近況報告

NEWS

【7月12日〜14日】

民生産業常任委員会の行政視察で、広島県坂町(ごみ処理施設の運営)、愛媛県西条市(中心市街地活性化事業)、愛媛県松山市(サンシャインプロジェクト)を訪れた。
なお、今回の行政視察から見直しを行い、3つのテーマについて調査(従来は2つのテーマ)をすることとなった。議員の勉強の場としては必要であるものの、市民から何かと批判の多い視察研修について、“改革”を一歩進められたとは感じている。

(坂町)

現在、芳賀地区広域行政事務組合でもごみ処理施設の建設計画を進めているが、今回は、炉の規模・機種、建設・管理を担う事業者がほぼ同じの『安芸地区衛生施設管理組合』のごみ処理施設を視察した。
この施設では、安芸地区の4町(人口規模約12万人)から出されるごみを処理している。平成22年度に焼却されたごみの量は31,395tとのこと。
芳賀地区でも導入が決定している『流動床式ガス化溶融炉』は、焼却の際に発生する熱を利用して効率良く発電ができるというメリットがある。安芸地区でも施設内の電力に利用するだけでなく、売電も行うことにより、発電を全くしない場合に比べて8,000万円の経費節減ができているという。
その一方で、溶融炉内でスラグ(これも建設資材として再利用できるメリットがあるが…)が詰まるトラブルが各地で報告されていたが、そうした問題も現在までに改善が図られているという。安全性の課題も、ひとまずクリアされていると考えていいだろう。
ただし、安芸地区衛生施設管理組合の担当職員によれば、5年間の保証期間を過ぎた頃から、溶融炉内における耐火物等の消耗品を短期間で更新しなければならないなど、当初の見込みよりも補修費がかさんでおり、組合でも問題となっているらしい。使用している消耗品の素材等に問題があるようだが、今後芳賀地区で施設が建設された場合、管理運営を行う事業者に対して、行政側がどこまで踏み込んでチェックができるかは大きな課題になると思われる。

(西条市)

西条市は、江戸時代から城下町として栄え、市の中心市街地には今も6つの商店街が形成されている。しかし、近年は郊外等に大規模商業施設が集まったこともあり、平成19年の時点で空き店舗率が43.3%になるなど、中心部の求心力低下が課題となっていた。
そうした中、平成18年に国が中心市街地の活性化させるための認定制度をスタートさせたことを受け、西条市では早い段階からこの制度を活用する準備を進めてきた(現在、全国でこの制度を活用しているのは105市町)。
西条市では平成19年に行政と民間双方の代表者による協議会を立ち上げ、翌20年7月には『西条市中心市街地活性化基本計画』をまとめ上げている(計画期間は平成20年7月~25年3月)。対象エリアはJR伊予西条駅周辺の140ha、ハード・ソフト両面で計45事業を行う。
対象エリアの広さもさることながら、投入される事業費も規模が大きく、約5年間で130億円の予算が見込まれている。内訳は国からの支援(まちづくり交付金等)が45%、市の持ち出しが55%で、市の持ち出し分については大半が『合併特例債』を充てる。
ハード面の取り組みは、アーケード商店街の再整備や、写真にある伊予西条駅周辺の観光資源開発などについて、今回視察した議員の間でも賛否が分かれた。

しかし、計画の中身を見ると『歩行者・自転車通行量の増加』や『空き店舗率の減少』等について具体的な目標数値を掲げているのはもちろんのこと、その目標に向けてまちの中をエリア分け(商業拠点エリア、環境拠点エリア、居住エリア)し、その中で回遊性を高める方策を掲げているなど、単なる『お手盛り』的な計画に終わっていないことは現時点でも高く評価できよう。
また、ソフト面においても『土曜夜市』など、商店街によるユニークな取り組みも存在している。そうした点は真岡市でも、即座に参考となるものではないかと思われた。

(松山市)

