6月議会 中村の一般質問

答弁者:井田 隆一 市長
田上 富男 教育長
佐藤 厚  健康福祉部長
関 康雄  建設部長
添野 郁  教育次長

一般質問

1.公共施設等のマネジメント及び跡地利用について

真岡市では、昨年度から『公共施設等総合管理計画』の策定を進めている。
人口減少時代を迎えた中で必要なものであることは信じて疑わないが、公共施設の再編も視野に入れたこの計画は、慎重に議論を進める必要があると考える。
計画策定に向けた進捗状況と今後の見通しはどのようになっているのか。
昨年度は、真岡市が所有する全ての資産価値を把握し、固定資産台帳を整備した。現在、真岡市が管理する施設数は280ヶ所(建物棟数は779)あり、将来必要となる維持管理費の見込みを現在行っているところである。
今後は、まず7月から庁内の検討委員会で管理方針などを協議。8月下旬以降市民アンケート来年1月パブリックコメントを実施し、3月までに計画策定する予定である。
平成30年4月に、市内4つの小学校(山前南、東沼、中村東、中村南)が廃校予定である。今後、学校施設の利活用について議論されるとは思うが、そもそも廃校後の学校施設はどのようなものにまで転用が可能なのか。
また、4つの小学校は、全て市街化調整区域に位置しているが、都市計画の線引きの変更は可能か。学校施設は広さも限定的なので、都市計画法の言う『無秩序な市街化』には当たらないようにも思えるが。
学校施設は廃校手続きを完了すると、行政財産から普通財産に移行する。普通財産は民間への売却貸付も制度上は可能となる。今回、廃校予定の4校は、市街化調整区域にあるため、開発行為の規制など様々な課題に直面すると思われるが、社会教育施設社会体育施設福祉作業所などいくつかの可能性が考えられる。
なお、4校の敷地が1.7~1.9haと小規模であり、真岡市が進めてきた計画的かつ効率的なまちづくりという考え方と異なるため、都市計画の線引きを変更は考えていない
芳賀赤十字病院が将来的な跡地利用について、昨年9月の定例議会で行政、日赤関係者、地元住民などによる協議機関を設けるべきと提案したが、答弁では『跡地利用は、土地の所有者である日本赤十字社が決定すべきもの』とし、協議機関を設ける考えはないとのことだった。しかし、中心市街地にある広大な敷地(2.1ha)の利活用について、行政が全く口を挟まないという姿勢はいかがなものか
芳賀赤十字病院の土地及び建物は、日本赤十字社の所有であることから、跡地利用については同社が検討し、決定すべきものである。
真岡市としては、行政、日赤関係者、地元住民などで構成する協議機関を設ける考えはない

2.福祉分野の諸課題について

真岡市は、生活保護率県内14市の中で2番目の高さにあり、今年度も当初予算で13億7千万円が計上され、対前年度比で9千万円上昇している。
受給者を年齢層で分けると、20~50代減少傾向にあるが、65歳以上大幅に増加し、受給者全体の数をも押し上げているのが分かる。
真岡市は、他市と比べて高齢者の割合が低いにも関わらず、このような傾向が見られることについて、どのように分析しているのか。
今年3月末に時点で、真岡市において生活保護を受けている624世帯のうち、高齢者のみの世帯は274世帯で、その割合は44.1%となっており、5年前と比べて97世帯、9.1%増加している。その要因については、疾病や定年などによる失業で収入が減少したこと、身寄りがなく預貯金などが底をつくなどが考えられる。
今後の対策としては、就労可能な高齢者については、就労支援員ハローワーク連携し、経済的自立に向けた援助をしていく。
真岡市は、脳卒中の死亡率県内でも悪い地域の1つである。また、今年度から国民健康保険税が見直されるようにもなった。そうした中では、予防医療の取り組みを加速させる必要があり、一昨年10月に真岡駅前にオープンした『まちなか保健室』のような施設を増やすべきと考える。
今年度、2ヵ所目の『まちなか保健室』が田町に整備予定であるが、現在までの進捗状況はどのようになっているか。また、今後市内各所に整備する計画は
『まちなか保健室』の整備に向けては、地元の方々の協力が不可欠である。そのため、今年2月から3月にかけて、田町の自治会役員に対して説明会を開催し、協力をいただける旨の回答を得た。現在、田町区内の空き店舗について内諾をいただいたので、年度内の開設を目標に準備を進めている。
市内各所に整備することについては、市民が健康相談を受けられる環境の整備は必要であり、中心市街地の活性化にもつながるので、将来的に増やしていきたいと考えている。
地域生活支援拠点』は、障がい者が親亡き後も地域の中で安心して暮らしていけるよう、住居と相談機能を兼ね備えた施設である。
現在の計画では、平成29年度末までに芳賀地区内1ヶ所以上整備する方針であるが、保護者としては『できれば真岡市内に』という思いではないだろうか。
1市4町の話し合いはどこまで進んでいるのか。
昨年10月から、と芳賀地区1市4町で体制整備に向けた話し合いを開始した。
その後、管内の福祉団体や福祉関係事務所なども交えた『芳賀地区自立支援協議会』において、具体的な協議を進めている。
真岡市に設置するかどうかについては、現時点では未定だが、中心的役割を果たしながら話し合いを進めていきたいと考えている。
現在、我が国では18歳未満の6人に1人が貧困状態という報告もあり、『子どもの貧困』が大きな社会問題となっている。真岡市でも昨年度、この問題に関して264件の相談があったとのことであり、対策が急がれる。
そうした中、国が『地域子供の未来応援交付金』というものを創設した。『子どもの貧困』解消に向けて支援計画をつくった上で、地元の企業やNPO、自治会などと連携した事業を行った場合に支援が受けられるものだが、真岡市で活用する考えはあるのか。
『地域子供の未来応援交付金』は、今年2月の補正予算により内閣府が創設したものである。
この交付金が活用できる事業として、『子どもの貧困』解消に向けて地域のネットワークを構築するための『整備計画の策定』や『コーディネーターの登用』が挙げられる。
現在までのところ、交付金の申請を行ったのは全国9市1町であり、真岡市でも活用が図れるか先行事例調査・研究していく。

