2月議会 中村の一般質問

答弁者:井田 隆一 市長
酒井  勲 教育長   
中里  滋 総務部長  
成毛 純一 市民生活部長
増山  明 産業環境部長
上野 雅史 収税課長  

一般質問

1.国民健康保険の運営について

今回の定例議会では『真岡市国民健康保険税条例の一部改正について』が執行部から提出されており、この議案が可決されると、真岡市では10年ぶり保険税率見直されることになる。昨今、国民健康保険制度は、被保険者に占める低所得者や高齢者の割合が高まったことで、財政が逼迫しやすい構造にはなっていたが、今回の見直しについては要因・背景どのように分析しているのか。
国民健康保険特別会計は、被保険者が平成21年末から5年間で7.5%減少し、保険税収入額の減少が続いている。一方で、高齢者25.6%増加するなど高齢化が進み、高額医療費34.6%増加するなど医療費給付が増加している。その結果、平成25年度に約9400万円の赤字となり、以降赤字額が増加している。今後、平成28年度2億円29年度4億円程度の財源不足になる見込みであり、庁内でも慎重に検討したが、税率の見直しが必要と判断した。
保険税率を見直す前提として、収納率改善のための努力最大限図られていたか問う必要がある。そうでなければ、真面目な納税者が損をする形となってしまい、税体系の信頼崩壊にもつながりかねない。滞納者の現状はどのようになっているのか。また、収納率改善のためにこれまで行ってきた取り組みとは。
国民健康保険税の滞納者数は、平成28年度2月16日現在3924人(過去分を含む)で、滞納の理由は生活困窮8割強を占めている。収納率改善の取り組みとしては『徴収嘱託員による徴収・納税指導』、『部課長・担当職員による一斉納税指導』、『被保険者資格証明書や短期保険証の発行』などを実施している。また、納税に対する誠意がないと判断をした場合、財産差し押さえなども行っており、平成26年度302件執行し、換価金額の約2000万円を滞納額に充当した。
10年前に保険税率見直した際、それ以前はキチンと納税をしていた市民が、金額が大きくなったことで滞納するというケースが少なくなかった。結果として収納率が低下したのだが、そうしたリスクについては、新年度の予算編成にあたってどこまで織り込まれているのか。
保険税の引き上げ額が大きくなると、収納にも影響が出ることが懸念されるため、今回は一般会計からも約1億5000万円繰り入れを行う予定である。前回の保険税率見直しでは、被保険者1人あたり約20%の増額だったが、今回は平均で約5%の増加にとどめている。また、国民健康保険税は『応能割合』(加入者の所得や資産に基づく)と『応益割合』(加入者1人あたりの均等割と1世帯ごとの平等割)で計算される。国の指針では50:50とするよう求めているが、今回はそれに近づかせて収入が増える流れになると考える。
今回、低所得者に対する減免措置についてはどこまで拡充されるのか。また、それとは逆に、この保険税率見直しによって負担増が顕著となるケースは。
所得が基準よりも低い世帯の場合、その所得に応じ7割・5割・2割軽減される。平成28年度における税制改正の大綱では、そのうち5割2割軽減対象世帯拡充されることになる。一方、負担増が顕著となるケースは、以下のような世帯である。
40歳の夫婦に子ども2人資産割がなく合計所得が150万円 ⇒ 保険税が年額24万7,000円から27万8,100円に
64歳の夫婦と40代の夫婦に子ども2人資産割がなく合計所得が400万円 ⇒ 保険税が年額61万1,600円から66万5,300円に

交通弱者の移動手段の確保について

子ども発達支援センターひまわり園では、障がい児の保護者が仕事などにより子どもと向き合うことができない時のために『放課後等デイサービス』を実施している。しかし、子ども達が通う学校からひまわり園までの移動手段が確保されていない。規則では、子ども達の送迎は保護者が行うとされているが、このサービスがどういった場面で必要とされるものかを考えると、制度としての不備を感じるが。
ひまわり園の『放課後等デイサービス』を利用する児童の送迎については、これまでも保護者から要望があり、施設を運営する社会福祉協議会でも検討をしてきた。さくら作業所の利用者送迎用のバスが活用できないか検討されたようが、利用時間が重なることから現状では困難とのことであった。今後どのような方法があるか検討をしていく。
平成27年度に真岡市では『地域公共交通網形成計画』を策定したが、その内容を見ると、市民から要望の多いコットベリー号運行コース便数などの見直しについて触れられていない。今後どのように検討を進めていくのか。また、いちごタクシーの運行コースを見ると、総合運動公園などのスポーツ施設含まれていない。高齢者がスポーツをする機会を増やすためにも、スポーツ施設を加えてはどうか。
コットベリー号の運行コースや便数の見直しについては、平成30年度に予定されている芳賀赤十字病院移転に対応するため、市民のニーズや利用状況などを勘案しながら検討していく。いちごタクシーについては、主に中心市街地にある医療機関や商業施設への移動手段として想定している。総合運動公園などを目的地に追加した場合、中心市街地から離れていることから効率的な運行が困難になることも予想される。いちごタクシーの目的地の追加については、利用者の意見などを参考としながら検討していきたい。

