6月議会 中村の一般質問

答弁者:石坂 真一  市長      
田上 富男  教育長     
成毛 純一  総務部長  
石田 誠   健康福祉部長

一般質問

1.人口減少時代における取り組みについて

『日本創成会議』によれば、2040年の真岡市の人口を約6万7千人と予測している。
一方、2015年に真岡市が策定した『人口ビジョン』では、2040年人口目標約7万4千人としている。ただし、そのためには合計特殊出生率を現在の1.52人から、2.07まで上昇させる必要があるという。
この『人口ビジョン』の目標について、市はどのようなものと位置付けているのか。
人口を約7万4千人とする目標数値は、国勢調査や出生、死亡、転入、転出といった統計資料、市民アンケートによる意見などを分析し、算出したものである。
真岡市の各施策における効果により、約7万4千人の将来人口を目標としていく。
『人口ビジョン』の策定前に、真岡市は市民アンケートを実施している。
その際、20代・30代未婚者が『将来欲しい子どもの人数』として回答した平均値1.92人である。
今回の2.07人は、その数値をさらに上回るものである。この目標数値は、願望という意味を込めての目標なのか、何としてもクリアすべき課題と捉えているのか。
絶対ということではない。そこを目指すということで考えている。

私が議員になった翌年、2004年の合計特殊出生率1.41人だった。
その後、15年間にわたって様々な少子化対策と子育て支援策を進めても、上昇したのは0.1ポイントである。
ここからさらに0.5ポイント上げようとするならば、新たな少子化対策必要不可欠ではないか。
真岡市では、子ども医療費の拡充や乳児紙おむつの助成券支給などの経済的な支援、子育て世代包括支援センターによる相談業務に加えて、女性向け創業セミナーの開催や病児保育事業など子育てと仕事の両立に向けた取り組みも展開してきた。
今年度の新たな事業として『産後ケア事業』や『妊産婦検診診査の拡充』などを実施し、少子化対策を推進していく。

真岡市が取り組んできた少子化対策を振り返ると、多子世帯への経済的な支援については遅れていたように思われる。
例えば、子どもが3人以上産まれたら高額の出産祝い金を出している自治体も見受けられる。また、税制面での優遇も1つの方法と考える。
そうした取り組みも、今後検討すべきではないか。
出産や育児に伴う費用の負担は、出生率低下の一因と考えられる。
現在、真岡市では第3子以降に対して、5万円の祝い金を支給しているほか、保育料免除などを実施している。また、今年10月から予定されている幼児教育・保育の無償化において、対象外となる世帯(年収360万円以上で、兄弟が同時に在園していないケース)の第3子以降の副食費も、市単独で補助をしていく考えである。
今、触れていたような事業を進めても、合計特殊出生率の上昇は0.1ポイント程度である。
市民アンケートの結果を見ると、出産を躊躇する理由として、56.6%の市民が経済的な事情を挙げている。そうしたことを考えても、さらに新たな起爆剤となる施策が必要なのではないか。
確かに、子どもを産むことを躊躇する理由として、経済的な事情というのはあるかと思う。
しかし、一時的に金額を増やすことで、本当に出生率に影響を及ぼすのか
それだけでなく、教育など様々な分野を充実させることが必要ではないかと考えている。
今回申し上げたかったのは、合計特殊出生率を上げる/という難題に対して、市がどこまで覚悟をもって挑むのか、ということである。
今から約20年後の日本は、人口が毎年100万人近く減少するのと同時に『第2次ベビーブーム世代』が65歳以上となり、高齢者人口がピークを迎える。
『これで、日本の社会システムは維持できるのか』といった議論も、すでに総務省などを中心に始まっている。
ぜひとも、子育て世代の意見を反映させながら、人口減少に向けた取り組みを、これまで以上に果敢に、スピーディーに取り組んでいただきたい。

2.教育関係の諸課題について

今年度から、真岡市では教育相談体制を充実させるため『スクールソーシャルワーカー』を独自に配置した。
配置後2ヶ月が経過したが、現在の状況はどのようになっているのか。また、今後担うべき役割について、教育委員会ではどのように捉えているのか。
4月の配置以来、市内全小中学校を訪問して、児童・生徒の実態把握を行っているほか、児童相談所などとの連携を図っている。
また、不登校生徒の家庭を訪問し、当該生徒や保護者との面談も実施した。
今後、①教員や保護者に対する面談、②学校や家庭を訪問し、環境改善に向けた助言、③関係機関と家庭、学校との連携強化などが期待される。
先日、残念ながら真岡市でも児童虐待の事案が発生した。今後、そうしたことを未然に察知するためにも、スクールソーシャルワーカー役割は非常に大きいと思う。
従来からあった、臨床心理士やスクールカウンセラーが、子どもの内面に光を当てることが仕事ならば、スクールソーシャルワーカーは、子どもの人間関係光を当てていくことが仕事とされている。
そう考えると、関係機関とのネットワークの構築は欠かせない。そのような課題については、ぜひ教育委員会全体で取り組んでいただきたい。

