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【 八月の会 「今、次世代に伝えたいこと」 】

8月3日(日)、KOBELCO真岡いちごホールの小ホールで「八月の会」が主催する「今、次世代に伝えたいこと」が行われました。

 

この催しは、市民の有志である「八月の会」が、平和の大切さと戦争の悲惨さを後世に伝えようと、戦後60年を迎えた平成17年から続けているもの。

 

以前から私は「八月の会」の顧問を仰せつかっており、開会前にご挨拶をさせていただきました。

 

空襲や原爆、特攻隊、さらにはシベリア抑留など、毎回様々な角度から、戦争体験者などから話を聞くことが特徴で、終戦80年を迎えた今回は「荒井退造と学童疎開船」がテーマでした。

 

荒井退造は、真岡市にほど近い現在の宇都宮市上籠谷町出身。内務官僚で、昭和18年~20年にかけて沖縄県警察部長(今の県警本部長)として県民の疎開に力を尽くしました。彼が命がけで救った県民は約20万人とも言われており、その奮闘ぶりは映画「島守の塔」にも描かれています。

 

今回の講師は、荒井退造の顕彰活動に取り組んでいるNPO法人「菜の花街道」代表の荒井俊典さん。荒井さんは、荒井退造の生い立ちや沖縄での功績などを紹介しつつ、なかなか顕彰されなかったこれまでの状況や苦労話についてもお話をされました。

 

また、この日はもう1人のゲストスピーカーとして、栃木市在住の上野和子さん(6年前にはこの催しで講師を務められました)も登場。「対馬丸事件」について触れられました。

 

「対馬丸事件」は、昭和19年8月22日に、沖縄から疎開する学童などを乗せた船「対馬丸」が、アメリカの潜水艦に魚雷攻撃を受けて沈没をしたというもの。乗っていた1788人のうち、1485人が犠牲(うち780人が学童)になったといいます。

 

沖縄で小学校の教員をしていた上野さんの母親は「対馬丸」に乗船。学童たちの引率をしており、大半の教え子が亡くなった中で、数少ない生存者の1人でした。

 

荒井退造が沖縄県民の疎開を推し進めていた中で起きた「対馬丸事件」…。

 

1つの出来事を、1つの角度から眺めただけで軽々に論じてはならない。荒井さんと上野さんのお話を伺いながら、改めてそのことを痛感しました。

 

ただし、戦後80年を迎えた今、沖縄県民を守るために命がけで奮闘した荒井退造という人物には、もっと光が当てられてもよいのではないか?

終戦直後の混乱期、沖縄県民の浄財によって彼の忠魂碑(沖縄県糸満市の平和祈念公園にあります)が建てられたことを考えると、そうした思いを私としては強く抱くのです。

 

 

 

 

 

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