近況報告

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【8月5日~7日】

所属会派『真政クラブ・公明』の視察研修で、熊本県宇城市と鹿児島県いちき串木野市を訪れる。今回は①障がい児の福祉・医療政策、②小規模校への対応(統廃合と小規模特任校)という、子育て環境の整備に絡んだ2テーマで視察を行った。

(宇城市)

007『熊本県こども総合療育センター』を視察。

同センターは、障がい児に対して、総合的な診断・評価・治療・訓練を行うことを目的としている。現在、①一般入所、②母子入所、③外来診療、④通所施設、⑤育児相談、⑥レスパイト(児童短期入所事業)、⑦地域療育支援という7事業を行うため、98名のスタッフが勤務している。

昭和30年に開設された県立松橋療護園を母体として、平成6~16年の間に施設整備と組織改編を行ってきた。平成21年に医療福祉建築賞を受賞している施設は、8つの棟に分かれ、熊本県産の木材を使っているため非常に温かい雰囲気に包まれている。

ただし、私達にとって参考となったのは、そうした施設のハード面よりも、むしろ地域療育支援の制度であったと感じている。

009このセンターのような施設は栃木県をはじめ他県にもあるが、一般的に多いのはセンターのスタッフが直接各市町村に出向き、障がい児に対するサービスの相談や支援を行う方法である。ただし、こうした場合、各市町村の支援を行う機会は年数回程度にとどまる。それに対して熊本県の場合は、『療育相談員』を各保健所(人口10万人が目安というので、郡市単位と考えればいいと思われる)に配置し、常時きめ細やかな対応ができるようにしている。

こうした取り組みは『身近な地域で必要なサービスが受けられる体制づくり』という考えに基づいているのだが、今真岡市でも課題となっているレスパイトの体制整備についても、この考え方が貫かれ、県内4ケ所の重度心身障がい者施設で実施できるようにしており、今後体制の構築を進めていく上で、大いに参考となった次第。

(いちき串木野市)

現在、真岡市においても児童数の少ない小学校の統廃合が大きな課題となっている。

027今回視察で訪れたいちき串木野市は、学区外在住の児童に対して小規模校への転入学を認める『小規模特任校』の制度を活用しているのと同時に、統廃合も実施した経験があるということで、双方の取り組みを比較検討するには適した自治体であると思われた。

同市内には、現在小学校が9校あり、そのうち旧串木野市内の旭小、荒川小、冠岳小、旧市来町の川上小学校の計4校が小規模特任校となっている。

この4校に他地域から転入学する場合、自由に選択できるわけではなく、合併前の串木野、市来の両市町で自分の住んでいる地域の学校に限定されるようで、現在28名の児童がこの制度を活用(平成22年ごろは30名を超えていた)している。通学には、借り上げたスクールバスやタクシーを活用している。

いちき串木野市が『小規模特任校』の制度を積極的に導入しているのは、市長の田畑誠一氏が『児童1名になっても、保護者・地域が学校存続を希望している限り、小学校は存続させたい』という方針を打ち出していることが大きいように思えた。ただし、保護者達が『もっと大人数の中で学ばせたい』と要望し、平成22年度で閉校となった土川小学校のようなケースもある。

030今回の視察で感じたことは、いちき串木野市において『小規模特任校』の制度を活用している児童が予想していた以上に多かったことである。人口が約3万人のまちで、小学生の人数が市全体でも1500名程度あることを考えると、率としてはとても高いと思える。

ただし、制度面においては疑問を抱いた部分があったのも事実である。その最たるものは『小規模特任校が4校というのは多すぎるのではないか』ということである。このことは『転入学できる学校が合併前の旧市町内に限定されている』ことや『それぞれの小規模特任校が、学力向上を含めてどこまで特徴ある学校づくりを進めているのか』といった他の課題、疑問にも直結していることである。

何より、転入学する児童が毎年約30名いたとしても、受け入れる学校が4校あるということは、結果として児童が分散することを意味し、小規模校における特有の課題を克服するまでには至っていないということも見逃せない。

この『小規模特任校』については、いちき串木野市の取り組みを1つの事例としつつ、別な角度からの再検証が必要だと思われた。

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【岐阜県にて日帰り研修】

5月13日(月)、岐阜県の岐阜市と多治見市で行われた「全国若手市議会議員の会OB会」の研修に参加してきました。

 

今回の研修内容は、
(1)こどもサポート総合センターとエールぎふ(岐阜市子ども・若者総合支援センター)について
(2)自動運転バスの5年間の試行運行について
(3)NPO法人「ママズカフェ」の取り組みについて

 

岐阜市では、昨年11月から自動運転バスの運行が5年間にわたって行われています。自動運転バスを走らせている自治体は少なくありませんが、現在公道を使って運行しているのは全国で岐阜市を含めて9ヶ所。

 

岐阜市ではこの半年間で、2万人以上の人たちが自動運転バスに乗車したとのことです。

 

私たちもこの日の研修で、岐阜市役所から岐阜駅までの区間、自動運転バスに乗せていただきました。最高速度が30km/h程度であるため、周囲の自動車の進行を妨げてしまう光景も見られ、そういった点がこれからの課題かも知れません。しかし、専用の通行レーンを設けるといった取り組みを進めると、さらに可能性が広がるのではないかと感じました。

 

人口減少にともない、運転手など担い手の確保が大きな課題になりつつある中、公共交通の持続可能性を高めるためにも、自動運転バスは1つの切り札になっていくものと思われます。

 

また、この日は岐阜市が児童虐待の防止と早期発見・対策のために、令和4年度からスタートさせた「こどもサポート総合センター」(市教委、県警、児相が同じフロアで連携)、さらに多治見市では子育て世代を対象としたカフェの運営や起業支援を行っているNPO法人「ママズカフェ」(平成13年からスタートさせたという全国でも先駆けの組織)の取り組みについても研修を受けてきました。

 

前日に地元での行事が、そして翌日には市議会の会議があったため、この日のみの研修参加となってしまいタイトなスケジュールでしたが、非常に多くの収穫がありました。

 

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