3.教育長就任の抱負について

全国各地で行われている学力向上に向けた取り組みを見ると、子ども達の生活リズムの見直しや教員の多忙感解消など、アプローチの仕方も様々なようである。教育長は具体的にはどのような手法で、子ども達の学力を向上させるつもりなのか。
また、4月19日に『全国学力学習状況調査』(小6、中3対象)、『とちぎっ子学習状況調査』(小4・5、中2対象)が行われたが、子ども達の学力の状況について市民との情報共有化を図る考えは。
子ども達の学力向上を図るためには、教師の授業力向上が何よりも大切と考える。
そのため、教員の研修会を充実させるとともに、各校において教科研究会など校内授業研究会を積極的に取り組んでいく。特に今年度、教育委員会の指導主事6人体制になったので、指導主事を校内授業研究会に派遣していく。
また、児童・生徒の学力の現状について、広報紙やホームページで昨年公表したが、市民との情報共有化を図るため、今年度も同様の取り組みをしていく。
昨年度、真岡市内の中学生不登校率5.17%だった。これは、県内の自治体の中でも不登校率が特に高かった13年前4.40%よりも高い
無論、この課題は割合の上昇・低下だけで論じられるほど単純なものではない。全国を見るといじめが原因で不登校になった生徒に学校復帰を促した結果、自殺という結果を招いたケースもある。
教育長は、不登校の課題についてどのような方針で臨むのか
不登校への対応は、初期対応が極めて大切であると考えている。児童・生徒に不登校の兆候が見られた場合、学校は保護者と連携するとともに、家庭訪問や電話、手紙などで継続して根気強く対応できるよう積極的に支援していきたい。
真岡市では、学校から提出される『個別支援票』をもとに1人1人の状況把握に努めるとともに、心理相談員スクールカウンセラーなどと連携しながら、不登校数の減少に取り組んでいきたい。
昨年12月、民生文教常任委員会のメンバーと特別支援教育に携わっている先生方が意見交換をする機会があったが、いずれの先生方からも『今後の大きな課題は、軽度の発達障害を持つ子ども達への対応である』という意見が異口同音に出された。
しかし、真岡市の現状を見ると、発達障害の子ども達を対象にした通級指導教室があるのは、真岡東小学校真岡中学校2校のみである。今後増設させる考えはあるのか。
通級指導教室については、児童・生徒が年間10人以上通級することや拠点校であることなどの設置基準がある。入学前後の子ども達の実態を的確に把し、必要な基準を満たした場合は、設置許可者である県に申請をしていきたい。
また、次項の特別支援教室で通級による指導も受けられるほか、障がいの特性によってはチーム・ティーチングなどの方が向いている場合もあり、適切に対応していきたい。
5月27日、アメリカのオバマ大統領広島訪問するという歴史的出来事があった。
昨年、戦後70年という節目を迎えたが、戦争経験者の高齢化が進み、戦争の悲惨さを語り継ぐことが難しくなってきている。それは、原爆についても例外ではなく、オバマ大統領のスピーチにもあったように、いずれ被爆者の話を聞くこともできなくなる
昨年9月の定例議会でも取り上げたが、8月6日に行われる広島の平和記念式典に中学生を派遣してはどうか。昨年は栃木県内でも7市3町182名が派遣されているが。
市内小・中学校では、社会科の授業で原爆によって亡くなっただけでなく、後遺症によって苦しんでいる人々がいることを学習している
また、戦争体験者の話を聞く取り組みも行っており、戦争の悲惨さや平和の大切さを児童・生徒に深く考えさせている。
このようなことから、広島の平和式典への中学生の派遣考えていない

