【7月10日~11日】
2013/07/11
- 近況報告・お知らせ
北海道札幌市で行われた『全国若手市議会議員の会』の役員会・研修会に参加。
研修でのテーマは①水資源条例の制定、②防災の取り組み(バックアップ拠点構想、火山対策)、③次世代エネルギーパークの3つだった。
この中で、特に印象に残ったのは水資源条例についてであった。
世界的に深刻な水不足となっている今日、諸外国が水源の確保を狙って、日本国内の森林を買収する動きが顕在化している。北海道内ではこれまでに67件、合わせて1054haの森林が海外資本等によって取得されている。これは、海外に買収された日本国内の森林の約9割に相当する。しかし、農地などと比べて森林は、取引情報を把握する仕組みが十分ではなく、さらに外国人に対する土地取引行為を規制することもできない。
そうした中で、北海道では平成24年3月に『水資源の保全に関する条例』が制定された。
条例では、市町村長の提案に基づいて『水資源保全地域』が指定され、当該エリアで土地所有権の移転が行われる場合、事前に知事に届け出をしなければならないことになっている。この条例に違反した場合の罰則規定は設けられていないが、違反者の公表を行うようになっており、担当者の話によれば、罰則以上の効果があるということであった。
この条例は市町村よりも、むしろ都道府県レベルで制定した方が大きな効果が見込まれると思われた。ただし、栃木県内でもすでに海外資本等による森林取得が行われているものの、この種の条例は制定されていない。各市町においても、県の動きを静観するだけでなく、積極的に制定に向けた働きかけをしていく必要性はあるように感じられた。
この研修会の後、札幌市苗穂にあるJR北海道の『DMV推進センター』を個人的に視察した。DMVはデュアル・モード・ビーグル(Dual Mode Vehicle)といい、線路と道路の両方を走行できる乗り物。
赤字路線の維持のため、低コストで運行できる車両について研究をしてきたJR北海道では、平成16年にマイクロバスを改造した車両を用いてDMVの開発に成功した。
その後も車両の改良(1番の課題は輸送人員の増加です)を重ね、現在開発されている車両については、あと2年程度で実用化できる見込みとのことだった。
説明を受けた後で施設内を試乗させていただいたが、バスとして走っていた車両が、ある瞬間から突然線路の上をカタンコトンと走り出したのが、何とも不思議な感覚…。
車両を開発したことが報道された平成16年当時『将来、茂木駅~ツインリンク間や、関東鉄道常総線・宇都宮のLRTなどへの乗り入れに使えないものかなぁ』ということを漠然と思い描いていたが、今回ようやく視察することができ、現状を具体的に知ることができた。