近況報告

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【10月25~27日】

所属会派『真政クラブ・公明』の視察研修で、鹿児島県奄美市と霧島市へ赴く。個人的には、この1週間で秋田から鹿児島まで、ほぼ日本列島を縦断する格好に…。

(奄美市①)

奄美市では、まず災害対策について視察した。

奄美地方では平成22年10月に『100年に1度と降ると予想された雨量のさらに1.8倍』に相当する(3時間で354mm、総雨量が800mm)記録的な集中豪雨に見舞われた。

行政の動きとしては、土砂災害警戒情報の発令後、ただちに災害警戒本部を、その5時間後には災害対策本部を立ち上げるなど、素早い対応を見せている。しかし、予想をはるかに超える自然の猛威には『災害慣れ』をしていると言われる奄美の人々も太刀打ちできなかったようで、3名の死者(そのうちグループホームに入居する高齢者2名)を出す事態となった。加えて、電話などの通信手段を含め、あらゆるライフラインが寸断され、多くの住民が孤立する状況が生じた。

そうした教訓を踏まえ、奄美市では地域防災計画を見直すなど、災害対策について全面的な見直しを行った。

介護を必要とする高齢者の避難支援のため市内に『福祉避難所』を設けるなど、避難所のあり方を大幅に見直した取り組みは、真岡市としても検討すべき課題(特に洪水の場合『ここが避難所で大丈夫なのか』と感じる場所が多々あるので…)だと思えた。

さらに、孤立が予想される集落を対象とした衛星電話の設置、防災無線のデジタル化、市民有志が運営しているFM放送の活用など、市民への周知に多様な方法を用いている点についても、今後真岡市が防災計画を練り直す上で参考となる話が多かった。

(奄美市②)

奄美市では伝統産業の『大島紬』についても視察。ちなみに大島紬と真岡木綿は、平成22年に真岡木綿会館落成3周年事業として合同の作品展を開催するなどの交流を行ってきた経緯がある。

奄美市では、昭和46年に合併前の旧名瀬市が「伝統産業振興モデル都市」を全国で初めて宣言し、大島紬の支援を地域全体で行っている。毎月15日を大島紬の製品を身に着ける日として定めているほか、奄美市議会でも12月定例議会の最終日を“紬議会”とし、議員全員が紬の着物を着用していることは知られている(こうした取り組みは、もっと真岡市としても見習うべきです)。

余談だが、初日の視察で我々の出迎えをしていただいた奄美市議会の向井俊夫議長は、大島紬で作られたジャケットを着用していた。

このような、地元の熱心な取り組みの背景には、大島紬の衰退が顕著であることが挙げられる。現在の生産反数・金額は、地元関係者が『もっとも活況を呈していた時期』と口をそろえる昭和40年代後半と比べると、わずか3%程度にとどまっている。伝統的な織物産業は、いずこの地にあっても厳しい状況下にある。それは大島紬も例外ではないのである。

このように見ていくと、真岡木綿を今後売り出していくことの難しさを痛感せずにはいられないが、悲観すべき材料ばかりでないと思えたのも事実である。

元々、農家の女性の副業的位置づけで、全ての作業を1人の織り手が担うため、産業としては「集積されない」ことが弱点であった真岡木綿だが、そのことが逆に「集約される」という強みにもなりうると思えるのである。つまり、体験型の観光として見た場合、綿の栽培・収穫、糸繰り、染色、機織りまで一貫して体験できる真岡木綿の製造工程は、強みにもなり得る。

また、繭の大半を輸入している大島紬と比べて、地元産の綿(100%とは言えないが)を使用している真岡木綿は、「オーガニックな織物」という特色も有している。

今回、大島紬の現状を視察したことで、真岡木綿の強みを再発見できたとも感じるのである。

(霧島市)

霧島市では『地域まちづくり支援事業』をテーマに視察した。

真岡市も自治会単位の活動はとても盛んに行われているが、霧島市の取り組みで参考とすべき点として挙げられるのは『組織の一元化』と『行政のサポート体制』である。

真岡市の場合、自治会の組織は区―町会―班というスタイルで、さらにこれとは別に地域公民館の組織がある。市役所の窓口についても自治会は『総務課』が、地域公民館は『生涯学習課』が担当しており、実際に地域の活動に参加してみると、分かりづらいことはもちろんだが、縦割りの弊害を様々な部分に感じてしまう。

一方、霧島市の自治会組織は、自治公民館-自治会―班という形のみで、自治会と公民館活動を1つにまとめている。また、市役所の窓口も市長部局内の『共生協働推進課』に統一されており、自治会活動に関する相談は全てここで一元的に扱われている。

協働のまちづくりに関する取り組みが教育委員会で扱うことの問題点を、9月議会で指摘したばかりの私にとっては、まさに『わが意を得たり』という気持ちになった。

また、同市では『地域まちづくりサポーターチーム』という制度が設けられており(これは合併前の旧国分市から続いているものらしい)、自治会活動について市の職員279名が霧島市内の89地区に派遣され、ボランティアで各地域のまちづくりについて支援を行っている。

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