再 質 問

統廃合に伴う小学校の将来的な跡地利用について

廃校が予定されている小学校について『都市計画の線引きの変更は考えていない』という答弁だったが、こちらの質問の趣旨は『執行部にやる考えがあるのか』ということではなく、『法的には可能なのか』ということである。客観的にそのあたりはどうなのか。
現時点では県の指導により、小規模な線引きについては認められていない
これまでに廃校になった学校跡地の活用状況を見ていると、やはり前もって議論をする必要性があるように感じる。
都市計画の線引きの変更が難しいのであれば、真岡市としても特区の活用も検討課題になるのではないか。
特区と言っても、どのような特区なのかということがあると思う。ただ、跡地の利活用という意味での特区であればそういう考え方もあるのかなとは感じる。
過日、台湾を訪れた際、工場などの跡地を利用して若者が工房や店舗として活用している状況を目の当たりにし、とてもに参考になった。
いずれにせよ、学校の跡地利用については、腰を据えて地域の皆さんとの話し合いが必要だろうと思っている。
今、台湾の事例が出されたが、市街化調整区域内の学校では、そうした活用が難しいということはお考えいただきたい。
今後、学校跡地の利活用については様々な議論がされると思うが、教育施設というだけでなく、長年にわたって地域の皆さんを結び付けてきた拠点でもある。ぜひとも地域の活性化に結び付けていただくよう検討をお願いしたい。

芳賀赤十字病院の将来的な跡地利用について

平成16年のことになるが、足利赤十字病院移転問題について、病院地元の自治会長が話し合いを行ったという記録が残っている。
同じ赤十字病院であるにも関わらず、なぜ真岡市ではできないのか疑問に感じる。日赤サイドが拒んでいるのか、それとも行政側の判断なのか。
まだ日赤サイドに土地の話はしていない。
地元からそうした要望があれば仲介することを拒むつもりはない

『まちなか保健室』の整備について

大谷台町にある『シルバーサロン』で多くの方々が集まり、体操の教室などが打ち切りになってしまったという皮肉な現象が見られている。高齢者の居場所に対するニーズは非常にあるのだと思う。
まちなか保健室』を増設していきたいという考えは分かったが、具体的な目標を示すべきではないか。
『まちなか保健室』を増やすには、何よりも地域の理解と協力が必要であるため、現時点で具体的な目標はないが、空き店舗対策や高齢者の外出の機会にも繋がるので、大切なことだと思っている。
できるだけ高齢者が出かけやすい地域を選んで設置していきたい。
医療費をいかにして抑制していくかという課題もある。
協力が得られることろであれば、空き店舗だけではなく空き家の活用も視野に入れてはどうかと感じる。
『まちなか保健室』を増やすことについては、ぜひ具体的な計画をお作りいただければと思う。

不登校対策について

真岡市内では平成26年度、小学校が152件中学校が53件いじめが確認されている。
不登校対策を考える上で、最もデリケートに扱わなくてはならないのは、いじめが原因で不登校になった子ども達への対応であろう。その点について、教育長はどのようにお考えなのか。
いじめが発生した際の、早期発見に全力で取り組んでいきたい
いじめは子どもの中で起こっているので、子どもの情報を的確につかみ、いじめに対して毅然とした態度で臨むことが大切と考えている。
また、学校だけでは対応できない問題もある。スクールカウンセラーなど専門家とも連携しながら、子どもに寄り添った丁寧な対応をしていきたい。
スクールカウンセラーの話が出たが、非常に込み合っていてなかなか相談できないという声を先生方や保護者からは聞く。
それだけ相談件数も多いのだとは思うが、そういった体制強化も検討をしていただければと思う。

特別支援教育について

酒井前教育長の頃は、通級指導教室について充実化が必要という認識に立った答弁だったように思う。しかし、今回答弁を聞いていて、現在の環境で対応できているという話にも受け取れた。そこで確認するが、既存の特別支援学級で、通級指導を受けている児童・生徒は現在何人いるのか。
今年度、特別支援学級で通級指導を受けている児童・生徒は4人である。

中学生の広島派遣について

先日、広島に派遣された中学生の文集を読む機会があった。当初は、戦争について特段の思い入れはなかったという生徒達が、資料館を見たり、語り部の方と話をしたりしながら、戦争の悲惨さ平和の大切さ真剣に考えている。そして、平和記念式典に出席して、日本の総理をはじめ世界各国の代表も集まって世界平和に向き合っていることも肌で感じてきたようだ。
そういう機会を子ども達に与えることを怠ってはいけないと思うのだが。
子どもが広島に行って、強く平和ということを意識するのは大切なことだと思うが、一部の限られた生徒になる
各学校において、社会科や道徳、総合的な学習時間などで、全ての子ども達に平和教育をしていくことが重要と考えている。
『自分は知っているつもりだけだった』
今回読んだ文集の中で、広島を訪れたある中学生が書いた言葉である。
やはり、その場に行ってこそ学べることもある。ぜひ今後ご検討していただきたい。