9月議会 中村の代表質問

答弁者:石坂 真一  市長
     成毛 純一  総務部長
     関  一美  市民生活部長
     添野 郁   産業部長
     加藤 敦美  教育次長

1.新庁舎周辺整備事業について

新庁舎周辺整備事業』は、現在は水道庁舎、建設部棟、教育委員会棟などがある約5,500㎡を対象エリアとしている。
この事業では、図書館や子育て支援施設の整備が検討されている。
中心市街地の限られた敷地に、市立図書館移転させる訳だが、蔵書数閲覧スペース、駐車場・駐輪場などは、どの程度確保できる見込みなのか。
現在、真岡市の図書館は、市立図書館、二宮図書館、真岡市公民館西分館図書室の2館1室で運営を行っており、それぞれの機能役割を総合的に考え、図書館利用者の利便性向上を目指していく。
また、駐車場・駐輪場については、今年度策定する『新庁舎周辺整備基本計画において検討していく。
『新庁舎周辺整備事業』の計画を見ると、対象エリア新庁舎の向かい側の部分にとどまっているという印象を抱く。
予算が限られているとは言え、市長が掲げる『中心市街地リノベーション』を目指すのであれば、より広いエリアでの空き家・空き店舗対策を考えるべきではないのか。
『新庁舎周辺整備事業』の商業機能については、施設整備だけではなく、木綿会館や久保記念観光文化交流館など周辺の観光拠点と絡めて、一体的に整備することが不可欠である。
そのための空き家・空き店舗対策は、行政の取り組みだけで解決できるものではなく、民間と一体で進められるよう検討していく。

2.ふるさと納税について

自分の故郷に、自分の意思で納税できる制度を、という問題提起から、平成20年に『ふるさと納税』の制度がスタートしている。
しかし、最近は本来の目的からかけ離れ、各自治体返礼品の中身が競われるようになってしまった。
平成30年度における真岡市の『ふるさと納税』の収支状況は。
真岡市の平成30年度における『ふるさと納税』の収支状況は、寄附件数が563件、寄附金額1,079万7千円だった。
そこから、返礼品代やシステム使用料などの経費559万円、さらに、真岡市民他の自治体に寄附をしたことによる控除額3,727万2千円を差し引くと、3,206万5千円の赤字となっている。
現在、真岡市が取り組んでいる『ふるさと納税』のPR活動で最も中核をなすのは、インターネットを活用し、全国の不特定多数の人々に向けたものである。しかし、これは全国の多くの自治体で実施しているものであり、返礼品以外で差別化を図ることは難しい
『ふるさと納税』の原点に立ち返れば、市外在住の真岡市出身者にもっと目を向けるべきだと思う。現在作成しているパンフレットの改善など、PR方法を見直してはどうか。
『ふるさと納税』の寄附先として真岡市が選ばれるよう、いちごサミットを契機に、いちご、真岡木綿、SL関連商品などにより、市の知名度アップ返礼品の充実を図っていく。
また、市外の人々が集まる各種イベントにおいて、真岡市への『ふるさと納税』を呼びかけていく。
『ふるさと納税』を活用した場合、返礼品を受け取ることができるのに加え、今住んでいる自治体住民税控除される。その一方で、控除によって不足した財源をカバーしているのは『ふるさと納税』を活用していない納税者であることを考えると、この制度は税負担の公平性という面で明らかに課題がある。
『ふるさと納税』については、制度自体を見直す必要があるのではないか。
『ふるさと納税』については、平成29年4月総務大臣通知により、返礼割合3割以下にすることや、価格が高額なものを返礼品として送付しないよう要請するなど、制度の健全な発展に向けて改革が進められてきた。
全国市長会でも、総務大臣通知を踏まえた対応を行う旨の申し合わせをしているところであり、今後も制度の活用を図っていきたいと考えている。