雇用の創出について

起業家の支援策を進めるために、これまで真岡市では『創業支援事業計画』を策定し、創業セミナーの開催、活動拠点の整備、相談窓口の開設などに取り組んできた。平成28年度については、どのような事業を展開していくのか。また『まち・ひと・しごと創生総合戦略』の新規事業として、『チャレンジショップ支援事業』が盛り込まれた。空き店舗対策として有効と考えるが、現時点ではどこまで検討が進んでいるのか。
これまで行ってきた事業に加えて、平成28年度は真岡商工会議所内に『ワンストップ相談窓口』を設置して起業家の掘り起こしと育成を図っていく。また、起業者向けに限度額500万円創業資金を用意し、資金面での支援を行っていきたい。また、『チャレンジショップ支援事業』については、平成29年度開設に向けて準備を進めていく。28年度は貸し手に対してアンケートを実施し、意向を確認するとともに、空き店舗バンクへの登録(現時点での登録は2件)を促していく。
クラウドソーシング』は、インターネットを活用して仕事の受発注ができる仕組みである。自分のライフスタイルに合わせて仕事ができるため、新しい在宅ワークの形として注目されている。足利市では、平成27年度から『クラウドソーシング実証事業』をスタートさせ、市民を対象とした講習会の開催や相談窓口の開設などを行っている。子育て中の主婦などが活躍できる場の創出策として、真岡市でも検討をしてはどうか。
クラウドソーシングは、時間と場所を選ばずに自分のスキルの応じた仕事ができることなどから注目を集めており、市場規模が拡大している。インターネットのマッチングサイトを活用した発注者と受注者の業務委託の形態であるが、民間事業者自ら普及を図ることが適切である。そのため、真岡市としては現時点での取り組みは考えていない
12月定例議会の一般質問でも取り上げたが、これまで芳賀郡市1市4町広域行政事務組合の中に教育委員会を設けて、教員の研修や教科用図書の選定などの業務を共同で行ってきた。それが平成28年度に解散し、受け皿として真岡市教育委員会の中に指導係』を新設することとなった。この係に配置される人員、果たすべき役割をどのようなものと考えているのか。
真岡市教育委員会に新設される『指導係』には、(現役の教員でもある)指導主事を6名配置する。果たすべき役割としては、芳賀地区広域行政事務組合教育委員会が行ってきた業務である学習指導、教員の研修、教科用図書の選定のほか、児童・生徒の学力・体力の向上英語教育の推進などの課題ついて真岡市独自に検証するとともに、各研究分野の充実を図っていく。
真岡市では、一昨年から市内5つの小学校専任司書配置する『学校図書館充実化研究事業』が展開されてきた。それが平成28年度からは、対象全小学校に拡大する。ただし、小学校18校に対して、配置される司書5名というのが非常に気になった。今後どのような体制で子ども達の指導を行っていくのか。また、専任司書の配置に合わせて、学校図書館における蔵書の充実化についてはどのように考えているのか。市立図書館と連携して、移動図書館に類似した取り組みを行うのも1つの方法と考えるが。
平成30年4月学校統合見据え、28年度の計画では、市内小学校18校を学校規模により5つのグループに分け、司書1名3~4校を受け持ち、1校あたり週1~2日巡回する。学校図書館の蔵書の充実については、平成26年度の時点で市内全ての小中学校において、文部科学省が定めている標準札数を満たしている。今後とも専任司書司書教諭市立図書館などが連携を図りながら、子ども達に提供する図書の充実化を図っていく。