コミュニティ・スクール』は、保護者や地域住民が、学校運営の基本方針を承認したり、教育活動について意見を述べたりできる制度を持った学校のことである。
これまで、各地の取り組みを視察したが、いずれの学校でも地域と学校の信頼関係が強化され、教員の多忙感解消や子ども達への指導力向上につながっている。
真岡市でも研究・議論すべき時期に来ていると思われるが。
栃木県内の『コミュニティ・スクール』の導入については、現在までに小山市をはじめ9市町の小中学校が指定されている。
2017年4月には『地方教育行政の組織及び運営に関する法律』が改正され『コミュニティ・スクール』の設置が努力義務となった。
今後、真岡市においても導入について調査・研究をしていきたい。
一時期、栃木県は『コミュニティ・スクール』の後進県と言われていたが、現在では9市町で導入が図られている。
それぞれの自治体では、自分達に適合した手法を取り入れている。そうした現状逐次調査しながら、真岡市にマッチした『コミュニティ・スクール』の制度を、1日も早く導入していただきたい。

『新学習指導要領』が、2020年度から小学校で、2021年度には中学校で全面実施の予定である。そうした教育の新しい流れを見ると、教育分野戦略を立てる部署の必要性を強く感じる。
不登校や特別支援教育など、専門性を問われる課題に対応するためにも『教育研究所』を設置すべきではないか。県南6市で自前の教育研究所がないのは真岡市だけだが。
真岡市では、2016年度から学校教育課に『指導係』を設置した。現在は7名の指導主事により、①授業改善の取り組みに具体的な方策を示すなど各学校への支援の充実化、②各種研修や事業の充実化、③児童・生徒の諸問題への迅速な対応などの効果を上げている。
今後も、指導体制の充実を図り、真岡市の独自性ある教育施策を展開していきたい。
今回指摘をしているのは、個々の授業の質的向上などではない。
新しいカリキュラムも増える中で、全体のバランスを考えながら、いかにして教育を進めるのかということである。
以前、このテーマについて質問をした際、教育長は『教育研究所』の必要性は認めつつ、
指導係を設置したばかりなので状況を見極めたいとの答弁だったと認識しているが。
戦略を立てることは、絶対的に必要であると考えている。真岡市の教育施策も、中長期の展望に立ったものである。
ただし、戦略を立てるのにも実態の把握などが必要となる。そのためには、教育研究所を設置するよりは、指導係が現場に出向き、多くの情報を収集した方がよいと思っている。
今年度、真岡市では市長部局で『総合政策課』が新たに設けられた。これは、戦略を立てる部署の強化が求められているからであり、教育委員会においても全く同じことが言えると思う。
他の自治体では『教育研究所』を設置しているところが多い。その点については、組織再編の際に再度検討していただきたい。

3.芳賀赤十字病院の跡地利用について

今年3月に芳賀赤十字病院の新病院がオープンしたが、その一方で忘れてならないのは台町にあった旧病院敷地の活用という課題である。
以前に質問した際、土地の所有者は日本赤十字社であるが、中心市街地の広大な土地であるため、市としても関係機関と協議をしていきたいとのことだった。現在までの進捗状況は
芳賀赤十字病院の跡地利用については、真岡市としても第11次市勢発展長期計画増補版に掲げる『高齢者・健康増進ゾーンの整備』の推進に向けて、庁内で検討を進めてきた。
活用の検討を進めている病院側の動向を注視しているところである。
『高齢者・健康増進ゾーンの整備』ということであるが、市が土地を購入した上で整備を進めることも視野に入れているのか。また、その可能性はどのくらいあるものなのか。
日本赤十字社については、全ての権限が本社にある。
真岡市として、中心市街地リノベーションの一環としての活用方法もあるということを伝えてはいるが、まだ日赤本社では意思決定をしていないという状況である。
跡地利用については、行政が主導する方法、民間に委ねる方法、そして行政と民間が協働で進める方法と様々だと思う
ぜひ、各地の状況も調査をしていただき、有効な活用をお願いしたい。

芳賀赤十字病院の跡地利用について、最も心配をし、最も今後影響を受けるのは、周辺に住んでいる方々である。
地元住民をも巻き込んでの情報共有の場は必要ではないのか。
芳賀赤十字病院との今後の状況により、跡地の取得が可能となった場合、必要であれば地元住民との情報共有を進めていきたい。
跡地利用で最も影響を受けるのが周辺の方々である。今後、地元にとって問題があるような施設の整備が決定されてしまうと、その後で騒いでも遅い話になってしまう。
だからこそ、こまめな情報共有は必要ではないか。
現時点において、日赤本社の考え分からない以上、慎重に対応しなければならない。
地元の方々が複雑な思いを持っていることは十分に承知している。しかし、簡単に情報を共有できるものなのか非常に難しい問題であり、ご理解いただきたい。

