近況報告

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【7月30日~8月1日】

総務常任委員会の行政視察で、三重県松阪市と愛知県半田市を訪問した。

今回のテーマは『地域公共交通網形成計画』と『スマートフォンを活用して地域の課題を共有する仕組み』だった。

(松阪市)

松阪市は、平成17年に1市4町が合併をし、伊勢湾から奈良県境まで623.58k㎡という広大な敷地になった。

その一方で、各地域とも人口減少に伴い、従来からあった民間路線バスなど公共交通の廃止・縮小が大きな課題となっていた。

そのため同市では市町合併の直後から、市直営の路線バス(鈴の音バス)を走らせたほか、主に旧町を巡回する方式の『コミュニティバス』を運行している。

市内の主要な部分については民間路線バスが担い、それ以外の場所について鈴の音バスやコミュニティバスが補完する形をとっている。

ただし、それだけでは広大な市域を十分にカバーしきれないこともあり、現在策定中の『第2次公共交通網形成計画』において、より利便性の高い公共交通網を整えようとしている。

現時点において公共交通網の空白地帯となっているエリアに、コミュニティバスやデマンドタクシーなどを配置するという取り組みもあることながら、何よりも感心をしたのは、計画策定に地域住民を徹底的に巻き込んでいる点。各小学校区において住民との意見交換を重ねてきた。

また、単に『住民=お願いをする側』、『行政=お願いを聞き、解決する側』というだけでなく、住民から協賛金を募り、運営費に充てている点も大きな特徴と言える。

(半田市)

半田市では、スマートフォンを活用して地域の課題を共有する仕組みである『マイレポはんだ』について視察をした。

この取り組みは『FixMyStreet Japan』のアプリを活用して、市民が道路の破損・冠水、倒木、街灯の故障、不法投棄などについて、行政に直接改善を求める仕組みのこと。

半田市では、千葉市で取り組まれていた先例を参考に、平成26年10月からこの取り組みを開始している。これまでに、半田市をはじめ21の自治体が同様の取り組みを行っている。

これまでに、半田市では270名の市民が登録を済ませているらしいが、市としてはもっと多くの市民に活用してほしいと考えているようである。

ちなみに、事業スタートから4年半の間に、1070件の要望が市民から寄せられ、そのうち87%は土木課、防災交通課、都市計画課の3課に集中している。

また、市に対して無理難題を言う市民は、半田市の場合あまり見られないようで、対応不可と判断された要望は、全体の4.5%程度という。

昨今、行政に対する要望・苦情をどこに伝えればいいのかさえ分からない市民も決して少なくない。そうした状況を考えれば『マイレポはんだ』のような取り組みは、真岡市においても導入を検討してもいいのではないかと率直に感じた。

ただし『市民と行政による協働』の必要性が指摘される中、単純に『住民=お願いをする側』、『行政=お願いを聞き、解決する側』という構図にしてしまうようで、その点は大きな疑問として残ったのも事実。

導入を検討するにあたっては、そうしたメリット・デメリットについて冷静に分析する必要があると思われた。

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【岐阜県にて日帰り研修】

5月13日(月)、岐阜県の岐阜市と多治見市で行われた「全国若手市議会議員の会OB会」の研修に参加してきました。

 

今回の研修内容は、
(1)こどもサポート総合センターとエールぎふ(岐阜市子ども・若者総合支援センター)について
(2)自動運転バスの5年間の試行運行について
(3)NPO法人「ママズカフェ」の取り組みについて

 

岐阜市では、昨年11月から自動運転バスの運行が5年間にわたって行われています。自動運転バスを走らせている自治体は少なくありませんが、現在公道を使って運行しているのは全国で岐阜市を含めて9ヶ所。

 

岐阜市ではこの半年間で、2万人以上の人たちが自動運転バスに乗車したとのことです。

 

私たちもこの日の研修で、岐阜市役所から岐阜駅までの区間、自動運転バスに乗せていただきました。最高速度が30km/h程度であるため、周囲の自動車の進行を妨げてしまう光景も見られ、そういった点がこれからの課題かも知れません。しかし、専用の通行レーンを設けるといった取り組みを進めると、さらに可能性が広がるのではないかと感じました。

 

人口減少にともない、運転手など担い手の確保が大きな課題になりつつある中、公共交通の持続可能性を高めるためにも、自動運転バスは1つの切り札になっていくものと思われます。

 

また、この日は岐阜市が児童虐待の防止と早期発見・対策のために、令和4年度からスタートさせた「こどもサポート総合センター」(市教委、県警、児相が同じフロアで連携)、さらに多治見市では子育て世代を対象としたカフェの運営や起業支援を行っているNPO法人「ママズカフェ」(平成13年からスタートさせたという全国でも先駆けの組織)の取り組みについても研修を受けてきました。

 

前日に地元での行事が、そして翌日には市議会の会議があったため、この日のみの研修参加となってしまいタイトなスケジュールでしたが、非常に多くの収穫がありました。

 

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