6月議会 中村の一般質問

答弁者:井田 隆一 市長
酒井 勲  教育長

一般質問

1.防災対策について

昨年3月11日に発生した東日本大震災を振り返ると、行政から市民への情報伝達が決定的に不足していたという印象を強く抱く。
兵庫県伊丹市では、阪神大震災の発生直後から広報紙の号外を発行し、市民への情報提供を行ったとのことである。紙媒体、つまりビラや壁新聞の類の活用は、真岡市も真剣に検討すべき課題と考えるが。
現在、真岡市では防災無線のデジタル化を進めているところであり、今年度は67基を新たに設置する予定である。
しかし、大規模な災害を想定した場合、チラシや広報紙号外の作成や、避難所における壁新聞など、災害の状況に応じた情報伝達のあり方について十分検討していかなければならないと考えている。
東日本大震災では、行政からの情報が各自治会に届かず、混乱をきたしたという反省材料もあった。各自治会へ連絡を伝えるとともに、困りごとなどの相談をどのように受けていくかは、見逃してはならない課題と言える。
平常時から市職員の中で地域連絡員を指名しておき、災害時にはそれぞれの担当自治会へ赴くような体制を構築することはできないものか。
今年2月に消防団において『地震対策対応マニュアル』を策定するなど、消防団と自治会が一体となった連絡体制の強化を進めているところである。
災害時、市職員を配置することについては、災害の規模などに応じて対応をしていかなければならないので、あらかじめ担当職員を決めることは難しいものと考えている。
真岡市では昨年10月から、携帯電話を使い災害情報を配信する『緊急速報エリアメール』を導入した。しかし、5月6日に竜巻が発生した際、情報発信に使われることはなかった
市としては、エリアメールをどのような場合に活用する考えなのか。
『緊急速報エリアメール』で送信可能な情報は、避難情報、警戒情報、指定河川洪水情報、国民保護に関わる情報など、各携帯電話会社との契約で定められている。
なお、気象情報については、県の防災メールを活用していただくよう市民にPRをしていきたい。
現在、真岡市内には数多くのスーパーマーケットがあり、それらは市内の住宅密集地において適度に分散している。
多くの人間が集まっても受け入れられる広い駐車場も保有し、加えて食糧、飲料水をはじめ衣類やアウトドアグッズなども置かれている。
市内にあるスーパーマーケットなどと避難所の協定を結べないものか。
スーパーマーケットを避難所として使うにあたっては、施設内外の安全性の確保商品の管理責任、避難所としての使用期間の企業活動阻害補償など、様々な問題があるため、協定を締結する考えはない
なお、現在はイオンなど4社と災害時の物資供給に関する協定を結んでおり、食糧、飲料水、生活必需品の購入などに関して協力を求めている。
東日本大震災の発生直後、断水により給水車が置かれたが、市民が長蛇の列をつくり、5時間も並ばなくてはならない状況に陥った。
自然災害は局所的なものも多い。現在、真岡市は埼玉県桶川市及び新潟県阿賀野市と防災協定を結んでいるが、より迅速な対応をするためには、県内他市町との防災協定を見直す必要性があると思うが。
東日本大震災の発生直後、これまで協力体制を構築してきた新潟県阿賀野市、埼玉県桶川市、上三川町、市貝町から支援の申し出があったところであり、真岡市としてはいつでも応援要請ができるものと考えている。なお、この度の竜巻発生時には、行政や市民の協力によって対応できると判断し、応援要請は行わなかった。
今後、災害が発生した場合は、被害状況などによって応援要請をしていきたい。
原発事故発生から1年3ヶ月が経過したが、放射能測定器の貸し出しを求める市民の声は根強いものがある。これに対して市は、市内の135ヶ所で定期的に測定を行っていること。さらに、結果だけがひとり歩きする懸念もあるという理由から、市民への測定器の貸し出しは行わないとのことであった。
しかし、県内14市の中で市民に貸し出しを行っていないのは真岡市だけであり、市民の不安を取り除くためにも、測定器の貸し出しを行うべきではないか。
真岡市では東日本大震災後、放射能測定器を18台購入し、学校や保育所、子育て支援センター、留守家庭児童会館、公園、運動場、公民館分館のほか市内全域を2kmメッシュで区切った46ヶ所を含め、合計135ヶ所で定期的な測定を行っている。その数値は測定以来、毎時0.06~0.16μSvの範囲で健康に影響はないと考えている。
このように、市内全域を細かく測定しているので、放射能測定器を市民に貸し出すことは現時点で考えていない

