酒井 勲 教育長
増山 明 産業環境部長
大関 正信 建設部長
一般質問
1.人口減少時代におけるまちづくりについて
しかし、『第11次市勢発展長期計画』の中では、『魅力と活力に満ちた農村対策』が目標として掲げられている。コンパクトシティを進めるにあたって、市街化調整区域の位置づけはどのように考えているのか。
コンパクトシティは、徒歩などで移動できる範囲を生活圏として捉え、必要な機能がバランス良く集約し、街なかへの居住を誘導する都市形態である。社会資本の整備や維持、管理にかかる行政コストを縮減し、持続可能なまちづくりを目指している。
しかし、地域の特性が失われ、既存集落の持続を危ぶむ指摘もある。今後、先進事例を検証し、真岡市に合ったコンパクトシティのあり方を研究することが必要と考えている。
真岡市では、平成23年11月からデマンドタクシーの『いちごタクシー』を、翌24年9月からコミュニティバスの『コットベリー号』を運行させてきた。
今後、こうした公共交通の充実化は必要不可欠であるが、市民の間からは増便や路線エリアの拡充を求める声が目立ってきている。
『地域公共交通網形成計画』を今年度から策定することとなっているが、具体的なスケジュールはどのようになっているのか。
6月24日の第1回協議会では、計画の骨子について話し合う。その後、市民意識調査を実施し、現在の課題を整理する。12月に第2回協議会を開いた後、市民へのパブリックコメントを経て、最終的に来年3月に予定している第3回協議会で策定していく。
これは、人口5万人以上で昼間人口の多い自治体を中心市として位置づけ、周辺自治体と協定を締結し、エリア全体で定住促進を図るものである。
この『定住自立圏』を形成している地域は、全国で90に及んでいるが(今年5月22日の時点)、真岡市でも導入の有無を含め調査・研究をすることは必要なのではないか。
『定住自立圏』については、これまで周辺の4町から具体的な提案はなかったので、現時点では考えていない。
2.教育関係の諸課題について
これらのテストでいつも議論となるのが、成績の公表の是非である。自治体や学校の単位の対抗戦になってしまうようでは本末転倒だが、市全体の状況(良い所やつまづいている所など)については、市民との情報共有化は必要なことと考えるが。
全国学力・学習状況調査 |
とちぎっ子学習状況調査 |
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小学生 | 調査対象教科:国・算 | 調査対象教科:国・算・理 |
国語、算数とも国・県の平均を下回っている。 | 県の平均とほぼ同程度。 | |
中学生 | 調査対象教科:国・数 | 調査対象教科:国・社・数・理・英 |
国語は国・県の平均より若干低い。 数学は国・県の平均より若干高い。 |
国語以外の4教科で県の平均を若干上回る。 |
という結果だった。
教育委員会では、児童・生徒の学習面や生活の様子についての調査結果を、広報紙やホームページなどで公表し、市民との情報共有化を図っていく。
この取り組みを行っている山口県山陽小野田市では、プロジェクト開始からわずか9カ月間で子ども達の知能指数の平均値が102から111に伸びるなど、大きな効果が見られたようだが。
また、教育委員会が計画している学力向上に向けた取り組みが何かあれば説明してほしい。
また、学力向上に向けた取り組みとしては、『全国学力・学習状況調査』で過去に出された問題を集約したチャレンジシートを、芳賀地区広域行政事務組合教育委員会と連携して作成し、今年度から活用を図っているところである。
現在、市内5つの小学校(真岡、長田、西田井、大内中央、久下田)で展開されているが、いずれの小学校においても、子ども達の読書量が増えるなど効果が見られている。
ただし、わが国の子ども達の学力で最も苦手な分野が『読解力』であることなどを考えると、できるだけ早急に市内全域で実施されるべき事業だと思うが。
今年度の実績も踏まえて、司書配置の方法と人数、費用などを検証した上で、今後の配置計画を検討していきたい。
