この日は、義理の両親の『慰労会』が行われた。
これまで約50年間、自宅の庭先の工場でゴム加工品の製造を続けてきたのだが、この度、その工場を閉じることになったのである。
私にとって一番思い出深いのは、妻と入籍をした日、家まで迎えに行った時のこと。
『じゃあ、お父さん行ってくるよ』
『おぉ』
義父は、妻の方を振り返ろうともせず、ランニングシャツ姿(夏の工場は本当に暑いのです)で、黙々とプレス機と向き合っていた。
2人とも朝から晩まで働きどおしで、4人の子ども達を育ててきた(本当に今までお疲れさまでした!)。