再質問

国民健康保険の運営について

栃木県のホームページを見ると、県内各市町国民健康保険財政状況が公表されている。これによると、最大の赤字額を出しているのは真岡市となっている。しかし、国民健康保険税の1人当たりの負担額では、真岡市は県平均よりも高い部類に属する。税率の見直しを進める前に、改善を図るべき部分があったのではないか。
庁内で検討を行った際、給付を抑える施策として『健康診断の充実』、さらには過去のデータを参考にして『予防対策』を計画的に進めていきながら、収納率上げる取り組みも一層強化させていくことにはなるが、それでも保険税率見直しは必要だろうという結論に至った。
予防医療』の必要性については、これまでも数多くの議員が指摘している。そうした取り組みは、もっと早くやるべきではなかったのか疑問に感じる。また、89.8%という収納率についても、以前と比べれば改善は図られているが、佐野市など90%を超える自治体があるのも事実であり、保険税率を見直す前に改善を図ろうという議論はなかったのか。
現在の89.8%という収納率については、このままで良いというものではなく、今後も高めていけるよう努めていくということで議論をしている。ただし、一気に上げていくことは難しいと考えている。
収納率向上という観点から、財産の差し押さえについても伺いたい。県内他市に聞き取り調査をしたところ、国民健康保険の財政規模が真岡市の2倍程度の複数の自治体で、差し押さえ件数が400〜500件金額が2〜3億円とのことだった。財政規模から考えても、真岡市は差し押さえの金額少ないように映るが。
差し押さえを行う場合、金額は財産の内容によって異なるため変動が大きくなる。また、差し押さえの件数や金額が他市に比べて少ないということになるが、真岡市の場合は、滞納者への対応として『自主納付を原則として納税指導を行っている。【要望】自主納付を促すということは、当然ながら必要なことだとは思う。また、生活困窮者に対する人道的な視点も忘れるべきではない。しかし、真面目な納税者だけ負担増になる仕組みであってはならないので、納税のあり方については、さらに議論を重ねていただきたい。
今回、真岡市しては初めて一般会計からの法定外繰入金(約1億5000万円)を活用する。確かに、社会保険の加入者もいる中で公平性の面から疑問はあるが、社会保険加入者もいずれは国民健康保険に移行することや、子ども医療費助成の拡充を図ると国民健康保険に対する国の補助が削減される現状などを考えると、やむを得ない部分もあると考える。ちなみに、県内他市を見ると、より多くの額を法定外繰入金として投入しているケースもあるようだが。
名称は『国民健康保険税』ではあるが、現実的には『相互扶助』の精神に基づくものであり、それぞれの収入に応じて税負担をしていただくことが大前提と考えている。したがって、一般会計から財源を投入することについては、決して良しとしている訳ではないが、高齢化率が高くなっている状況では、やむを得ない部分もあると考えている。今後もこうした状況は続くと予想されるが、改善させるには収納率を高め、医療費をいかに削減できるかだと思う。

いちごタクシーの運行コースについて

医療費の削減という話が出たが、そのためには高齢者がスポーツに親しむ機会を増やすことは重要と考える。いちごタクシーの運行コースに、総合運動公園などのスポーツ施設を加えることは、中心市街地ではないから難しいとのことであったが、中心市街地のみをコースにして欲しいと市民は望んできた訳ではない。また、運行上混乱を招くというが、そうならないために予約センターを設置しているはずではないのか。
現時点でも、運行時間の変更余儀なくされるケースがかなりあり、いちごタクシーのニーズが多いと感じている。また、いちごタクシーの利用状況を見ると、医療機関と商業施設だけで90%になる。ただし、台数を増やすと民業圧迫の部分もあり、民間事業者の理解が得られなければならないので、現在の台数で運行していくしかないと考えている。【要望】東日本大震災の半年前に、デマンド交通の成功事例だった福島県南相馬市の取り組みを視察したが、やはり同市でも当初は民業圧迫という批判があったが、時間をかけながら民間事業者にもプラスになる方法考えていったようである。ニーズが多いのであれば台数の増加も考えるべきであるし、それは民間事業者にもプラスになる部分もあるはずである。また、最終的には医療費の削減にもつながるものと思われる。

クラウドソーシングについて

1世帯の平均所得は1994年をピークとして140万円子どもがいる世帯でも90万円下落している。そういう状況の中で人口減少問題を論じているのが、今日の地方創生である。仕事がしたくてもできない主婦などに仕事を増やしていく、所得を増やしていくような取り組みは、まさに地方創生の一環として自治体がやるべきであり、民間の事業者に委ねるようなことではないと思うが。
やってもいいと思うが、期待感だけ膨らませても意味がないと感じている。まずは状況を見極めていきたいと思う。
遠い県でやっている取り組みではないので、足利市の状況について担当職員を派遣して、色々と調査していただければと思う。

学校教育課における『指導係』の設置について

12月定例議会でも取り上げたが、県内他市では『教育研究所』として設置している。一方、真岡市では今回あえて組織を『指導係』とした。名称はともかく、機能面で他市に比べて欠落しているものあってはならないと考えるが。
これまで40数年間にわたって、広域行政事務組合で行ってきたものを、平成28年度から真岡市単独で対応するため、現時点では6人の指導主事という体制で、どのように業務を進めていくのか検討しているところである。もう少し時間をいただかないと、組織の役割や規模などについて具体的な答えは出てこない。今後議論を重ねながら、、真岡市の独自性を考えていきたい。

学校図書館への専任司書の配置について

『指導係』については、一朝一夕で解決できる課題ではないということは理解した。それと同様のことが言えるのが、学校図書館への専任司書の配置ではないだろうか。当初配置されるのが5名である理由として、人材育成に時間がかかるということも大きいのではないかと推察するが、そうなると新年度に5名の司書が確保できるのかについても懸念されるが。
5名については予算を計上しており、研修を重ねてより高度な司書の業務ができるように検討をしている。