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インターン・リバースメンターの活動について

学生たちのアイデアで誕生した謎のキャラクター「いちごだるま」

[目次]

 

きっかけはコロナ禍

私が、大学生たちをはじめてインターンとして受け入れたのは、2020年夏のこと。NPO法人「ドットジェイピー」からの依頼がきっかけでした。

この年から新型コロナウイルス感染症が蔓延しはじめ、様々な活動が制限され続けていました。そうした中で「少しでも学生たちの学びのお手伝いができればいいかな…」という軽い気持ちでお受けしました。

心配だったのは、私が学生たちを受け入れるにあたって同僚議員たちや事務局職員たちの反応でした。受け入れるという事を恐る恐る報告をしてみると「いいことなのだから、どんどんやればいいのでは…」と背中を押してくれて、本当に毎回色々な面で協力してもらっています。そういうバックアップがあってこそ、学生たちの受け入れができているのだと考えています。

この4年間に春と夏で7回、合計20名の学生たちを受け入れました。途中からは「ドットジェイピー」の栃木ブロックが活動休止となったため、現在は独自に募集と受け入れを行っています。

今振り返ると最初は何もかもが手探りで、気合いだけが空回りしていたように思います。でも、最初に受け入れた4名の学生たち(1期生)がとにかく全員マジメで熱心でしたので、彼らの活動内容や考え方というものが、その後の活動のベースになっています。

最初に受け入れた学生たち。8月15日の終戦記念日にも勉強会を…

 

学生たちの活動内容

学生たちの活動は、それぞれが興味のある地域課題に基づきながら、

(1)行政職員や専門家への単独インタビュー
(2)地元の魅力や課題について考えるフィールドワーク
(3)市議会の傍聴
(4)各種勉強会の参加
(5)政策研究

という5つが大きな柱となります。

うちの事務所で行う活動では、最初に必ず1人でインタビューを行わなければならないことが特徴の1つとして挙げられます。当然のことながら失敗も度々起こるのですが「1人でインタビューを行えた」ということで、学生たちは想像以上に自信を持って次の活動に臨むことになります。

なお、学生たちにはインタビューの後、お世話になった相手の方へお礼の手紙を手書きで書いてもらうようにもしています。

単独インタビューに挑む学生たち

 

学生たちに言い続けていること

「ぜひ、インターン活動の中で“社会とのつるみ方”を覚えてください」毎回私が、最初のミーティングで学生たちに言い続けていることです。

その上で「(1)あいさつができない時、(2)時間にルーズな時、(3)仲間が困っているのに助けようとしない時だけ、俺はムチャクチャ怒るからね」ということは“約束事”として彼らに伝えています。社会とつるむ上で、最低その3つがあれば何とかなるように私自身考えているからです。

これまで受け入れた学生たち、本当にみんないい奴らばかりでしたので、困っている仲間を放っておくということはありませんでしたが、あいさつや時間については破られることも…。

そういう時は“激怒り”しますが、あらかじめ約束事を決めているので、イマドキの学生たちも納得して受け止めてくれているようです(多分…)。

 

インターンとリバースメンター

コロナ禍の時期にオードリー・タン氏に関する書籍を読む機会がありまして、台湾政界では若者が「インターン」や、インターン経験者の「リバースメンター」として閣僚に政策提言をする仕組みを設けていることを初めて知り「これはいいなぁ!」と率直に感じました。

「ドットジェイピー」の栃木ブロックが活動休止となって以降、独自に学生たちの募集と受け入れを行うようになったのですが、それ以降はインターンの学生とは別に、インターン経験者で、再度参加を希望する学生を「リバースメンター」と称して活動してもらっています。

オードリー・タン氏の関連本が「リバースメンター」を思いつくきっかけに

中村かずひこ通信の記事より

 

結局のところ、最も学ばされたのは誰なのか?

学生たちが取り組む政策研究については、できるだけ私も勉強の場に参加するように心がけています。

学生たちと議論を交わしてみて、自分の掲げてきた政策と若者のニーズとの間に相当のズレ、ギャップがあることを度々思い知らされました。今、全国の自治体では、若い世代の定住促進が盛んに論じられていますが、当事者たちの意見はどこまで反映されているでしょうか。

彼らと議論したことがきっかけとなり「企業誘致」、「起業家支援」、「有害鳥獣対策」、「働き方改革の促進」、「空き店舗対策」、「介護予防」、「公共交通」などの分野で、議会での政策提言や私自身の選挙公約の中に数多くのアイデアが盛り込まれました。

特に、有害鳥獣対策については、このテーマに挑んだ2期生たちから「イノシシ捕獲の報償金って、茨城県と栃木県の自治体で大きな差があるのですね」と指摘されました。お恥ずかしい話ですが、それまでは私も栃木県内の自治体だけで比較をしていたのです。彼らの指摘がきっかけとなり、真岡市の報償金額が大幅に増額することにつながりました。

当初は「少しでも学びのお手伝いができれば」と受け入れ始めたのですが、最も学ぶ機会が与えられたのは、まぎれもなく受け入れていた私の方であると常々感じています。

ちなみに、学生たちが行った政策研究については、その後に市長や同僚の市議、さらには市職員などの前で発表し、意見交換も行うようにしています。

学生たちの政策研究から抜粋

1期生(2020年夏)

 

2期生(2021年春)

 

3期生(2021年夏)

 

4期生(2022年春)

 

5期生(2022年夏)

 

 

受け入れた学生たちのその後…

私のもとで活動した学生たちですが、その後真岡市が取り組んでいる「まちづくりプロジェクト」や「若者会議」といった事業に参加した者もおりました。そうやって次のステップで頑張ってくれている姿は、私にとっても励みになっています。

まちづくりに関わった事例はこちら(外部リンク)

また、本当にいい奴らだらけなので、政策研究などについても1期生が2期生の、2期生が3期生の…といったように、次の期のメンバーが悩んでいる時のコーチ役を引き受けてくれていたのも嬉しい限りです。

これまでに受け入れた20名については、すでに半数以上が社会人となりましたが、今もメンバー全員とグループラインを組んで意見交換や近況報告を度々しています。

さてさて、次回はどんな個性的な面々が、やってきてくれるのでしょうか?

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