3.防災・減災対策について

災害図上訓練は、通常の防災訓練と比べて手軽にできるため、市民の勉強会や職員研修などで取り組んでいる自治体も多い。
真岡市内でも、昨年8月鶴田・八條・西田井の3自治会が合同で、災害図上訓練を実施し、小中学生を含む数多くの地域住民が参加した。
今後、防災意識の高揚のためにも、災害図上訓練を一層普及させる必要があると思うが。
災害図上訓練は、地域ごとの実施効果的であると考えている。そのため、防災座談会や市のホームページなどで、積極的に周知を図っていく。
また、開催などについて相談を受けた際には、専門家の指導が必要になるため、防災士などに依頼し、日程の調整を図るなど実施に向けて支援をしていく。
昨年8月の災害図上訓練で、参加者から『水害が発生した場合、西田井小学校区に救援物資は届くのか』との声があがった。その時点で、真岡市の救援物資は、旧長沼北小学校に保管をしていた。救援物資を川沿いに集約しているという状況は決して好ましくない
現在は、廃校となった小学校跡地において、一時的とは言え分散化をしてはいるが、今後の備蓄倉庫整備計画は、どのようになっているのか。
これまで、備蓄飲料水や簡易仮設トイレなどは、旧長沼北小学校の1ヶ所で保管をしていたが、現在は6ヶ所(芳賀広域行政事務組合、旧長沼北学校、旧中村東小学校、旧中村南小学校、旧山前南小学校、旧東沼小学校)に仮置き保管をしている。
今後、総合運動公園内に、備蓄倉庫令和5年度までに整備予定であり、数ヶ所に分散化できるよう検討していく。
避難所のあり方について、見直しが必要な部分があるのではないか。
河川付近の住民から、水害発生時避難場所について不安の声が寄せられているが、今後の対応は。
高齢者や障がい者などの『要支援者』を対象とした『福祉避難所』の整備状況と今後の対応は。
東日本大震災は約3,500人の方々が『災害関連死』で亡くなったと言われている。その対応について、真岡市の地域防災計画に盛り込む必要があると思うが。
①市内50ヶ所避難所のうち、19ヶ所浸水想定区域内にある。水害が想定される場合は、発生前避難準備情報などを発令し、浸水の可能性のない避難所を開設する。また、防災マップは、次回の改定時により分かりやすくなるよう検討していく。
②現在、真岡市では12施設福祉避難所として協定を結んでいる。今後もさらに増やしていきたいと考えており、新たに開設される社会福祉施設などに協力を呼びかける。
③地域防災計画に『災害関連死対策を盛り込む予定はないが、避難者に特別な配慮が必要な場合は、栃木県災害福祉チームなどに支援要請をし、適切に対応をしていく。

4.協働のまちづくりについて

真岡市では、市民との協働推進に関する部署について、NPO・ボランティア活動や国際交流が市民生活課、自治会活動が総務課、地域公民館や男女共同参画が生涯学習課と、所管が分散している。
窓口を一本化させて『協働推進課』のようなものに再編成をしてはどうか。来年の新庁舎オープンは、組織機構を見直す絶好の機会であると思われるが。
現在、自治会や地域づくり事業、NPOやボランティア支援、地域公民館のみならず、ごみの減量や子育て支援など、市民との協働推進様々な部署が担当している。
それらの事業を一元化した場合、所管する事務量が膨大になり、大規模な組織が必要となる。
限られた人員で効率的な行政運営が行えるよう、当面は現行の体制で協働のまちづくりを進めていきたい。
これからの地域活性化について考えた時、市民自ら考え行動するということが求められる。そのためには何よりも人材の育成が欠かせない。
益子町には、住民達が地域の良さや問題点を学びながら、協働のまちづくりの実践者を育てる『ましこ町民大学』という生涯学習講座がある。
真岡市においても『新・真岡市民大学』のような取り組みは必要ではないのか。
※以前、著名人の講演会などを行う『真岡市民大学』という事業があったので、今回あえて『新』という文字を付け加えた。
地域力を向上させるために、協働のまちづくりを担う人材の育成は、重要な行政課題であると考えている。
これまで、真岡市では『出前講座行政編』で人材育成の機会を設けてきた。さらに、コラボーレもおかでも、各種のスキルアップ講座などを実施してきたところである。
今後、協働のまちづくりをさらに進めるため『新・真岡市民大学』の立ち上げを調査研究していく

5.起業家の育成・支援について

真岡市は、平成26年に『創業支援等事業計画』を策定し、起業家の支援策に取り組んできた。
加えて、市長公約の1つとして『ローカルベンチャー企業創出支援』を掲げている。就任から2年が経過したが、どのように自己評価をしているのか。
平成29~30年度の主な実績として、『創業セミナー』を14開催し、延べ122名の参加。『女性創業塾』を8回開催し、延べ138名の参加があった。
そのような取り組みの結果、2年間で11名が創業に至っており、一定の成果があげられているものと考えている。
平成28年に、真岡商工会議所職員1名が『インキュベーション・マネージャー』の資格を取得し、起業家や起業志願者からの様々な相談応じる環境が整ったところである。
これまでの相談内容や件数はどのようになっているのか。また、そのほかに起業家の育成に向けて行っている取り組みとは。
これまで『インキュベーション・マネージャー』に対しては、年間約20件の相談があり、その内容は、創業時の事業計画作成売上等の目標設定資金調達方法などであった。
今後は、起業に興味のある方にも気軽に利用していただけるよう、市の広報紙や会議所だより、各ホームページなどを活用して、さらなる周知を図っていく。
真岡市内で起業しようとしていた若い人材が、活動場所がないという理由で市外に流出してしまうケースが散見されている。
現在、真岡商工会議所の事務所内に、起業家支援のための『インキュベーション施設』が2部屋と、荒町に小売業を対象とした『チャレンジショップ』が整備されてはいるが、決して十分な数ではない。今後さらなる拡充が必要ではないか。
起業家や志願者のニーズを把握することは重要であると考えている。真岡商工会議所と連携を図って意向調査を行うとともに、『新庁舎周辺整備事業』で行うサウンディング調査においても民間事業者の意見を聴取していく。
また、起業家にとって利用しやすい環境の整備についても、引き続き調査・研究を進めていく。

