【2月6日】
2014/02/06
- 近況報告・お知らせ
この日、『とちぎローカルネットワーク野嵐会』教育部会のメンバーで、茨城県内で唯一『コミュニティスクール』を導入している(正確には文科省の指定を受けている)小美玉市立野田小学校を視察した。
先月の28日、矢板市内で行った教育部会の話し合いで『もしも栃木県内の学校でコミュニティスクールを導入したら』という仮説を立てたが、今回の視察はそれに基づいて行ったもの。
同校は、明治26年に小川尋常小学校野田分教場として産声を上げた。初期の校舎を地域住民が協力しあって建てたというエピソードからも分かるように、地元の人々の間に『おらが学校』という意識が非常に強い。
平成21年度から文科省によるコミュニティスクールの研究推進校となり、23年度から正式にコミュニティスクールを本格導入させた。本格導入にあたっては、2代前の校長が研究推進校として活動する中でコミュニティスクールの効果を感じ、市教委などへ自発的に働きかけをしたようである。
組織としては、まずコミュニティスクールの中心母体と言うべき『学校運営協議会』があり、その下に『地域教育部会』『コーディネート部会』『評価部会』があり、自治会の代表、防犯ボランティアや読み聞かせボランティアの代表のほか、教職員やPTAなども活動に加わり、全体で約40名の組織となっている。
この地域は前述の通り『おらが学校』という意識が強い一方で、学校の近くに航空自衛隊の百里飛行場(茨城空港でもあります)があり、全国から来る隊員とその家族による転入出も毎年多く、学校に関わる温度差も目立っていた。
そうした中、学校運営協議会を中心として家族が学校や地域の行事に関わる機会を増やし、課題を克服していった。学校側がコミュニティスクールを導入した効果として『学校に対するクレームが減少した』『不登校率が低下し、現在はそうした課題も見られなくなった』といったことを挙げているのは、そのような地道な努力の積み重ねによるところが大きと思われる。
その一方、今後の課題としては子ども達に対する学習支援ボランティアなどの人材確保と活用ということが挙げられた。その点については、野田小学校が現時点では市内唯一(というよりも茨城県唯一)のコミュニティスクールということで、今後他校の波及すればもっと違った局面もあるかも知れないが、市教委あたりがコーディネートも含めもっと力を入れるべき部分ではないかと感じた次第。
今回の視察で、コミュニティスクールの有効性について実感することができた。しかし、実感すればするほど『なぜ栃木県内では今まで導入できなかったのか?』という疑問にもぶつかる。野田小学校同様に、平成21年度の時点で研究推進校は栃木県内にも存在したはずである。そのあたりについて、今後調べていければと思っている。