近況報告

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【10月22・23日】

秋田県秋田市で行われた『全国若手市議会議員の会』の役員会&研修会に、関東ブロックの代表として参加した。

(22日)
10:30~12:00 研修①『自殺対策に関する取り組み』
秋田県は、自殺率が長年全国ワースト1ということで知られる。友人の自殺をきっかけとしてこの問題に取り組み始め、平成18年の『自殺対策基本法』制定にも大きな役割を果たした『NPO法人 蜘蛛の糸』の佐藤久男理事長を講師としてお招きし、行政と連携をしながら取り組んできた内容についてご説明いただいた。
佐藤さんは、経済問題にスポットを当てて(自殺した友人が会社経営者だったことも大きく関係しているのであろう)対策に取り組むとともに、県内の他団体とも連携をしながら県内各地で『いのちの相談会』を定期的に開いている。ちなみに、秋田県の自殺者数は平成15年が519名(うち経済問題が要因204名)だったのが、昨年は346名(うち経済問題が要因58名)と着実な実績をあげている。最近、自殺対策というと各自治体とも講演会やシンポジウムなどが盛んに開かれているが、佐藤さんたちのように相談者と向き合う地道な取り組みとその体制整備こそ急がれるべきなのだろう。
14:00~16:30 役員会

16:30~17:30 研修②『東日本大震災からの復旧と現状』
今年度『全国若手市議会議員の会』で災害対策研究部会の副部会長を務めている福島県伊達市の菅野喜明議員から、福島第一原発の事故以来、放射能問題で揺れる伊達市の現状を報告していただいた。
菅野議員の話を聞くのは昨年夏以来だが、行政が問題の鎮静化を優先しているがために情報提供が不明確になっていることで、かえって住民の不安を募らせている結果を招いているとの話を聞いた。また『特定避難勧奨地点』に関する問題でも、測定方法が他市と違うことや、隣家同士でも指定を受ける・受けないという事態が発生したことにより、住民間の対立に発展してしまっている状況も見られるらしく、事故から1年7か月が過ぎた今もなお“復旧”には程遠い現状にあるという印象を強く抱いた。

(23日)
9:00~10:30 研修③『秋田県における学力向上の取り組み』
秋田県は『全国学力・学習状況調査』の結果で、毎回全国トップクラスの正答率を上げていることで注目されている。学力向上の取り組みについて、秋田県教育庁の担当者から説明を受ける。
意外に思えたのは、秋田県が学力向上について本格的に動き始めたのは比較的最近のことで、平成13年ごろからということ。当時の教育長のリーダーシップにより『少人数学習推進事業』(現在、小学校1~4年生と中学校1年生に対して30人程度学級にしている)や、『教育専門監』の配置(教科指導に卓越した教員を県が指名し、周辺の学校まで指導にあたらせる)などについて実践してきた。そうした事業の効果により、教員の意識も変わりはじめ、各学校において授業研究会などが盛んに行われる土壌を作り上げた。指導方法について教員間で情報を交換する取り組みは、東京都杉並区の和田中学校や京都市立堀川高校など『教育改革』に熱心とされてきた学校でも見られたものであり、それを県単位で実施してきたことは注目すべき部分である。

11:00~12:00 研修④『エリアなかいち(市街地再開発事業)』
今回の研修会の最後に、秋田市の中心市街地再開発事業を視察。
エリアなかいちは、JR秋田駅と秋田県庁・秋田市役所などの官公庁(歩くと30分くらいの距離)のほぼ中間点に位置する地区である。再開発のきっかけとなったのは、日赤病院の郊外移転。その跡地利用を図る必要性が出てきたことによる。
秋田県立美術館や秋田市の文化交流施設『にぎわい交流館』のほか、住宅や民間の商業施設も整備されている。事業面積は1.7ha(総事業費は約135億円、うち秋田市の負担額は約55億円)。

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【岐阜県にて日帰り研修】

5月13日(月)、岐阜県の岐阜市と多治見市で行われた「全国若手市議会議員の会OB会」の研修に参加してきました。

 

今回の研修内容は、
(1)こどもサポート総合センターとエールぎふ(岐阜市子ども・若者総合支援センター)について
(2)自動運転バスの5年間の試行運行について
(3)NPO法人「ママズカフェ」の取り組みについて

 

岐阜市では、昨年11月から自動運転バスの運行が5年間にわたって行われています。自動運転バスを走らせている自治体は少なくありませんが、現在公道を使って運行しているのは全国で岐阜市を含めて9ヶ所。

 

岐阜市ではこの半年間で、2万人以上の人たちが自動運転バスに乗車したとのことです。

 

私たちもこの日の研修で、岐阜市役所から岐阜駅までの区間、自動運転バスに乗せていただきました。最高速度が30km/h程度であるため、周囲の自動車の進行を妨げてしまう光景も見られ、そういった点がこれからの課題かも知れません。しかし、専用の通行レーンを設けるといった取り組みを進めると、さらに可能性が広がるのではないかと感じました。

 

人口減少にともない、運転手など担い手の確保が大きな課題になりつつある中、公共交通の持続可能性を高めるためにも、自動運転バスは1つの切り札になっていくものと思われます。

 

また、この日は岐阜市が児童虐待の防止と早期発見・対策のために、令和4年度からスタートさせた「こどもサポート総合センター」(市教委、県警、児相が同じフロアで連携)、さらに多治見市では子育て世代を対象としたカフェの運営や起業支援を行っているNPO法人「ママズカフェ」(平成13年からスタートさせたという全国でも先駆けの組織)の取り組みについても研修を受けてきました。

 

前日に地元での行事が、そして翌日には市議会の会議があったため、この日のみの研修参加となってしまいタイトなスケジュールでしたが、非常に多くの収穫がありました。

 

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