近況報告

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【8月1~3日】

所属会派『真政クラブ・公明』の視察研修で、岩手県遠野市と青森県八戸市へ行く。

(遠野市)

遠野市は内陸部でありながら沿岸の自治体と隣接していることもあり、かねてから『後方支援活動』の拠点として位置づけられてきた。背景として、本田敏秋市長が、岩手県庁の消防防災課長時代に阪神大震災を経験し、後方支援活動の重要性を強く認識していたことが大きいようだ。

東日本大震災では発生直後から、市の運動公園を自衛隊に、また全国から集まるボランティアのために市内144ヶ所の公共施設を開放するなどした。さらに、全国から集まってくる救援物資についても、岩手県庁が混乱していたこともあり、遠野市が拠点となっていたようだ。ちなみに現在、沿岸部からの避難民についても、181世帯385名を受け入れている。

真岡市としては、沿岸部や東京都心からの距離を考えると、『後方支援』という取り組みには適さないかも知れない。しかし、2度の災害を経験した自治体として、遠野市の災害発生直後からのスピーディな対応は、大いに学ぶべきところが多い(地元住民への対応と、後方支援を同時に行っていたことを考えると、行政の動きは驚異的ですらあります)。

また、当初はボランティアの受け入れについて、社会福祉協議会が行っていたが、その後市民の有志が『まごころネット』という組織を自発的に立ち上げ(現在はNPO法人化している)、中間支援組織のような役割を担ったことは注目に値する。

真岡市では、ボランティアと行政の連携がうまくいかず課題が残ったが、遠野市の実例は、今後我々もあらかじめ計画の中に盛り込む必要性があるように感じた。

なお、余談になるが遠野市は本田市長が中心となり『どぶろく特区』を申請したことで全国的に注目された。このほかにも、景観の保全や都市部からのIターン・Uターン受け入れ策など、『遠野市らしさ』を大切にしながら地域を活性化させようとする取り組みが非常に目立つ。今回は防災対策で視察をしたが、真岡市が今後まちづくりを進める上で参考となるテーマが多い。

(八戸市)

八戸市においては『定住自立圏構想』を視察した。

この構想は、平成20年から総務省が各地の自治体に呼びかけているもの。中心市の都市機能と、周辺市町村の農林水産業や自然環境を活用しながら、相互に役割を分担。必要な生活機能を確保することで、地方圏の人口定住を進めるのが狙い。市町村合併が進まなかった地域へのフォローという意味合いも、多分に含まれているように思われる。

実際、全国的に見ても最も早く平成21年3月に中心市宣言をした八戸市の状況を見ても、旧・南郷村と合併したのみで、周辺の他町村との合併協議は不調に終わっている。

現在、八戸市を中心とした定住自立圏構想には、周辺の7町村が参加をしている。自立圏の中で取り組む分野としては①医療、②福祉、③産業振興、④教育、⑤環境、⑥公共交通、⑦ITCインフラ整備、⑧地域内外の住民との交流・移住促進、⑨安心・安全のまちづくり、⑩行政職員の育成、⑪NPO等の活動促進が挙げられる。

八戸市の担当職員の話を聞いていて気になったのは、周辺町村と比べて『八戸市が享受するメリット』が見えてこなかったこと。その点について質問をしてみると『確かに直接的なメリットは少ないかも知れない』とのことであった。しかし、『周辺町村の人口が減少の一途をたどると、結果として八戸市の経済界も低迷していくことになるので必要な取り組みと思っている』とのことであった。

ちなみに、現在までに全国で『定住自立圏構想』に取り組んでいるのは67圏域に及ぶが、不思議なことに栃木県内ではその事例が1つもない。真岡市としては、芳賀地域の他町と拙速に結論を出すことはないかもしれないが、将来を見据えて広域行政事務組合などを中心として議論を始めていくことは必要ではないだろうか。

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【岐阜県にて日帰り研修】

5月13日(月)、岐阜県の岐阜市と多治見市で行われた「全国若手市議会議員の会OB会」の研修に参加してきました。

 

今回の研修内容は、
(1)こどもサポート総合センターとエールぎふ(岐阜市子ども・若者総合支援センター)について
(2)自動運転バスの5年間の試行運行について
(3)NPO法人「ママズカフェ」の取り組みについて

 

岐阜市では、昨年11月から自動運転バスの運行が5年間にわたって行われています。自動運転バスを走らせている自治体は少なくありませんが、現在公道を使って運行しているのは全国で岐阜市を含めて9ヶ所。

 

岐阜市ではこの半年間で、2万人以上の人たちが自動運転バスに乗車したとのことです。

 

私たちもこの日の研修で、岐阜市役所から岐阜駅までの区間、自動運転バスに乗せていただきました。最高速度が30km/h程度であるため、周囲の自動車の進行を妨げてしまう光景も見られ、そういった点がこれからの課題かも知れません。しかし、専用の通行レーンを設けるといった取り組みを進めると、さらに可能性が広がるのではないかと感じました。

 

人口減少にともない、運転手など担い手の確保が大きな課題になりつつある中、公共交通の持続可能性を高めるためにも、自動運転バスは1つの切り札になっていくものと思われます。

 

また、この日は岐阜市が児童虐待の防止と早期発見・対策のために、令和4年度からスタートさせた「こどもサポート総合センター」(市教委、県警、児相が同じフロアで連携)、さらに多治見市では子育て世代を対象としたカフェの運営や起業支援を行っているNPO法人「ママズカフェ」(平成13年からスタートさせたという全国でも先駆けの組織)の取り組みについても研修を受けてきました。

 

前日に地元での行事が、そして翌日には市議会の会議があったため、この日のみの研修参加となってしまいタイトなスケジュールでしたが、非常に多くの収穫がありました。

 

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