【 11月12日】
2016/11/12
- 近況報告・お知らせ
この日は社会教育委員の活動で、小山市で行われた『とちぎ教育振興大会』に出席した。
今回の大会でとても楽しみだったのは、高野誠鮮氏の講演会。
高野氏は、元々テレビ番組の制作に携わり、昭和59年から石川県羽咋市の職員となった。
彼の仕事で最も注目を集めたのは、同市内で限界集落となっていた神子原地区の再生を手がけたこと。その活躍ぶりは、TVドラマ『ナポレオンの村』で描かれたことでも知られている(唐沢寿明が演じた主人公のモデルが高野氏)。
当初に用意された予算がわずか60万円。行政内部やJAなどと対立をしながらも、強力なリーダーシップと独創的なアイデアを発揮しながら限界集落の再生を果たしていく…。そうした彼の言動は、周囲にはいささか過激に受け止められ『スーパー公務員』とも評されてきた。
ただし、今回高野氏の講演を聴いてみると、彼が『そもそも限界集落はなぜ生まれたのか?』という疑問に対して、とても冷静な視点で向き合ってきたことに気づかされる。そして導き出した『地域に血(=お金)が流れていないから元気がない』という答えに基づいて、極めてシンプルに解決策に取り組んでいったことが分かる。
地域でとれたコメのブランド化、各種のオーナー制度、農家レストラン、大学生による集落合宿等々…。彼の手掛けた数多くの事業は、当初にしっかりとした理念を掲げているからこそブレがない。
『今後のまちづくりに、どんなアイデアが必要か?』について学ぶつもりで講演を聴いていたのだが、むしろ『今までまちづくりを進めてきた中で、いかに余計なものが多すぎたか』そして『その余計なものを、いかに自分自身が“当たり前”のものと捉えてきたか』ということを教わったように思う。