再 質 問

新庁舎周辺整備事業(図書館の整備)について

先ほどの答弁で、図書館の利便性向上を目指していくという話を聞き、大変安心をしている。
市立図書館移転が新聞で報じられて以降、中心市街地の限られたスペースの中に整備されることもあって『利便性は確保されるのか』と、市民から尋ねられる機会が増えてきた。
図書館は『まちの知的財産』である。ぜひ、真岡市にふさわしい図書館整備をお願いしたい。

新庁舎周辺整備事業(商業施設の整備)について

『新庁舎周辺整備事業』では、商業施設の整備も期待されたが、民間事業者とのサウンディング調査の結果『物販を行うことは難しい』との評価を受けている。しかし、それでは『中心市街地のにぎわい創出』という役割が果たせるのか疑問が残る。
市長としては、商業施設の整備をどのように考えているのか。
この施設整備は、市の支出を抑制するためにも、PFI方式(民間の資金・ノウハウを活用)で進めたい。
民間事業者が参加しなければ事業は成立しない。その辺りも十分に考慮して、協議を進めていかねばならないと思っている。

ふるさと納税について

平成16年ごろから、日本では『三位一体改革』が急速に進み、平成16~18年度の3年間で、地方交付税約5兆円削減されている。
その後、平成20年に『ふるさと納税』がスタートしたので、地方交付税の一部を補完する制度とも言えるが、最近の返礼品騒動を見ていると疑問を抱かざるを得ない
『ふるさと納税』が維持されるべきか否かについて、市長はどのように考えているのか。
本来『ふるさと納税』は、自分が生まれ育った故郷に少しでも還元していくという大きな目的があったはずだが、現在は富裕層が、色々な返礼品を目的としており、当初と趣旨が大きく違ってきている気がしている。
大変に難しい問題だが、国がしっかりと地方のあり方を、もう一度検討する時期に来ているのではないかと思っている。
今のところ、日本は『大都市部の1人勝ち』と言われているが、東京都でさえ2025年ごろから人口減少に陥ると言われている。地方が疲弊した結果、最終的には都会も疲弊していくということである。
過去の地方交付税の使い方については各自治体とも反省すべき点があるが、地方を守るとことが大変重要なのだと思う。
ぜひ、財政全体のあり方について、市長にも市長会などで発信をしていただければと思う。

救援物資保管のあり方について

総合運動公園内備蓄倉庫の整備が完了するのが、令和5年度とのことだった。また、分散化も計画していくということで高く評価したい。
ただし、整備にあと4年かかる理由は何か。
これは整備計画に基づき、令和5年度ということで計画をしている。
計画ということは理解するが、市民の生命にも関わることなので、前倒しが可能であれば検討をしていただきたい。

協働推進課の設置について

今回、県内14市の状況を調べてみたが、自治会とNPO法人などの市民活動の窓口を、真岡市のように分けているのは矢板市と那須烏山市だけで、あとの11市は一元化されている。県内他市と違うやり方をしているのだから、真岡市が横の連携を図るにも、色々と課題があると思われる。
また、自治会の担い手が減少する中では、市民活動団体に協力を求める機会も、今後増えるであろうし、窓口の一元化は考えなくてはならないことである。
付け加えると、真岡市のように男女共同参画教育委員会が担当している自治体も減少傾向にある。行政が率先して男女共同参画を進めるのであれば、自然の流れであろう。
来年の新庁舎開設を控えて、それにふさわしい組織をご再考いただきたい。

起業家の育成・支援について

空き家バンク』の現状を見ると、真岡市全体でも2店舗しか登録されていない(荒町、久下田各1店舗)。この状況では、市内で起業することはあまりにも難しい
平成15年にオープンした那須烏山市の『ベンチャープラザ』では、この16年間で約30の新規事業が生まれ、今も15の事業所が同市内で事業を継続させている。
起業家の活動拠点整備については、もっとスピード感をもって進めていただきたいが。
空き家・空き店舗の活用というのは、個人所有であるのに加え、地権者が地元を離れている場合もあって非常に難しい。
例えば、広島県尾道市は40代の人物NPO立ち上げ空き店舗問題解消している。また、最近のオリオン通りの状況を見ていても、民間と行政が一体とならなければ、こうした事業進んでいかないのではないかと思っている。
まちづくりに若い民間の力が欠かせないからこそ『新・真岡市民大学』のような、人材育成の取り組みが必要なのだと要望させていただきたい。