2. 地域経済の活性化について

真岡市の中心部はここ20年来、シャッター通りとなってしまった感があり、活気のない状況が続いている。加えて、福田屋百貨店の撤退により、どういう業種の店舗が新たにつくられるのか、戦々恐々としている様子を見ると、戦略立てた対策が必要と考える。
行政においても、工業団地の企業誘致でのノウハウを生かした専門部署を設置し、中心市街地の空洞化に対して攻めの姿勢で取り組むことはできないものか。
昨年度、真岡地区と二宮地区の商店街を対象に『空き店舗実態調査』を実施した。これによると両地区で合計66軒の空き店舗があった。
しかし、貸し出す意思のない店舗も多く、それ以上の行政の関与は難しい状況にある。ついては、商工会議所や商工会、NPO法人などで支援体制を整備していきたいと考えている。
今年2月、商工会議所の職員1名が、起業家の経営指導を専門的に担当する『インキュベーション・マネージャー』の資格を取得した。今後、人材活用をどのように図っていく考えなのか。
また、起業家に対する掘り起こしや融資枠の拡大、さらに活動場所の提供といった市独自の支援策を行っていく考えは。
『インキュベーション・マネージャー』の役割については、起業をしようとする人への教育、経営相談、ビジネスプラン作成や会社設立の支援などがあり、積極的に担っていただきたいと考えている。
市独自の起業家支援策については、融資面として真岡市商工振興資金に創業資金の制度がある。現時点での利用は少ないので、この制度の活用を推進していきたい。また、活動の場としては『MOP21』がある。昨年の震災で被災したが、修繕を完了したところであり、当面は現有施設を活用したいと考えている。
地域内の電力確保について伺いたい。
①栃木県が今年から、農業用水などを活用して行う『小水力発電』の普及に向けた取り組みを本格始動させるとのことである。すでに宇都宮市など3市町で指定を受け、来年度末までの運転開始を目指しているようだが、真岡市としては今後どのように取り組んでいく予定なのか
②現在、東京ガス株式会社では、北関東エリアにおける天然ガスの安定供給を図るため、茨城県の日立港から真岡市までパイプラインで結ぶ計画を進めている。天然ガスを活用した発電所を整備するため、東京ガスやPPS各社などと協議を進めることはできないものか
①農業用水を活用した発電には、年間を通じて安定した水量と2m程度の落差を有する水路が必要である。しかし、真岡市内の農業用水に条件を満たす水路がない。したがって、調査・研究をする考えはない。
②東京ガスは自ら発電所を設置する予定はないとのことであるが、特定規模事業者(PPS)に対して働きかけを行い、天然ガスの供給量などを考慮しながら、第5工業団地へ誘致をしていきたいと考えている。
地域通貨は、無償のボランティアでは依頼しにくいサービスが受けやすくなるだけでなく、活動をする側にも目に見える対価をやりとりすることで活動を続ける励みになることが、メリットとして挙げられる。
また、千葉市や新潟県三条市の地域通貨は、買い物にも使えるようになっており、商店街の活性化にもつなげている。真岡市としても導入に向けて検討を進めてはどうか。
各地において商店街や、NPOなどが中心となり、地域通貨が制度化され、地域活性化に成功している例も見られる。
現在、真岡市も有償ボランティアを含めたボランティアのあり方について調査を進めているところであり、地域通貨の導入についてあわせて検討していきたい。

3.教育行政について

現在、真岡市内にある大半の小中学校では司書教諭が配置されている。しかし、クラス担任と兼務しており、学校図書館の管理運営や子ども達の読書指導に専念できていないのが実情である。
宇都宮市、上三川町、芳賀町などで専任司書を独自に配置しており、子ども達の読書量が飛躍的に伸びている。真岡市としても専任司書を配置してはどうか。
司書教諭は教科の指導などを兼務しており、司書本来の職務を充実させるためには、専任の司書を配置することが望まれる
しかし、教員配置の責務は栃木県教育委員会にある。今後も引き続き都市教育長協議会などを通じて要望をしていきたい
『ライフスキル教育プログラム』は、思春期の子ども達がディスカッションなどを通じて、日常生活の様々な問題について、自分達で解決していくためのトレーニングである。真岡市では、昨年度からは市内各校において導入している。
現在行われている内容についてどのように評価しているか。また、今後さらに普及を図るための計画はどのようになっているか。
これまでの成果として、生徒は『自分の考えを積極的に発表できるようになった』などがあり、教師は『生徒との距離が近くなり、より良い人間関係がつくれた』などが挙げられる。
課題としては、ライフスキル教育を行う時間の確保が挙げられる。各学校とも工夫をしながら30回ほど活動を行っているようであるが、教育委員会としても支援をしていきたい。
教育委員会では『学校支援ボランティア』を広く市民から募集している。しかし、各学校でもボランティアの人材募集は行っており、効率的ではない。また、教育委員会に登録している市民は14名にとどまっている状況だ。
学校は、ボランティアに参加する市民に対する個別の声かけと登録の窓口の役割を担い、それに対して教育委員会は、各学校に対する情報提供と人材派遣のコーディネートなどに重きを置き、明確な役割分担をしたらどうか
教育委員会で人材募集をしている目的は、学区の垣根を越えて教育活動に協力していただける市民を募ることにある。
現在の登録者数は少ないが、小中学校にボランティアとして登録している市民(合計で延べ3600人)に対して周知を図り、学区以外の学校でも活躍していただけるボランティアの増加に努めていきたい。

