃木県内で最も赤字額を出しているその要因は何なのか。

それは、大変意外なことでありますが、真岡市の場合、国民健康保険の被保険者に占める高齢者の割合が他市町に比べて低いということが挙げられます。

現在、真岡市の被保険者に占める高齢者、65歳から74歳までとなりますが、その割合は33.65%であります。

二宮町との合併直後と比較しますと、約10%ほど伸びてはいるものの、他の自治体と比べると構成比としては低い。その結果として現れているのが、

主要施策等参考資料の86ページ、歳入の6番目の部分。前期高齢者交付金16億4,262万2千円でありますが、この部分が他市町と比べて真岡市は低くなっている。

それが、真岡市国民健康保険特別会計の運営を苦しくさせている大きな要因となっているのであります。

 

では、真岡市の国民健康保険を論じる上で、我々が最も焦点を当てていかねばならない対象とは一体何なのでしょうか。

それは、低所得者や非正規雇用の労働者といった方々であるということが見えてまいります。これは、製造業を中心に栄えてきた真岡市にような自治体とっては、まさに典型的な特徴とも言えます。

先ごろ行われた一般質問の答弁で、市長も述べられていた通り、現状において国民健康保険税滞納の要因の8割は生活困窮によるものであるということを仰っていました。

さらに、今後税負担の増加が顕著に見られるケースとして、比較的所得の低い40代の夫婦に子ども2人という2つの事例を挙げておられました。

 

今回の条例改正は、まさにそうした層に強い打撃を与えることになると言わざるを得ません。

応能割と応益割の比率が変わることも相まって、最もターゲットとなってしまうのは、少ない資産、低い所得、そして子どもが多くいる世帯なのであります。

 

現在、盛んに論じられている地方創生は、何のために行っているのでしょうか。

それは、若者が地域に残り、安心して働き、結婚し、子どもを産み、育てていける社会をつくることにほかなりません。しかし、そうした熱意にも冷水をかけることになりはしないかと懸念をする次第です。

 

さらに、懸念をしていることとして、新たな社会的コストの増大も挙げられます。

主要施策等参考資料の34~35ページをご覧いただきたいのですが、生活保護扶助費。これまでも、真岡市の保護率は、宇都宮市に次いで県内2番目の高さでありました。これも、非正規雇用の比率が高い地域に見られる典型的特徴ですが、28年度は今年度と比べても8,900万円ほど増加する見込みとなっています。

大変心寒い数字ですが、低所得者への税負担増は、結果としてこうした部分を増大させることにもつながっていくものであります。

 

したがいまして、この度執行部が税率の見直しをしつつ、収納率を91%に

目標を設定していることについても不確定要素が非常に多いと率直に感じた次第です。

そうならないことを、願うばかりでありますが、仮に10年前に税率が見直された直後と同様に収納率が2%下がってしまいますと、1%が2700万円から3000万円ですから、今年度と比べて税収減という事態にもなりかねないのであります。

では、どうすればいいのか。もう1度、主要施策等参考資料の86ページ上の方をご覧下さい。

国民健康保険税の増額は、この条例改正によって4,519万2千円を見込んでいます。この額が次年度の29年度に伸びる見込みが果たしてあるでしょうか。非正規雇用の労働者の収入が劇的に伸びるでもない限り、あるいは次の年度も条例改正するでもない限り、この部分が急激に伸びることは期待できません。

つまり、この度の条例改正によって得られる効果は、28年度も29年度も、概ね4,500万円程度の金額ということになります。

それに対して、市長が一般質問の答弁の中で述べておられた29年度の国民健康保険の赤字予測額は約4億円です。そのため、一般会計からの法定外繰入金に多くを委ねるという現実は残念ではありますが変わらないだろうと思われます。

こうした状況を改善させる取り組みとしては、ジェネリック医薬品の普及や、

健康指導の拡充をはじめとする予防医療の徹底、さらに保険税の収納率の改善ということが挙げられます。

しかし、それらは真岡市として、今回条例改正をする・しないということに関わらず早急に取り組まねばならない課題であります。

 

このように見ていきますと、生活弱者への負担を増やしてまで条例改正と税負担増を実施する意義はあるのか。甚だ疑問と言わざるを得ません。

執行部としては、国保運営に対する市民の関心を高めようという狙いもあったのではないかと推察いたしますが、それ以前に取り組むべきことは、市民に国保運営に対する協力を求めるための適切な情報提供ではなかったのかとも思う次第です。

 

ちなみに、今定例議会に提出されております議案第5号から第7号について。

これら3案が可決しますと、約5000万円の費用が新たに必要となります。

なぜ、一方では5000万円の費用が出せるのに、もう一方では、4500万円の費用が出せず、市民に税負担として求めているのか。私が、今なお理解に苦しむ部分の1つであります。

 

まずは、制度を現状にとどめ、税収増として見込んでいる部分についても一般会計からの法定外繰入金で対応する。そして、その一方で予防医療の取り組みなどを加速させていくことが、望ましいとは言い難いですが、現時点で考えられる最善の策であると考えます。

 

1人でも多くの議員に同意していただくことを切に願いつつ、私の反対討論を終了いたします。

ご清聴、まことにありがとうございました。