現在、文部科学省では公立小中学校の約1割にあたる約3000校を目標に、調査研究事業を実施している。
この制度を取り入れた学校では、教員の事務量が軽減し、結果として学力向上やいじめの減少などの効果が見られているようだが、真岡市でも導入を検討してみてはどうか。
この制度は、保護者や地域住民などが、校長の求めに応じて学校運営に関する意見を述べることができるものである。
また、開かれた学校づくりを推進するために、学校支援ボランティアなど積極的に活用を図っているところである。
こうしたことから現行の制度を継続しながら、地域に根ざした特色ある学校づくりを進めていく。
それに加えて、真岡市内を見ると、日本女子ソフトボールリーグ1部で活躍している『ホンダ女子ソフトボールクラブ』や、都市対抗野球北関東大会に進出した『コットンウェイ硬式野球倶楽部』などが活動拠点としている。
こうした選手達から指導を受けることができれば、子ども達にとって大きな夢になるものと考える。特に真岡市では『総合型地域スポーツクラブ』が本格的に立ち上がる時期でもあり、各種スポーツチームと連携を深めるには良いタイミングと思われるが。
ホンダ女子ソフトボールクラブについては、同クラブの自主事業として年2回ソフトンボール教室を開催している。今後どのような連携を図れるのか、関係者の意向などを確認したい。
3.起業家の育成・支援について
また、起業家に対して経営指導や各種の相談業務を担う『インキュベーションマネージャー』を真岡商工会議所に配置させたが、当該職員の退職に伴い現在は空席となっている。
これらについて、できるだけ速やかに対策を講じ、起業家が活動しやすい環境を整えるべきではないか。
この計画に基づき新たな活動拠点を検討してきたが、当面の措置として、真岡商工会議所内で『MOP21』を再開し、今年8月から入居者を募集する。
また『インキュベーションマネージャー』の配置については、真岡商工会議所の職員が、今年度中に資格を取得する予定となっている。
再 質 問
市街化調整区域のあり方について
宇都宮市、足利市、栃木市などでは規制を緩和する条例が制定されているようだが、真岡市ではなぜそうしたことができないのか。
市街化調整区域については、現行通りということで考えている。
そもそも市街化区域と市街化調整区域の線引きを変えられない理由は何なのか。
もしも変えてしまうと、まちづくりのあり方が根底から崩れてしまう懸念がある。
市街化調整区域のあるべき姿について先進地を調査研究していきたいとのことだったが、今後どのようなタイムスケジュールで検討していくのか。
また、コンパクトシティという考え方については、中心市街地だけではなく、市街化調整区域の中でも進めていかなければならないと思っている。
定住自立圏について
周辺の町とチームプレイで人口流出を食い止める取り組みがあって然るべきと考える。定住自立圏については、真岡市から積極的にアプローチをしてもいいのではないか。
コミュニティスクールについて
しかし『校長の求めた時のみ意見が述べられる』学校評議員制度と、『一定の権限と責任を持って会議が開かれる』コミュニティスクールでは、明らかに違いがある。
教育委員会としては、これまでコミュニティスクールについて、どのような調査研究をしてきたのか。
また、学区評議員の制度を見直すべきとの声がないこと、さらに現時点においても、コミュニティスクールを導入している学校は全国の1割に満たないため、評価が一定化されていないので、冷静な見極めが必要と考えている。
コミュニティスクール導入の効果は、教員の事務量軽減、さらに学力向上やいじめの減少などとされているので、そういったものはもっと積極的に調査研究をしていただきたい。
起業家の育成・支援について
引き続き、市と商工会議所が連携しながら、安価に貸し出せる物件を探していく。
できるだけ早急に整備を進めていただくよう要望する。
また、現在真岡市でも課題となっている、空き家、空き店舗、さらには空き校舎の活用策としてもお考えいただければと思う。