4.障がい者の生活拠点整備について

将来、障がい者親がなくなった後、さらには、障がい者自身が高齢化、重度化した際にも対応できるような住居の整備は、今後の大きな課題である。
以前の質問で、今後は市内だけでなく、近隣自治体に拠点を置く法人にも、整備に向けた協力を依頼していくとのことだったが、その後の進捗状況はどのようになっているのか。
現在、市内には4つのグループホームが、3つの社会福祉法人によって設置・運営されており、定員は20名である。
この1年間においては、状況の変化はない
『変わっていない』と答弁されて、それを是認する訳にはいかない。
どこかの法人ときちんと交渉はしているのか。そのあたりのプロセスを説明していただきたい。
現在、市内にある4つのグループホームに対して、施設の拡充について意向を聞いたところ、人材の確保や先行きの不安などから、新たな設置難しいとのことだった。
近隣自治体にあるグループホームについては、訪問して話を聞く計画であったが、昨年度はできなかった

この数年間芳賀地域の他町では、グループホーム整備が進んでいる
今後の整備に向けた考え方について聞きたい。
現在のところ、真岡市の利用者がグループホームのサービスが受けられない状況ではないが、引き続き事業者に設置の働きかけをしていきたい。
障がい者の『親なき後』という大変重要な課題を話し合っている。
今は大丈夫だからとのんびり進められては困る。他の自治体では進んできたものであるので、真岡市としても取り組みを見直していただきたい。
それと同時に、障がい者の入居施設について、今後制度の見直しも考えられるので、国の動向も見据えていただきたい

5.『第12次市勢発展長期計画』について

今年度は『第11次市勢発展長期計画』及び『増補版』の最終年度である。つまり、来年度は新しい『第12次市勢発展長期計画』の下で市政運営が進められることになる。
計画策定に向けて、昨年8月以降『市民会議』などもスタートしているとのことだが、今後のプロセスはどのようになっているのか。
計画策定については、①係長や課長による各階層のグループで素案を作成。その後、②副市長と部長などで構成する推進委員会で内容を協議し、③市長を本部長とする推進本部の審議を経て、計画の原案を作成する。また、公募による市民や各界の代表者23名による『市民会議』を開催していく。
計画案今年9月末を目途に策定した後、パブリックコメントを実施し、12月定例議会に議案として提出予定である。
協働のまちづくりということを考えると、市民を巻き込んだ計画策定というものが欠かせないと思う。
市民会議』については、何回くらいの話し合いを、どのような内容で行う予定なのか。
市民会議』は合計で4回予定している。内容については、素案が出た段階で1回、パブリックコメントを実施する前の段階で1回、さらに最終案ができてから『まち・ひと・しごと創生総合戦略』との絡みで2回の会議を予定している。
新たに策定される市勢発展長期計画において、前提となる人口予測は『人口ビジョン』に掲げた目標数値なのか、あるいは『日本創生会議』や『国立社会保障・人口問題研究所』などが出している予測なのか。
『まち・ひと・しごと創生総合戦略』と同時策定ということになるので『人口ビジョンがベースになると思われる。
先程の答弁では『人口ビジョン』の目標数値について絶対ではないとのことだった。
その目標数値を前提として計画を策定するとのことであるが、『人口ビジョン』の目標数値そのものを見直す可能性はあるのか。
現時点で変更の予定はないが、各種施策に基づきながら、どこまで人口増が可能なのか。そういう観点からの数値の調整はあると思う。

現在の『第11次市勢発展長期計画』は、井田前市長の時代である2015年に策定されたものである。その後、石坂市長に替わり、計画の増補版が誕生した。
つまり、今度の『第12次市勢発展長期計画』が、いよいよ石坂カラー前面に出た計画になる。新たに盛り込みたいと考えている施策は、現時点で何かあるのか。
少子化・高齢化への対応、進化を続けるICTの活用、魅力ある地域産業の推進、ワークライフバランスの推進などを積極的に取り入れ、若い世代が『真岡市に住みたい、働きたい、子育てしたい』と考え、誰もがわくわくするまちづくりの実現に向けて、市民と行政が一体となって取り組んでいけるような計画を策定していきたい。

真岡市が初めて市勢発展長期計画』を策定したのは昭和45年のことである。その後、時代の変遷とともに改訂を重ね、現在の第11次計画となっている。
しかし、本格的な人口減少時代、成熟社会を迎えた中で、総合計画の名称として今後も『市勢発展』という言葉を使い続けることがふさわしいのか大変疑問に感じる。今も『市勢発展』という言葉を用いているのは、県内14市の中では真岡市だけだが。
これまで真岡市は、農・商・工のバランスの取れたまちとして発展してきた。しかし、人口減少、超高齢社会の進展、防災意識の高まりなど、社会情勢は変化しており、時代の流れを的確に捉えることが求められている。
最上位の計画に『市勢発展』という言葉を使用するかどうかについては、策定委員会市民会議において検討していきたい
初めて『市勢発展長期計画』が策定された昭和45年の頃は、本当に右肩上がりで今後も伸び続けることが期待された時代だった。
その時代が長かったということもあり、人口減少時代となったにもかかわらず、個々の意識としてギアチェンジできていないというのが、今の状況ではないかと思う。
そうした中で、令和の時代に入った。ぜひ、新しい計画は、中身も名称も、新しい時代にふさわしいものになってもらえればと願っている。