松山市は年間の日照時間が長く(2,055時間)、全国平均(1,850時間)を大きく超えていることに着目し、平成20年度から太陽光を中心とした再生可能エネルギーの活用で脱温暖化と産業創出を目指す『松山サンシャインプロジェクト』を立ち上げた。
学校を中心とした公共施設にソーラー発電施設を積極的に設置しているほか、個人・法人向けに市独自のソーラー発電設置補助制度を行っており、15万kW強の発電を市内全域で取り組む目標を立てている。
こうしたことを行うようになった背景には、ドイツで“環境都市”として名高いフライブルグ市と姉妹都市となっていることも大きいように思うが、自分の地域の特色を発掘し、地域のブランド化、さらには社会問題の解決にもつなげようとしている点は非常に興味深い。
市役所で説明を受けた後、四国電力の火力発電所跡地に誘致した『松山太陽光発電所』を見学。四国初のメガソーラー発電施設で、15,000枚を超えるパネルが設置されている。

このように、環境ビジネスの誘致・創業支援を行い、産業の活性化と雇用の確保に努めている点も『サンシャインプロジェクト』の大きな特徴である。
東日本大震災以降、新エネルギーに関する取り組みは喫緊の課題となっているが、そうした中にあって松山市の取り組みはさらに注目を集めることになるだろう。

(余談)


視察内容とは全く関係がないが、松山市役所を訪問した際、1階の窓口にこんなキャッチコピーがドーンと…。
こういう言葉を堂々と掲げられる松山市って、何かオシャレだなと思う。

最新の記事latest articles

  • 2024/05/15
    【岐阜県にて日帰り研修】
  • 2024/05/15
    【重い言葉でした】
  • 2024/04/30
    【広報もおかの音訳作業】
  • 2024/04/30
    【“消滅可能性自治体”と誰が言…
  • 2024/04/30
    【栃木県戦没者合同慰霊祭】

カテゴリーcategory

アーカイブarchive

近況報告

NEWS

【岐阜県にて日帰り研修】

5月13日(月)、岐阜県の岐阜市と多治見市で行われた「全国若手市議会議員の会OB会」の研修に参加してきました。

 

今回の研修内容は、
(1)こどもサポート総合センターとエールぎふ(岐阜市子ども・若者総合支援センター)について
(2)自動運転バスの5年間の試行運行について
(3)NPO法人「ママズカフェ」の取り組みについて

 

岐阜市では、昨年11月から自動運転バスの運行が5年間にわたって行われています。自動運転バスを走らせている自治体は少なくありませんが、現在公道を使って運行しているのは全国で岐阜市を含めて9ヶ所。

 

岐阜市ではこの半年間で、2万人以上の人たちが自動運転バスに乗車したとのことです。

 

私たちもこの日の研修で、岐阜市役所から岐阜駅までの区間、自動運転バスに乗せていただきました。最高速度が30km/h程度であるため、周囲の自動車の進行を妨げてしまう光景も見られ、そういった点がこれからの課題かも知れません。しかし、専用の通行レーンを設けるといった取り組みを進めると、さらに可能性が広がるのではないかと感じました。

 

人口減少にともない、運転手など担い手の確保が大きな課題になりつつある中、公共交通の持続可能性を高めるためにも、自動運転バスは1つの切り札になっていくものと思われます。

 

また、この日は岐阜市が児童虐待の防止と早期発見・対策のために、令和4年度からスタートさせた「こどもサポート総合センター」(市教委、県警、児相が同じフロアで連携)、さらに多治見市では子育て世代を対象としたカフェの運営や起業支援を行っているNPO法人「ママズカフェ」(平成13年からスタートさせたという全国でも先駆けの組織)の取り組みについても研修を受けてきました。

 

前日に地元での行事が、そして翌日には市議会の会議があったため、この日のみの研修参加となってしまいタイトなスケジュールでしたが、非常に多くの収穫がありました。

 

最新の記事latest articles

  • 2024/05/15
    【岐阜県にて日帰り研修】
  • 2024/05/15
    【重い言葉でした】
  • 2024/04/30
    【広報もおかの音訳作業】
  • 2024/04/30
    【“消滅可能性自治体”と誰が言…
  • 2024/04/30
    【栃木県戦没者合同慰霊祭】

カテゴリーcategory

アーカイブarchive