再質問

災害時における情報伝達手段について

防災無線を基本とするとのことであるが、全ての情報を伝えるのは困難ではないだろうか。大まかな情報は無線で良いと思うが、詳細な情報は紙媒体で伝えるという役割分担が必要と考えるが。
東日本大震災の時、防災無線が聞き取りづらかった、細かい情報が流せなかったという反省点がある。そういう意味からすると紙媒体も必要と考える。
これまでに活用を図った他市の状況を参考としながら研究していきたい。
震災の時、防災無線が聞き取りづらい→市民が災害対策本部に問い合わせをする→電話回線がパンクする→市民が災害対策本部へ直接詰めかける、という経験をしたことを考えれば、この課題は復旧作業にあたる職員のためでもある。
ぜひ、地域防災計画の改定時には、どのような媒体を用いて市民に情報提供を行うのか明記していただきたい。

災害時における他自治体への応援要請について

震災の時は、明らかに県東部と県西部で被害の状況が違っていた。なぜ、応援要請をしなかったのか疑問が残る。
竜巻の時には、他自治体からの応援は必要ないと判断したとの答弁だったが、どのようなプロセスを経てそうした判断を行うのか。
東日本大震災の時、県内他自治体の被害状況や給水車の保有台数などを把握できなかった。把握できていれば応援要請をしていた。そうした意味からすれば、市民の皆様には大変な不便をおかけしたと思う。
今後、県内他自治体との話し合いの中で、様々な提案をしていきたい。
『他自治体の状況が分からなかった』ということは、震災発生後に県も混乱をしていたことを物語るものであり、貴重な証言である。
ぜひ今後、市長会その他の会合でご提言いただきたい。

放射能測定器の貸し出しについて

貸し出しは行わないとのことだが、なぜそこまで頑ななのか理解に苦しむ。今、市民が求めているのは『安心』である。『安心』は『安全』であることが、情報・確信として伝わっていなければ成立しない。
奇しくも、市長は『日本一安心なまちづくり』を掲げてきた。本来ならば、真っ先に貸し出してもよかったのではないか。
原発事故発生後の雲や雨の状況を見ると、放射能の流れ具合は真岡市にとってはそれほど影響が出るものではなかった。
現在、135ヶ所の測定を行っているが、市民が不安を感じる数値ではない
全国でホットスポットは、日を追うごとに増えている状況である。加えて、今まで真岡市が行ってきた測定方法も妥当なのか、冷静に疑問を持つべきと考える。市内の公園でも測定されている所とされていない所があり、完璧なものとは言い難い。
それを補完する意味でも、市民に貸し出すべきではないのか。
2kmメッシュの中で公共施設を測定しているため、複数の公共施設があればその中の1つに限定している状況である。
ホットスポットについては、水の流れ込むような場所を探せばあるかも知れないが、体には影響はないだろうと考えている。
『探せばあるかも知れない』というのは極めて重い発言だ。市民の利用頻度が高い場所で見つかった場合はどうするのか。
あるかも知れないし、ないかも知れない。それが分からないから市民は不安なのだ。貸し出せない理由を挙げていただきたい。
まず懸念されるのは、ホットスポットが発見された時、誰が除去するのかという問題である。これは個人負担とせざるを得ない。
また、どこかの家の庭で発見された場合、その噂が広まってしまうと、地域コミュニティが崩れるのではないかという不安材料もある。
今の空間放射線量からすれば心配はない。
これ以上答弁を求めても平行線をたどるだけなので要望にとどめるが、ホットスポットの除去については、各自治体を見るとマニュアルを提示して住民に呼びかけているようだ。
東日本大震災以降、日本国民は災害情報について冷静に取捨選択できるようになったと感じる。怖いのは『多分、市民は混乱するだろう』と行政が勝手に判断をして情報を止めてしまうことではないだろうか。

学校図書館への専任司書の配置について

教育というのは、復興に向けた取り組みの最たるものだと考えている。
仮に真岡市が、市内全小中学校に専任司書を配置し、宇都宮市と同等の人件費を払ったとしても、年間約5500万円でできる。真岡駅へのSL移転の1/3程度の費用でできてしまうが。
教育委員会他市の状況を調査しながら話し合っていきたい。