【7月6日~7日】
2013/07/07
- 近況報告・お知らせ
毎年11月に東京で開催される研修会『清渓セミナー』の実行委員会が宮城県内で行われた。
今回の実行委員会は会議だけでなく、宮城県丸森町の渡辺政巳・元町長(実行委員会のメンバー)に案内をしていただき、東日本大震災の被災地視察もあわせて実施された。
東松島市、石巻市、女川町、名取市の閖上地区等々…。震災から2年4か月が経過し、被災地も復興に向けた動きが見られるのだろうと、淡い期待を抱いていた。しかし、多くの地域ではいまだに瓦礫が片付いただけの更地が広がるだけで、現実は何も進んでいないことを痛感させられる。
写真は、女川町にて町議会議員の平塚勝志氏から説明を受けている所。特に、同町のように漁業を主要産業としてきた自治体では、住民を元の地域に住まわせるか、高台に移転させるかということについて、住民間のコンセンサスを得ることが困難で、新たなまちづくりの青写真すら描けていないのが実情のようである。
名取市閖上地区では『閖上復興だより』の編集長である格井直光氏に、地域の現状について説明を受けた。格井氏は、元々スポーツ用品販売店を経営していたが、住民が各地の仮設住宅に散らばることで、コミュニティが維持できなくなることに危機感を募らせ、被災した年の秋から、仲間達と毎月1回のペースでミニコミ誌を発行し続けている。
格井氏が手にしている写真は、被災前の閖上地区の様子。目の前の土地に住宅地があり、そこに多くの住民が生活していたということが、どうしても想像できない。
以前、岩手県陸前高田市の戸羽太市長が、講演の中で『私たちが恐れていることは忘れられること』と語っていた。私もさきの震災では被災者の1人であることには違いない。しかし、東北地方の被災地の現状を『多分、復興は進んでいるのだろう』と勝手に想像し、被災した方々の苦しみを“忘れた”側の人間だったことを思い知らされ、恥ずかしい気持ちを抱きながら帰路についた。