【7月12日~14日】
2016/07/14
- 近況報告・お知らせ
真岡市議会の民生文教常任委員会が、京都府京都市と福井県敦賀市、越前市にて行政視察を行った。
今回の視察のテーマは、①廃校後の校舎の利活用、②学力向上、③子育て環境の整備だった。
(京都市)
真岡市においても少子化に伴う小学校の統廃合が大きな課題となっているが、それは京都市も例外ではない。最も多い時期で68校あった中心市街地の小学校が、空洞化により現在は17校にまで統合再編されている。
そうした中、同市では『資産活用推進室』を立ち上げ、廃校後の校舎の利活用を進めてきた。
今回我々が視察をしたのは、明倫小学校跡地に平成12年に開設された『京都芸術センター』と、龍池小学校跡地に平成18年に開設された『京都国際マンガミュージアム』。
京都が一大観光地であること。さらに、京都市で小学校の統廃合が進んだのは中心市街地であるのに対して、真岡市の場合は全て市街化調整区域に統廃合の予定校があることなどは差し引いて考えなければならない。
しかし、その自治体の特性や課題を見極め(日本初のマンが学部を設立した京都精華大学の存在や、芸術家の卵は多く住んでいながらも活動拠点がないという課題)、民間の知恵をも活用しながら、廃校後の校舎の活用を進めている点は、今後真岡市としても参考としなければならないと思う。
(敦賀市)
敦賀市では今回の視察にも同席された上野弘教育長のリーダシップの下、今年3月に『敦賀市知・徳・体充実プラン』が取りまとめられた。
無論、それ以前にも市独自の学力テストの実施や、教員対象の研修の充実化など学力向上に向けた取り組みは展開されていた。全国的に見ても学力テストの成績がトップクラスの福井県の自治体だけに、何か特効薬のような取り組みをしているのか…と期待していたが、そうしたものはなく、きめ細やかな1つ1つの取り組みの積み重ねこそが重要なのだと改めて感じたような次第。
ただし、今回策定されたプランで特筆すべきことは、学力向上をはじめ道徳教育や食育、ふるさと教育、学校図書館充実化など、ともすればバラバラの対応を余儀なくされてしまう様々な教育課題について、子ども達の0~15
歳のどの時期に、どのような取り組みをしていくのか“体系化”を進めたことではないかと思う。
さらに、それを教育関係者はもちろんのこと、保護者や一般市民にも分かりやすい形に“可視化”させたことが今後大きな効果を生むのではないかと感じられた。
(越前市)
越前市は、平成17年に旧武生市と旧今立町が合併して発足している。
平成20年度の調査で、合計特殊出生率が1.34(国1.42 福井県1.58)で、国や県の平均を下回る状態となり、『子育て環境の整備』が、新しい市を挙げての課題となった。
同市が『子ども条例』を制定したのには、そうした背景がある。
この条例に基づき、子育てに関する相談がワンストップでできる『子ども・子育て総合相談窓口』の開設や『発達支援自立システム』の構築など、先進的な取り組みが進められてきた。
個人的には、条例制定にあたって、多くの市民、取り分けて子ども達をも巻き込んだワークショップが繰り返し行われたことにも興味を抱いた。